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偽りの名AtoZ  作者: 砂白ゆとり
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幻種覚醒

機械侵食者(イレギュラー)侵食区域・第三戦闘部隊


本来安全な筈の後方に展開していた第三戦闘部隊が機械侵食者(イレギュラー)の強襲に会っていた。

事態をゼータ率いる第四戦闘部隊に知らせる為に近くの大砲を破壊したワイズマンは、駆けつけたZの適合者に機械侵食者(イレギュラー)の襲来を伝えた後、残りの弾薬で撃てる手を考えていた。

突然の機械侵食者(イレギュラー)の襲来によって後方に展開していた大砲部隊が壊滅、50機あった大砲の内19機が大破してしまい、残りの31機は無事だが襲来してきた機械侵食者(イレギュラー)を迎え撃つ為に数十名が犠牲にあい、実質爆撃が可能な大砲は残りの26機だ。


『ワイズマン様確認し終わりました』

『それで残りの弾薬は?』

『残りの大砲の数を考えますとおよそ3回分かと』

『なるほど・・・』


残りの爆撃回数を確認し終えた後にワイズマンは爆撃する機会を伺う。

無論残りの残弾と計算して最適に的確に爆撃する為だ。


『ワイズマン!』

『ゼータか?』

『被害状況はどうなっているのです?』


ワイズマンは事態の把握しようと活動していたゼータと出逢い、被害状況、機械侵食者(イレギュラー)の襲来、残りの弾薬の等を報告し終える。

Zの適合者が事態をおさめる為に行動しているとゼータから教えられたワイズマンはその事を部隊に伝達するように指示をだす。

未だに機械侵食者(イレギュラー)の襲来を警戒している第三戦闘部隊を安心させる為だ。


『正直なところ我々の砲撃はヴィゼイアスにはダメージを負わせているのですか?』

『あの化け物にも限界はあるでしょう・・・証拠にあの化け物の周りには防御の為に展開したクリスタルの欠片が散らばっていますので』

『そうですか・・・ならば我々も最良の一手を撃てるように準備しておきます』

『よろしくお願いしますね』


状況を確認し終えたゼータが飛び立ち、その場に赤い羽根が舞い降りる。


『必ず我々に勝利を・・・』


ワイズマンはゼータの羽根を拾いあげると胸元に入れて勝利を願う。



機械侵食者(イレギュラー)が第三戦闘部隊に強襲を開始してから数分後。

戦闘をしているユセからヴィゼイアスに伝達が飛んでくる。

侵食細胞(オラクル)レベル5となったヴィゼイアスの特殊能力・・・自身の血液を取り込んだ人物との意識疎通を可能とする能力がある。

その能力によって離れているからでも敵の情報、戦略を知る事が出来るのだ。


『ナルホド・・・アノ仮面ヲ着ケタ連中ヲ捕食サセルノハ避ケタ方ガ良イヨウデスネ』


守りに専念したことによって姫子とユセの奇襲を成功させたヴィゼイアスだが得られた情報、そして思いの他被害を与えられずに悩んでいた。

今のヴィゼイアスは姫子、ユセを失った事によって多少侵食細胞(オラクル)が少なくなってしまっている。

この状況でのイクサ達との戦闘、此方からの攻めた場合であればどうしても防御にまわす侵食細胞(オラクル)が不足してしまう。

それは非常に不味い事であり、もしかすれば敗北するとヴィゼイアスは考えたのであろう。

少しでも自身が敗北する可能性があるのであれば避けるのが常識だ。


『ドウシタノデスカ?ヴィゼイアス・・・先ホドカラ此方ニ攻メテ来テハイナイヨウデスガ』


イルミデンテがヴィゼイアスに問いかけるがヴィゼイアスは答えようとしない。

確かに姫子、ユセを奪還してからヴィゼイアスは動きを止め、ヴィゼイアスからのイクサ達に攻撃してきてはおらずイクサ達の攻撃を迎撃しているだけであり、ワイズマン率いる第三戦闘部隊からの爆撃もクリスタルの傘を造ることによって防いでいた。

