流水ト炎刀ノ斬撃
土の結界棟跡地
『何てタフさだ』
『あれだけ撃っても倒れない何てすごいですね』
『しかし動きは鈍くなってますよ』
『この図体で素早く動けたらヤバいですけどね』
鯨型の機械侵食者を倒す為にの残った第1~第4班の弾丸を大量に浴びても尚も前進していく鯨の機械侵食者の姿は異常で、全身から血を流しな移動している様子はまるで火山のようである。
動きが鈍いとはいえ近距離での攻撃は危険と判断し、近距離攻撃が主体であるイエスメデスは回避に専念することによって第1~第4班が狙撃しやすい様にしている。
侵食能力によって出来た翼を持ってはいるが別に飛行能力を持っている訳でないイエスメデスは、瓦礫に邪魔されながらも危なげ無く立ち回っている。
これは侵食能力によって身体機能が強化された事によってバランス感覚や跳躍力が上がっており、周りで移動している帝の軍勢は苦戦していたりする。
『お主達大丈夫か?』
『イエスメデス様のお陰でこちらに攻撃が来ることはないですがしかし、これでは残弾が心もと無いですね。血が出ているから効いてはいると思うのですが』
『あとどのくらいで新兵器が来るんでしたっけ?』
『さぁ?私達の班は聞いてはいないよ。そっちは』
『自分も聞いてないですね』
『それならさっき四季から連絡があって先に完了した4機を此方に送るそうじゃ』
『おや?噂をすればですね』
第3班の班長、ワーグナル・ノットエンレストが空を見上げて航空機が来たことを周りのメンバーに伝える。
ワーグナルが言っていたとおりに航空機がイエスメデス達の近くに到着すると、新兵器WーBを所持した帝の軍勢が降下してくる。
降下部隊はパラシュートを開いて瓦礫が少ない所に着地して此方に近づいくる。
各部隊に1機のWーBをを届け終えた降下部隊は巻き添えにならない様に撤退していく。降下部隊はWーBを届ける為に来ただけなので鯨型の機械侵食者の対抗する為の武器を持っていないからである。
『各部隊に告ぐ。妾が奴の気を引くのでWーBを撃ち込め!
第1部隊は奴の尾ひれ、第2部隊は腹部付近、第3・第4部隊は各ひれじゃ』
『了解』
イエスメデスの指示を受けて各部隊がWーBを構えて行動を開始する。イエスメデスも囮となる為に動きを止めて鯨型の機械侵食者の的になるようにする。
鯨型の機械侵食者は動きを止めたイエスメデスに向かって尚も前進していく。
『今じゃ!撃て!』
イエスメデスの合図と共に各部隊はWーBを撃つ。隊長を務めるだけあって各部隊から撃たれたWーBは見事命中し、鯨型の機械侵食者の皮膚を貫通して筋肉にめり込むと同時に爆発する。
鯨型の機械侵食者は悲鳴を上げてその場にた折れ込む。
『やったか?』
動かなくなった鯨型の機械侵食者を見て第2部隊隊長黒城誠重郎は呟く。
WーBの直撃を受けた鯨型の機械侵食者の尾ひれは3/1程になり、腹部は当たりどころが悪かったのか意外に破壊されてはいなく、両ひれは半分程度消滅させることに成功した。
しかし完全に死亡したかというと未だ不安があるが、ひとまず動きを止めること成功したと事をイエスメデスに報告する。
一様イエスメデスを見てはいるが、各部位がどの程度破壊出来たのかはわからなかったからである。
『周りが暗くなってきましたね・・・』
『まずいですよ。あの瓦礫の量じゃ車両も此方に来ることは出来ないでしょうから手持ちのライトだけ照らさなければならないじゃないですか?』
『それは分かっています。しかしこの鯨型の機械侵食者に止めを刺さなければいったいどんな被害がでるか分かりませんし、それにいつイエスメデス様を狙わずに別の方向に攻めこんだ場合救助に支障が出るかもしれません』
『お前が愚痴溢したい気持ちはわかるがこれも任務だ割りきれ』
周りが暗くなった事を指摘したルルシエにロネスが愚痴を溢しながら周りの警戒を緩める気配は無い。
鯨型の機械侵食者が倒れて数分後・・・再び周り地面が揺れ始める。
『な、まだ動けるのか?』
『あの尾ひれで動けるのか』
