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02-003 悪魔の神殿
今回は、俯瞰視点での話になります。
その岩山に掘られた古代の神殿は、長い年月と共に忘れて去られていた。
かつては神殿の聖域とされていた範囲も人々に忘れ去られ、いつしか少しづつ開拓民が入植するようになっていた。
しかし、いつの頃からか入植地を荒らす魔物が現れるようになって行った。
…そう、山脈の向こうの国に魔王が現れた頃からだ。
風の噂では、魔王は幾多の小国を滅ぼし、ある国の姫君も誘拐されたらしい…。
開拓民は協議の末、魔物退治の自警団を結成した。
入植地を荒らす魔物を追い払い、やがて根拠地と思しき古代の洞窟神殿を発見した。
自警団は神殿の討伐を謀ったものの…結果は散々たるものだった。
神殿の魔物は非常に手強かった。
数次の討伐が不調に終わり、入植者達は神殿を恐れるようになっていった。
ちょうどその頃、再び風の噂が流れてきた。
かの国に勇者が現れ、魔王軍の討伐を始めたらしい…。
入植者達は光明を見た思いだった。
入植者達は切に願った。
…この地にも勇者が訪れる事を…。
まぁ、前話の裏話みたいなものですね。