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本日投稿1話目

 八神たちが落下した直後に救急車に連絡がなされた。救急から連絡を受けた警察も現場に急行した。

 彼女が搬送され、警察により現場検証がされているさなか、神坂グループの人間がビルを訪れた。一人は総白髪の壮年の男。一人は黒髪短髪の頼りなげな表情をした若い男だった。黒髪の男の作業服には金槌がくくりつけられていた。

 事故でロボットが壊れた際には専門の技術者がデータの復旧を行う。ロボットの記憶データの中に事故原因を解明する情報があるかもしれないからだ。

 特に感情を持ったロボットが壊れた際には必ず二人以上の、人間の技術者が派遣される。

 警察とやりとりをし、現場の状況を詳細に記録し終わるのを待ち、彼らは八神の残骸を回収する。警察から許可が取れた範囲に散らばっていたものはどんなに細かいパーツも見落とさず。一通り集め終わった彼らは八神の所有者である会社の担当者に報告をし、自分たちの職場に戻ろうとした。


「――あの!」


 彼らに声がかけられた。

 声の主は八神を合コンに誘った男だった。その後ろには数名の社員とおぼしき人々が並んでいた。


「忙しいところ、すみません。それでもどうしても気になって、その、……八神は、直るんですか」


 技術者ふたりのうち、総白髪の方が答える。会社の担当者にしたのものとほとんど同じ内容の説明だった。


「治るかどうか、確実なことは申し上げられません。頭部は大破していますが、胴体にある記録部分の損傷がどれほどかは解体してみないとわかりません。記録部分が無事なら治すことができるかもしれませんが、感情まで元通りにできるか現状ではなんとも言えません」

「そんな……」


 会社員の男が眉間にしわをよせ、目尻を下げた。その手は強く握られていた。


「でも、元通りになって戻ってくる可能性もあるんですよね」

「可能性はゼロではありません」

「なら、どうか、お願いします。八神は大事な仲間なんです。直してやってください」


 彼は深々と頭を下げた。周囲にいた会社員たちも腰を九十度折り曲げた。

 総白髪の男は帽子をとり、小さく一礼した。


「最善を尽くします」


 神坂グループの技術者たちは車を出す。

 会社員の男たちは車を見送り、もう一度深々と頭を下げた。黒髪の技術者が角を曲がる際にミラーを見た時にも、頭を下げていた。


―――


「あんなに頭を下げるなんて、大事にされていたんですね」

「そうかもな」

「なんとか治してあげたいですね」

「さっき言った通りだ。おれたちは最善を尽くすだけだ」

「そうですね」


 黒髪の技術者は、器用にも前を見ながらわずかに目を伏せて言った。


「治してあげられるといいんですけど」


ちょっと時間をおきつつ完結まで投稿してしまおうと思います。

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