ゆっくりではあるが再び活動を開始した事に困惑して反応が鈍ってしまった伊勢達第4部隊は、飛んで来た瓦礫に直撃してしまう。それほど大きな物はなかったが防御が間に合わずに顔面や腹部に直撃した者もいるが、幸い伊勢に大きな瓦礫があたる事はなく無事である。
『大丈夫か?』
『こっちはなんとか大丈夫ですがあちらは・・・』
『伊勢隊長!亜季ノ沢が被弾しました。呼吸は大丈夫ですが頭を打ったのか気絶しています』
『負傷者は直ちにこの場から離脱!動けない者に手を貸してやれ』
『了解』
伊勢の指示で無事な者と軽傷者5名がこの場に残り、重傷者と引率者1名を含む5名は撤退していく。
1度に半数の分隊員を失ってしまった伊勢にイエスメデスの提案で各部隊より1名ずつ派遣され、合計で8名になって再び鯨型の機械侵食者の警戒をする事なった。
『ようやく次が来たようじゃ』
『これでようやく』
『残りの2機はどうするんです?』
『そうじゃな・・・第3・第4分隊に持たせる事にする。
じゃが2発目は予備じゃ、もしも失敗した場合奴の稼働できる部位を狙う事にする』
空を見上げると再び航空機が旋回しており此方の様子を伺っている。
イエスメデスが降下指示を出すと降下部隊が降りてくる。降下部隊からWーBを受け取った部隊員は各分隊に戻っていき、鯨型機械侵食者の隙を伺っている状況だ。
『くぇぇぇあぁぁぁ』
鯨型の機械侵食者が悲鳴のような鳴き声を上げて、両ひれから黒煙が立ち込めてくる。
この煙は通常であれば白色の煙なのだが、度重なるイエスメデス達の攻撃によって各部位が破損してしまった為に黒煙が上がっているのだ。
『ま、マジかよ!?』
誰が言ったのか不明だがこの場にいる誰もがその言葉を口にしそうになる。
今目の前で動くのがやっとの鯨型の機械侵食者が黒煙を上げて浮上しようとしていて、地面から数十センチ浮上したからである。
『まずい!?各分隊何処でもよい奴を逃がすな!』
イエスメデスに指示されるよりも早く各分隊は行動を開始し、鯨型の機械侵食者にWーBを撃ち込む。
しかし・・・残りの6機全てを撃ち尽くしたが鯨型の機械侵食者の浮上を止めることは出来なかった。
『妾が行く!各分隊こいつを墜落させるこの場を離れよ』
『イエスメデス様!』
『早く逃げぬか!』
イエスメデスは鯨型の機械侵食者に乗り込み墜落させようと試みる。
しかしながらイエスメデスの侵食能力は戦闘には適してはおらず、鯨型の機械侵食者を倒せるかは微妙だ。
『皆退避出来たようじゃのう・・・さて始めるか』
『その仕事。儂にも手伝わせてくれんかのう』
『お、お主はトト!?いつの間に?』
飛び立つ鯨型の機械侵食者に飛び乗って来たのは偽りの名T トトである。
生きて戻って来たことは喜ばしいのだが今は喜んいる場合ではなく、この鯨型の機械侵食者をここで撃墜しなければ甚大な被害がでるからでトトも理解している。
『トト状況は極めて危険な状況じゃ。こいつを野放しにはしてはおけぬ』
『分かっておる。儂は右のひれを、お主は左のひれじゃ』
イエスメデスとトトの攻撃を喰らった鯨型の機械侵食者は、両ヒレを失った事によって機体の制御が安定しないのか徐々に高度を下げていく。
もうボロボロなのか所々から爆発し黒煙を上げている。
『もう一息じゃ叩き込みぞ』
イエスメデスとトトの無数の斬撃を浴びた鯨型の機械侵食者は悲鳴を上げて完全に破壊され墜落した。
無事にイエスメデスとトトも脱出し二人を周りの帝の軍勢が拍手で迎い入れる。
トトからこの鯨型の機械侵食者を墜落させたまでの経緯と、墜落の衝撃で気絶していたことを明かす。
何はともあれ鯨型の機械侵食者を墜落さて脅威が去ったことにはかわりない。
『しかし何故あやつは急に浮上を始めたのじゃ?』
『それは儂にもわからぬ・・・何か良くない気はするが』
そう言っているとすでに周りは暗くなり月明かりがイエスメデスとトト達を照らしていた。
帝の軍勢中央本部・第2区画診療所
嵐島の診断から数時間後・・・検査の結果が出るまで嵐島に仮眠室で待機する様に指示を出したグリム女医は、周りがはすっかり夜になっていた事に気がつく。
