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電子一夜物語  作者: メフィストフェレス
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ハルノヒトビト。

ハルノクニに残る史実の中で、一際輝く逸話と言えば、やはり「剣士スパイダー対邪神ナギナークの戦い」でしょう。

しかしその話をする前に、話さねばならない事が多々あります。

どの人物も、今後の運命を左右する大きな力の持ち主なのですから。




邪神ナギナークは悪意の塊ですが、

ナギナーク自身には善悪の概念はなく、あるのは興味だけ。

人間を揺さぶり、いかなる反応を起こすのかを観察するのがナギナークの目的であり、どんな結末を迎えるかはナギナークの興味の対象外なのです。

そんなナギナークが様々な人物の集うハルノクニに惹きつけられたのは、ある意味必然と言えましょう。


ハルノクニには様々な人物との友好があります。

友好は道になり、やがて多くの人が集い、また去っていくのです。



その中でも一際異彩を放つ人物と言えばやはり「魔王様」でしょうか。

魔王様は仇名であり、その実名は限られた人物しか知りえません。

その見た目とは裏腹に長くの月日を生きており、最愛の妻、織姫様と共に諸国を漫遊しておられるそうです。

長くを生きた為に蓄積された経験と知識から「賢者」と呼ぶものもいれば、苛烈な迄に敵対者を攻撃する「嵐の化身」と呼ぶものもいます。

花の女王をまな板、絶壁胸、と揶揄する事から「ただの変態」と呼ぶものもいますが、その性質は気まぐれの一言に尽きます。

織姫様だけが、魔王様の手綱を操る事が出来ますが、子を眺める母の様に魔王様の動向を微笑みながら見ているのが織姫様なのです。



魔王様には、様々な盟友、同胞、部下がいますが、その中でもハルノクニに永く居るもの。

今日、戯劇の中でも特筆される事の多い名文。

「三日月は魔王の手に。」

でお馴染みの間者、ミカヅキです。


その動きは素早く、その頭の切れは、間者で無ければ後世に名を残した事でしょう。

また、変装の達人であり、一度締め出された部屋の鍵を掛ける前にもう一度中に潜り込む事が出来たと言う逸話もあります。



おっと、ハルノクニの大臣、ルイ・カサノヴァを忘れてはいけません。

女性と見紛うばかりの中性的な美貌。

いかなる話題にも臆しない胆力は社交場の華と言われていたものです。

ハルノクニにこれだけ多種多様の人物が集う事になったのに、ルイ様の力は不可欠だったでしょう。

ルイ様は何よりも第一に花の女王を敬い、その他の者には平等に接しておられた様です。

ルイ様の名文といえば

「貴方と私の友人が喧嘩していたとしても、それが、私と貴方が喧嘩する理由にはならない。」

ですね。

平等の心理に最も近しい者。

しかしながら本人が自覚していたかどうかはわかりませんが。



そして特に忘れてはならないのはやはり剣士スパイダーです。

スパイダーの話は後ほど詳しく話をする事になるので、ここでは割愛させて頂きます。



最後に時代の観測者。

「風」と呼ばれる正体不明の男。

深くローブを被り、老人の様な言葉でしゃべりますが、その正体は誰も知りません。

年齢も、本名も、出身も分からず、その性別すら、多分男だろう、程度としか分かっておりません。

「風在る所に災い有り」と言う言葉がありますが、果たして風が災いを呼ぶのか、災いが風を呼ぶのか、それすら謎に包まれています。

分かっているのはこの言葉の通り、混乱や喧騒在る所にふらりと現れ、感想を述べるとふらりと居なくなる事だけです。

彼の存在が良い風に作用するのか、悪く作用するのか、現時点ではわかりません。

が、その存在感抜きにしては、物語も盛り上がらないというものです。



それでは、いよいよ邪神の章に取り掛かる事に致しましょう。

時間の許す限りごゆるりとお楽しみ下さい。


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