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偽りの名AtoZ  作者: 砂白ゆとり
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神化の名本拠地

『これか?』

『ここはただの廃墟。目的はこの下』

『オメガ様、パルパト様準備は良いですね』


オメガ達3人は化け物となったネクロートを倒した後で本来の目的である神化(エヴォルグ)(ネーム)の本拠地を破壊するために移動しており、今その地下施設へと向かう入り口の前に立っていた。

入り口と言ってもセキュリティ等でブロックされている訳ではなく、単純に鉄の扉があるだけである。

そもそも廃墟にセキュリティ万全の扉があれば怪しいことこの上ないので、単純な鉄で出来た扉にしたのであろうと予測できる。

施錠された鉄の扉は重く普通に開けるとなればかなりの労力を必要とするであろうが・・・(コード)りの(ネーム)であれば容易く開けることは可能だ。

姫子の合図と共にオメガが扉がを開けて、姫子、パルパトが中を覗き込む。

姫子はライフル銃を、パルパトは弧爪を使って警戒するが警報のような物や機械侵食者(イレギュラー)は見当たらず、オメガ達は中へと侵入することに成功した。

中へと続く通路は薄暗いが明かりが灯されておりオメガた達を照らしている。


『一列に並んで進むぞ。

俺、姫子、パルパトの順番だ』

『了解』


オメガが先頭となり通路を進んでいく。通路はコンクリートで出来ているが老朽化しているのか所々が崩れ落ちている。

先頭を歩いていたオメガが止まり後方の姫子とパルパトに合図を送る。

合図の内容は此方に来いというものであり、姫子とパルパトは指示に従いオメガの隣に立つ。


『扉ですね』

『あぁ・・・これが奴らの施設への入り口らしいな』


オメガが立ち止まり姫子とパルパトを呼んだ理由は神化(エヴォルグ)(ネーム)の本拠地への入り口を見つけたからであり、本拠地へと突入する為の手順を再確認する為である。

オメガが施設の扉を破壊し中へと侵入することに成功する。

施設内に侵入したオメガ達が最初に目にしたのは荒れ果て、所々に破壊された後が残る大きな広間だ。

どうやらこの広間の下に目当ての本拠地があるらしく、あちこちに空いている穴から覗き込むと下にはコンクリートの壁が広がっている。


『何であの扉の後にも廃墟みたいになってるんだよ』

『オメガこれを見て』

『これは血の後か?

それにこれは機械侵食者(イレギュラー)となった者の破片か?』

『そのようですね。もしかしたらこの場所は・・・』


姫子が言い終えるより先に呻き声が聞こえてくる。

獣のようではあるがどこか金属質な声は徐々に近づいており、その姿が暗闇から這い出てくる。

金色の毛を身に纏い揺れ動く姿は可憐で、天井に取り付けられている照明の光を反射し、優雅に出てきたのは狐・・・ではなく狐の姿形をした機械侵食者(イレギュラー)だ。

局所的ではあるが口から時より覗かせる金色に輝く牙と、爪が機械侵食者(イレギュラー)の証であり体毛も変化しているのであろう金色に輝いている。

そして別の場所からも何かが動く音が聞こえてくる。

現れたのは全身が鋼色に覆われた鱗を身に纏い、四つん這いではあるが大きく強靭な尻尾と、巨大な大顎、そして鱗と同じ色の輝きを放っている爪が特徴の両足を持つ生物・・・鰐が機械侵食者(イレギュラー)となったのであろう。

獲物を探しているのか辺りを見回していると動きを止め一点を見つめている。その先には狐型の機械侵食者(イレギュラー)がおり、狐型の機械侵食者(イレギュラー)も気がついたのか鰐型の機械侵食者(イレギュラー)と睨み合いを始めた。

