洋服を買ってもらった女の子
ある日、枕もとに袋が置いてあった。
女の子はまだ小さいので妖精さんからの贈り物だと思った。
「妖精さん、ありがと。」
さっそく女の子はその洋服を着た。
ピンク色でレースがついた可愛らしいものだった。
それからこの洋服は女の子のお気に入りになった。
一年たつと女の子は身長が伸びて洋服を着れなくなった。
女の子は頭がよかったのでママと一緒に洋服をリメイクすることにした。
小学生だったので、ランチョンマット袋を作った。
それもお気に入りになった。
でも、中学生になるとランチョンマットがいらなくなった。
女の子は頭がよかったのでランチョンマットをリメイクすることにした。
今度はシュシュを作った。
ピンクで可愛らしいものだったが、3年生になると友達から
「いたい。」
と言われるようになったので女の子はまたリメイクすることにした。
今度はピンク色のリボンを作った。
シュシュの真ん中をとめるだけだったので簡単だった。
リボンをキーホルダーにしていつも持ち歩いた。
ある日
女の子はバッグにリボンをつけて秋葉原に行った。
すると大きなスクリーンから女の子の歌い声が聞こえてきた。
「あれ。」
それは今はやりのミナミというアイドルだった。
「ん。」
「まさか。」
ミナミの洋服はピンク色でレースがついていた。
「……。」
「あれ、私に洋服をくれた妖精さん?」
それから
女の子はミナミのファンになった。
もちろんライブに行くときはピンク色のリボンを持っていく。
終わり