その行動を見ていたイクサも姫子、ユセが奪われてた事によって侵食細胞(オラクル)が減退したからだと思っていたがどうやらヴィゼイアスの考えはイクサとは違うらしい。

人である事を棄てたからなのか、それとも単純にヴィゼイアスの戦略眼の方が上なのかはわからないが・・・


『何カ機ヲ伺ッテイルノカ?』

『答エルキハナイ』


イルミデンテの問いかけに答えるきはないヴィゼイアス。

しかしそれはヴィゼイアスにとって愚策であった。


『そうか・・・イルミデンテこの場を任せるぞ』

『了解した』


イルミデンテにこの場を任せたイクサがヴィゼイアスの百機夜行によって出現した機械侵食者(イレギュラー)に向かって攻撃を仕掛ける。

機械侵食者(イレギュラー)と戦闘をしていた帝の軍勢達は自分達に助太刀してくれた(コード)りの(ネーム)がイクサだとわかると一気に士気が上がり、戦闘が激化する。

既に帝の軍勢との戦闘で半壊していた機械侵食者(イレギュラー)にイクサの槍での攻撃加え、第一、第ニ戦闘部隊の攻撃。

イクサの侵食細胞(オラクル)によって造り出された槍はかすり傷でさえも機械侵食者(イレギュラー)にとっては致命傷になりうる武器だ。

その事を理解しているイクサは翼と強化した脚力を利用して機械侵食者(イレギュラー)の群れに飛び込み、機械侵食者(イレギュラー)を薙ぎ倒す。


『今だ!イクサ様に続けぇぇ』


イクサの突撃に乗じて第一、第ニ戦闘部隊の攻撃が開始され、イクサの侵食細胞(オラクル)によって動きが鈍くなかった機械侵食者(イレギュラー)を倒すのは造作もなく次々と倒していく。

次々と倒される機械侵食者(イレギュラー)は陣形もままならならず、今まで通りに行動する事が出来ないのか徐々に数を減らしていき・・・


『残りの数5匹!このまま押しきるぞ』


部隊長が残りの機械侵食者(イレギュラー)を確認し各部隊に告げて最後の5匹の機械侵食者(イレギュラー)の討伐が開始される。

残りの5匹、そしてその5匹全てがイクサによって傷つけられ行動を制限されている。

思うように動かない手足、霞む視界に、引き千切られた触角。最早虫の息となった機械侵食者(イレギュラー)だが油断は出来ない、死ぬ間際の生物は時として想像を絶する力を発揮するのだから。

火事で倒壊しそうな建物から息子を助けようとする父親が火を恐れず救出する時や、自分より大きな猛獣から我が子を守る野生動物など、死を覚悟した生物は最も警戒すべきなのだ。

案の定5匹の機械侵食者(イレギュラー)は今までの機械侵食者(イレギュラー)とは違い負傷しているのにも関わらずに、帝の軍勢と接戦していたが徐々に数を減らされ残りの1匹となる。

見事な連携で徐々に追い詰める帝の軍勢、1人が囮となり攻撃を惹き付け、二人が死角からの攻撃、もう1人が二人の援護射撃をする事によって機械侵食者(イレギュラー)の攻撃を1人に集中させない戦法だ。


『これで最後だ!』


1人の帝の軍勢の斬撃によって腹部を貫通させられ、もう2人の帝の軍勢が身体を支えている6本足の内2本を斬り飛ばし、更に身動きのとれなくなった機械侵食者(イレギュラー)に待ち受けているのは対機械侵食者(イレギュラー)用手榴弾であった。

手榴弾の爆発と共に最後の1匹の機械侵食者(イレギュラー)もこの世から消滅してしまう。


『これで残りは・・・』


しかし現実は非情であった・・・最後の1匹を倒し終えた帝の軍勢を待っていたのは人生の終末という結果になってしまう。


『イルミデンテ!?』


大きな音と共に落ちてきたのはイルミデンテであり、そのイルミデンテの下には先ほど活躍した帝の軍勢が下敷きになかってしまった。

戦力を失ってしまったのは痛手だがそれよりは気にすべき事がある・・・人が死んでいるのにも関わらずにそちらの方に目がいってしまうのは死力を尽くして戦った者への不敬かと思うがそうもいっていられない場合もある。

例えば戦場なので仲間の1人が狙撃されてしまった場合、その人物の身の安全を確認するより先も狙撃したきた人物の場所を確認する、物陰に隠れる、スモークグレネード等を使用して狙撃手の目が誤魔化す等やらなければならない場合だ。

そして今イクサの前に倒れているイルミデンテはいくつもの装甲が傷つき、破損、凹み等が見られイルミデンテの左腕は再起不能なほど破壊されてしまっている。


『不覚ヲトッテシマタ・・・マサカユセガ私ヲ裏切ルトハ』

『何を言って・・・』


イクサが困惑していると上空から空を切る音が聞こえてくる。

イクサが振り向き確認した先にはイルミデンテと同じような巨体が落ちてくる姿であった。

しかしイルミデンテの機械の巨人とは違い真ん中には人間らしき者がおり、その周りをクリスタルの結晶で覆われている。

その姿は今イクサ達が戦っている化け物・・・ヴィゼイアスと酷似してはいるがその巨人の身体には鎧を着ているように装甲を纏っている。

所々にその装甲の間からクリスタルの輝きが見えており、背中に背負っているいるのであろう自身の身の丈ほある巨大な歯車には装甲とクリスタルが混合しており、クリスタルによって幾何学的な模様を描いている。