ちなみにオメガ達は音にいち早く気が付いたので今は隠れている最中だ。

狐型の機械侵食者(イレギュラー)と鰐型の機械侵食者(イレギュラー)の睨み合いは程なくして終わり狩りが始まる。

先に仕掛けたのは狐型の機械侵食者(イレギュラー)で、その脚力を生かしての跳躍からの爪の攻撃だ。

生物の死角となる頭上からの攻撃は鰐型の機械侵食者(イレギュラー)に直撃し、続く噛みつき攻撃も直撃する。

ダメージを負った鰐型の機械侵食者(イレギュラー)だが、それほど傷は深くなかったのか狐型の機械侵食者(イレギュラー)を降り下ろす為に身体を回転させる。

回転させまいと全体重を乗せて抵抗した狐型の機械侵食者(イレギュラー)だが、鰐型の機械侵食者(イレギュラー)のパワーに耐えきれずに吹き飛ばされてしまった。

今度は回転を終えた鰐型の機械侵食者(イレギュラー)が攻撃を仕掛けに移動してくる。

狐型の機械侵食者(イレギュラー)とは違い動きは若干鈍いが、移動する度々に鱗が剃れてガリガリと音を奏で、まるで威嚇しているようだ。

鰐型の機械侵食者(イレギュラー)の攻撃をかわして高台に避難した狐型の機械侵食者(イレギュラー)は再び攻撃のチャンスを伺っているのか、慎重な足取りで周りを廻っている。

動きは鈍いが一撃必殺の攻撃が可能な鰐型の機械侵食者(イレギュラー)と、俊敏で死角からの攻撃が可能な狐型の機械侵食者(イレギュラー)の戦いは長引くと思われていたが意外な乱入者が現れ双方共に餌食となってしまった。

狐型の機械侵食者(イレギュラー)と鰐型の機械侵食者(イレギュラー)を仕留めたのは、先ほどの2匹よりかなりの大きさの生物。

生物にとって大きさとはそれだけで優劣を決める最良の手段の1つでもあり、大抵自然界では身体の大きい者が有利である。

しかしながら今いる場所は機械侵食者(イレギュラー)の巣窟であり異常進化した生物も存在する。

この生物は本来であれば鰐型の機械侵食者(イレギュラー)のような獰猛で、大きな生物を襲う筈はないのだが機械侵食者(イレギュラー)化の影響なのであろう、身体は通常の3倍程に巨大化してしまっている。

しかしこの生物、他の機械侵食者(イレギュラー)とは違い皮膚や、爪等目立った場所に機械侵食者(イレギュラー)化が見られないが内側・・・偽装機械侵食者(インゼントイレギュラー)R リッチと同じように骨格や、筋肉等が機械侵食者(イレギュラー)化しているのであろう。

でなければこれ程巨大になったりはせず、狐型の機械侵食者(イレギュラー)や鰐型の機械侵食者(イレギュラー)を倒せたりはしないのだから。


(サンショウウオ?何て大きさなのですか。

それにこの場所って)


鰐型の機械侵食者(イレギュラー)と狐型の機械侵食者(イレギュラー)を補食し終えて満足したのか鯢型の機械侵食者(イレギュラー)はこの場を後にする。

辺りには先ほどオメガ達が見たような傷痕が増えていた。

どうやらこの傷痕はこの場所が機械侵食者(イレギュラー)達の狩り場であり、意図的にだがこの場所でより強力な機械侵食者(イレギュラー)を作っているのではないかと予想できる。


『この場所に長いは不要だな』

『そうね』

『しかしどうしますか?もし壁を壊すのでしたら警報等がなる恐れがありますが』

『悪いけど強行手段に出るしかないだろう。この場所は機械侵食者(イレギュラー)達の狩り場らしいし、さっきの機械侵食者(イレギュラー)の他にも強い奴や大きな奴もいるかも知れないからな』


