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03-004 親友の敵
とある別の人物からの視点です。
凶獣が暴れる森。
あの怪物は、なんとか倒さなければ。
森の仲間の動物たちが、私達の友達がみんな殺されてしまう。
私達は決死の想いで討伐隊を作り、凶獣を倒すべく森の奥へと進んでいった。
凶獣を追うのは難しくはなかった。凶獣が破壊した森の痕を追えば良いのだから。
やがて私達は、破壊された森の広場を見つけた。
森の広場では、何者かが焚火をしていた。
…怪しい。
仲間達に合図をして展開し、広場を取り囲む。
そっと樹上から覗くと…その怪しい者は、何かを焼いて食べているようだ。
…いったい何を焼いて…
怪しい者の傍らに転がっているのは…鹿の首?!
「い、いやぁぁ!」
思わず叫んでしまった。
私の親友だった…鹿達のリーダーだった、鹿の女王ピュリカ…
そいつに食べられているのは、私の親友だった。
ゆ、許せない!
仲間達へ合図を送り、私達は一斉に矢を放つ。
広場の周囲からの一斉攻撃。
決して外れることはない。
「ピュリカの敵っ!」
経緯を知らないと、こうなるわけで…