そしてそのクリスタルよって絵が書かれたのは歯車だけでなく、身に纏う装甲にも幾何学的な模様は描かれている。

不味いと直感で感じたイクサは全力で翼を動かし回避しよう行動するが・・・図体の大きさと背中に背負っている歯車の挙動を理解していなかったのか展開した歯車が翼の一部をかすめる。


『くそっ!カスったか!』


回避に失敗したイクサは落下地点から離れる。

当然追撃を警戒して距離を取るが・・・近くで動く気配を感じて振り向いた先には負傷したイルミデンテが待っていた。

どうやらイクサに攻撃を誘導してイルミデンテは此方に回避していたようだ。


『イルミデンテ彼奴は!?』

『アレノ名ハ神化(エヴォルグ)(ネーム)U ユセダガ・・・ドウヤラレベル5トナッテシマッテイルヨウダ』

『どういう意味だ?』


イルミデンテがイクサにユセがあのような姿になった事を説明する。

どうやらユセのあの姿は侵食細胞(オラクル)レベル5、イルミデンテと同じレベル達したというのだ。

侵食細胞(オラクル)レベルは1~5まで存在し、レベル1は侵食細胞(オラクル)を身に纏い武装、武器を生成する事が可能なレベルだ。

レベル2・・・自身の中に存在する侵食細胞(オラクル)を使用して特殊能力、更に武装への追加能力をするレベルであり、オメガやパルパトの使う能力、重鬼の紅鉄斬・銀色の処刑台もレベル2の能力だ。

レベル3・・・通常では到達出来ない・・・自身の侵食細胞(オラクル)と他者の侵食結晶(オラクリリス)を融合する事によって到達出来るレベルであり、イクサとオメガが該当するがイクサはオメガがレベル3に到達出来る事を知らない。

レベル4・・・詳しく分かっていないがレベル3に到達した者が成ること出来ると予想されているが・・・未だに未確認である。もしかすればネクロートが該当するかもしれないが。

レベル5・・・機械の巨人と化したイルミデンテが該当し、最早その姿は生物としての概念を超越し尋常ならざる力を発揮するレベルだ。1人で一国の軍隊に匹敵するだけの力があるとされている。

そして目の前に落ちてきたユセはイルミデンテと同じ機械の巨人・・・レベル5だと該当して行動するように指示をする。


『私にその秘密を教えて良かったのか?』

『仕方ノナイサ・・・モシカスレバヴィゼイアスハ我々ヨリ上ノ存在ナノカモシレナイカラナ』

『やはりか・・・そしてイルミデンテ貴様の見立てではどう考える?』


イルミデンテはあの機械の巨人となったユセについて説明してくれる。

見る限り機械の巨人となったユセはイルミデンテとは違い中央部分にユセ、そしてユセを守るように装甲が展開され鎧兜のように堅牢になっている。

ユセの両手には鎧のガントレットを装備しているだけでイルミデンテに比べれば比較的目立ってはいないが・・・巨人であるが故に人間1人を握り潰すのは雑作もないであろう。それよりも目立つのは背中に背負っている巨人な歯車とそれを支える両足なのだが・・・その両足は通常より太くしっかりしておりその太くなったが為か足の裏にはローラースケートのようなタイヤが付いていて、悪路を想定しているからなのか強靭になっている。

見る限り下半身を強化するように変化したユセの武装は躍動しているのかクリスタルの幾何学的な模様が点滅している。


『伝令!イクサ様、後衛第三戦闘部隊に敵襲!

迎撃には第四戦闘部隊数名と後方より加勢して下さいました(コード)りの(ネーム)O オメガ様。

(コード)りの(ネーム)P パルパト様が援護に来て下さいました』

『了解だ・・・第三戦闘部隊での戦闘は加勢したオメガとパルパトに任せる』

『わかりました・・・それと機械侵食者(イレギュラー)を討伐し終えた(コード)りの(ネーム)T トト様と(コード)りの(ネーム)Y イエスメデスが援護に向かうようです』

『残存勢力の掃討は残った帝の軍勢に任せるぞ』

『了解です。イクサ様御武運を』


イクサとZの適合者の会話が終了したのを見計らったようにユセ、そしてヴィゼイアスが動き始める。

今まで積極的に攻撃していなかったヴィゼイアスだが、なぜ今になって行動を開始したのか・・・考えている余裕は無く戦闘が開始される。


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