そう言うとオメガは大斧で円を書くように回転すると地面が斬れ、中にある神化(エヴォルグ)(ネーム)の本拠地へと侵入する事に成功する。

幸いな事に警報音等がなる事はなかったが音を立ててしまった為に遠くの方から此方に近づいてくる気配が2.3程ある。


『気がつかれた』

『予定通りだ。こっちに近づいて来た機械侵食者(イレギュラー)を引き連れて突入するぞ』

『随分と強引ですね』

『悪いな姫子。俺は面倒事が嫌いなんでな』


侵入したオメガ達は近くにある扉を開けて中に隠れる。

薄暗い部屋の中には様々な薬品が置かれており、見るからに怪しそうな薄緑色に発光する液体、血の用な赤色の液体や、それを固形化した用なものまである。

オメガがその中の1つに触れようとしたその時地面が揺れ、何かが破壊される音が聞こえてくる。

どうやら先ほどオメガの音に反応した機械侵食者(イレギュラー)がこの施設に入り込んだ音なのであろう、扉のすぐ横を何者かが通り過ぎる音が聞こえ遠退いていく。


『どうやら成功したようですね』

『せいぜい、大暴れしてくれる事を祈ろうか』

『多分貴重な資料とかも無くなるけど』

『最初っから無かった事にするさ』

『えぇぇ・・・』



神化(エヴォルグ)(ネーム)本拠地 ユセの自室にて


『な、なんだ!?』


上の階層から聞こえてきた騒音によって目覚めさせられてしまったユセは、その騒音の元が何なのか確かめる為に監視室へと向かいその騒音の正体を突き止める。

この騒音の正体、それは恐竜・・・ではなく機械侵食者(イレギュラー)と化した蜥蜴であり、大きな尻尾が壁や床に擦れる事によって騒音を出しているのだ。

普段は大人しいイメージの蜥蜴だが機械侵食者(イレギュラー)化した為にその戦闘本能が刺激されているのか、腹が減っているのかは不明だが通路を巡回していてこのままでは地下第2階層までの扉に到達するのは時間の問題だ。


『何故、機械侵食者(イレギュラー)がこの施設に?』


第2階層に存在する制御ユニットを起動させ急いで各通路に繋がる隔壁を閉じるスイッチを押すユセ。

ユセが焦るのにも理由があり、通常であればこの施設に機械侵食者(イレギュラー)が侵入してくる事は不可能であり、そもそもこの施設を外部から機械侵食者(イレギュラー)が破壊するのは不可能な作りとなっている。

そもそも施設の外壁には侵入できる箇所は限られおり、地上への扉は侵食細胞(オラクル)を使用して開閉できる仕組みになっていて、この技術を生み出したのはユセであり自分の技術に自信をもっている。

第1.2階層の各通路を封鎖出来る隔壁を動かす事が出来るのはそれぞれの階層にある制御室で開閉可能で、今ユセは第2階層の制御室にいる。

機械侵食者(イレギュラー)化したからといっても別に知能が高くなった訳でない、巨大化する個体も現れたがそれに伴い脳が巨大化したのも事実であり、その発達した脳に多種多様な薬品や、機器を取り付ける事によって自由にコントロールする事もネクロートの技術によって可能にした。

しかし本来の生物の行動から逸脱する行動、匂いも何もしないただ硬いだけの壁を破壊しそして侵入してくる事はありえない行動なのではないか。

そんな事を考えながらユセは隔壁を下ろし終えた第1階層の蜥蜴を鎮圧する為に催涙スプレーを散布して鎮圧作業にはいる。


『まさか・・・(コード)りの(ネーム)が攻めて来たのか?

