02-001 遥かなる旅立ち
さて、プロローグが終わって本章に突入です。
…多分(苦笑)
朝靄が棚引く原野や森を遥かに見下ろし、夜明けの空を往く。
藍から青へと空が色めき、大地に色彩を与える。
色付く原野は晩夏の香りを初秋へと変えてゆく。
…なーんてな?
コレで俺が王子様かなんかだったらカッコイイんだが、残念ながら俺は勇者様御一行から逃げ出した魔王だ。
姿も白鳥かなんかならサマになるんだろーが、残念ながら漆黒の飛竜の姿と来てやがる。
まぁ、飛行能力は非常に高いので、気楽に飛んでもかなりのスピードが出ているようだ。
とりあえずは、勇者様御一行に狩られる心配も無くなったし、今んとこ魔王軍を再興する気もない。
大地を見下ろして飛びながら、ふと俺は思った。
…そもそも、魔王の力ってどんなんだ?
何もないトコに食い物やら飲み物やら出現させたり、いろんなモンスターに変身出来たり…。
うむ、魔法やら戦闘やらも対外は出来そーだな。いや、出来るどころじゃねー、最強クラスだ。
なんだよ、魔王って万能で最強じゃんか!
コレなら世界征服なんか余裕じゃん。
…いや、世界征服をやりかけて、勇者ああああに討伐され掛かったんだけどな。
…まぁ、とりあえず、勇者とかを抜かせば最強・万能ってコトか。
まぁ、悪くねーな。
充分過ぎるチート能力だ。
さて、どーすっかな…。
改めて前方を見る。
適当に王都じゃねー方角に飛んできたが、あの地平線の山並みを越えりゃ、別の国だ。
行ってみっか?
俺は更に高度とスピードを上げて、山脈を目指した。
まぁ、山脈を越えると別の国…ってのアリガチですね。
目指す山脈の向こうには果たして、何があるのか?