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電子一夜物語  作者: メフィストフェレス
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砂漠の街のアデニウム。

語る事は特にありません。

全ては物語の中に・・・・。

昔々、ある所に醜い心を仮面で隠した

一人の道化がおりました。

道化は皆が集う広場で、アデニウムという少女に恋をしました。

道化は彼女に心を開いてもらうために、

毎日毎日戯曲を披露しに広場へ出かけました。

そしてある日、その行為が実を結び

ついに少女は道化に心を開いたのです。


しかしある日、少女の幼なじみが、

戦場で深手を負って帰ってきました。

幼なじみはいつ目を開くかもわかりません。

少女は道化と笑って暮らすより、

幼なじみと苦しみを分かち合うことを決心し、

道化の元を去りました。

道化は思いました。

彼女から笑顔を奪ったあの男が、

何故彼女を連れて行く?

今にも泣き出しそうじゃないか!

そして同時に思いました。

もしあの男が快復したなら、

彼女は太陽より眩い笑顔と、

心の底からの幸せを手に入れれるに違いない。

そして道化は決めました。

いつの日か帰ってくる二人のために、

広場をひとで埋めよう。

人の雑踏、笑い声、祝福の声でいつか帰ってくる二人を迎えようと。


道化は毎日広場に通います。

沢山のおかしな戯曲を携えて。


そして道化の祈りは天に通じました!

いつ目覚めるとも分からない男は

ついに目を覚まし、少女と手を取り合って

広場にやってきたのです!

飛び交う歓声と祝福の声!

道化は少女に砂漠の薔薇、アデニウムを手渡し

幸せになる呪いをかけました。

道化は少女に感謝しました。

愛を求めることより、

与えることこそが尊いと教えてくれた事に。


最後に少女は道化に尋ねました。

貴方は愛を与えているけれど

誰が貴方に愛を与えるの?

道化は静かに首をふるばかり。


今でも道化は広場にいるそうですよ?

なんでも今度は、意地っ張りだけど気弱な少年と

とても意地の悪い天使の奪い合いをしてるとかなんとか。


その話はまたの機会にいたしましょう。

それではこれにて皆様ご機嫌よう。

舞う花吹雪 飛び交う歓声


そしてカーテンコール。


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