まずいどうしましょう。ネクロートの件もイルミデンテに報告し終えていないのにまた問題ですよ。

この間まではお仕置きされかねませんね』


何故か若干テンションが上がっているユセ事は置いといて更に問題は増えてしまう。

その問題は催涙スプレーを散布した事によって蜥蜴型の機械侵食者(イレギュラー)が暴れた事によって一部の隔壁が破損、天井や床も傷つけられた事によって催涙スプレーが上の階層である機械侵食者(イレギュラー)達の狩り場や第2階層へと漏れだしたのだ。

侵入細胞(オラクル)は回復したからといっても此方に攻め込んできた(コード)りの(ネーム)の人数、この施設に侵入してきた機械侵食者(イレギュラー)も1匹とは限らないので、できるだけ戦闘は回避しようとした結果が裏目に出てしまったようだ。


『問題山積み・・・どうしましょう』


神化(エヴォルグ)(ネーム)本拠地 オメガ側


『暴れていた奴が静かになったのはこの催涙スプレーが効いているかららしいな』

『どうするのオメガ』

『この階層は後回しにしますか?』

『やむ終えない後回しでこの地下の階層に向かう』

『危険じゃないの?』

『危険も承知だがこのままじゃじり貧になる可能性が高い、それにこの施設を手離して逃亡する可能性もあるかもしれない。どう考えてもこの施設には神化(エヴォルグ)(ネーム)がいる可能性は高いからな。

もしかしたら全て自動なのかもしれないが』


オメガの意見を参考にしてもう1つ下の階層へと降りる事を決断し、オメガの大斧で床を破壊し突入する。

この部屋先ほどまでの部屋とは違い何やら人の住んでいた形跡があり、オメガ達が降りてきたのはちょうど居間だったらしくテーブルや椅子が下敷きになってしまっている。


『ビンゴだぜ』

『誰かの部屋のようですね』

『何か手がかりがあるかも』


オメガ達が降りてきた部屋は誰の部屋なのか?

神化(エヴォルグ)(ネーム)の手がかりとなる資料を求めてオメガ達は部屋の中を探しまわる。

これといって居間には目ぼしい物が見当たらないらしくパルパトは個人部屋に、姫子は書斎に、そしてオメガは・・・


『ここは洗面所か?それにしてもこの下着』


オメガが開けた部屋は洗面所のようで籠には脱ぎ捨てられた下着がある。

しかしこの下着・・・シンプルな白色なのだが、隣に置いてあるガーターベルトの影響かもしれないが妙にエロさを感じさせている。

神化(エヴォルグ)(ネーム)の情報ではないがこの部屋の持ち主が女性である事が判明したのは収穫かもしれない。

オメガが考え事をしていると、何処からか扉が開く音が聞こえそれと同時に悲鳴も聞こえてくる。洗面所の扉を少し開けた先には1人の女性が荒れた居間の中にいて、壊れた天井、壊れた家具等を見て嘆いているようだ。

女性の姿は綺麗な銀髪にショートヘアーな髪型で、天然なのか癖毛のようなものが見てとれる。瞳に色は右側が青色で左側が緑色のオットアイが特徴的である。

服装はフランス人形の様な濃い緑のロングドレス銀色の鈴蘭模様が右のスカートに描かれており、胸元を強調したデザイン。頭にはドレスと同じ濃い緑のカチューシャを着けていて、姿も人形の様に美しいのだが瞳には光が無く、まるで曇りガラスの様な瞳の女性だ。

彼女の名前は神化(エヴォルグ)(ネーム)U ユセであり、先ほど催涙スプレーを散布し、隔壁を下ろし張本人である。


(奴らの仲間か・・・ちょうどいいこいつから情報を聞き出すか)


オメガが洗面所の扉を開けて誘き寄せる。

突然扉が開いた事に警戒しながら近づくユセだが、背後から太股に弾丸を喰らってしまった。悶え苦しむ中で弾丸を発砲した人物を突き止めようと振り向いた瞬間にパルパトの弧爪によって拘束され、再び弾丸を右肩をあびてしまった。

反撃をしようと侵食細胞(オラクル)を発動させようとしたユセの首もとにオメガの大鎌が当てられる。

意味は侵食細胞(オラクル)を発動させた場合即座に切り捨てるという意味を込めたのであろう、ユセの首もとから鮮血が滴り落ちる。


『今日は厄日ですねぇ・・・』


ため息混じりに落胆したユセは抵抗する意思を止めてしまった。


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