土の結界棟の崩壊よって結界が一部破壊され機械侵食者が侵食可能となったことで、帝の軍勢による防衛戦が形成さて何とか居住区への侵食を食い止めている最中だ。
グリム女医も負傷者の治療をしていて結果の結果を後まわしにしてしまったのでこんな時間になってしまったのだ。
本来であれば明日にまわすのだが、何だか嫌な予感がしたので現在その検査結果を確かめている最中である。
『・・・血液の異常は無い?値も正常ですし。
しかし何故この色・・・』
検査の結果が正常である事に疑問をもったグリム女医は、血液サンプルを持って第4区画にある研究所にたどり着く。
ここは機械侵食者化してしまった生物の研究、治療が可能かを研究する場所であり、対機械侵食者用の武器の開発にも精通している部署だ。
グリム女医がここに来た理由はこの血液の中に機械侵食者因子が入っていなか確かめる為である。
通常であれば嵐島が機械侵食者化した場合身体に何らかの反応、皮膚、骨格の金属化等が現れるのだが嵐島には見られない。しかし30年前・・・隕石の落下でアークコードが崩壊した時に発生した空気感染では機械侵食者化までの間に数時間~数日の潜伏期間があり被害が拡大した事例がある。
『まだ残っているかい?』
『おや?グリム女医どうしましたか』
『ちょっと調べて欲しいことがありまして』
その言うとグリム女医は嵐島の血液が入った試験管を第4研究所の職員に手渡す。
受け取った研究員の名前はオルト・ベルン、階級は軍曹で黒髪のドレッドヘアが特長的な研究員である。歳はまだ30後半だが何故か筋肉モリモリマッチョマンで趣味は筋トレだそうだ。
見た目から研究員らしくないと言われているが、彼のポリシーなのか曲げる気はなくどんな時でもドレッドヘアなのだ。
『これは・・・何かの血ですか?
しかし・・・赤黒いですね』
『人間の血だよ。私の患者のね』
『人間!?なるほど・・・まさか30年前の出来事と同じ事しょうか?』
『さあ?私の調べたところでは血液に異常は見られなかった。しかし30年前の空気感染の患者であれば知らぬ間に侵食されている可能性があるが』
『わかりました直ぐに調べます』
オルトが嵐島の血液を調べる為に研究所の機械を弄り始める。
研究所の中にはグリム女医の知識では分からない機械が稼働しており、まだ数名の研究員が作業をしている。
通常の検査では時間がかかってしまう為簡易的な検査だが、機械侵食者化の有無が分かれば後は時間をかけても大丈夫だと考えたからだ。
『グリム女医当たりですね』
『やはりか?』
『血液の中から機械侵食者因子が検出されました。しかしながらこの機械侵食者因子は今までの物とは全く別の物です』
『別の物?』
『はい。機械侵食者因子は検出されましたがこの血液は機械侵食者化しておりません。血液と共に馴染んでいます』
『何だと!?つまり機械侵食者の因子は持っているのに身体への変化が無いということか?』
グリム女医の問いかけにオルトは神妙な赴きで頷く。
前代未聞の検査結果に唖然となりつつも次にすべき事の中から最も重要な要件を拾いあげ、グリム女医は第4研究を後にする。
グリム女医の事が気になったのか後からオルトが追いかけてグリム女医に自分も一緒について行ってもいいか訪ねる。
異性であるオルトを夜中に女性の休憩所について行かせるわけには行かないと答えるが、オルトは休憩所の前で待っていると言い出しどうしてもついては行きたいようだ。
グリム女医としても専門家のオルトが一緒にいるのは心強いがやはり抵抗があるがやむ終えず承諾する。
帝の軍勢中央本部休憩所
グリム女医とオルトが到着する頃には既に12時をまわっており、休憩所にいる嵐島や帝の軍勢は大半が寝床についていいる。
嵐島を見つけ眠りから目覚めさせるとグリム女医は嵐島に一緒に来るように促し了解を得る。
『私はこれからどうなるのでしょうか?』
『落ち着いて嵐島さん。あなたは大丈夫ですから』
『そうで・・・』
『緊急事態発生!緊急事態発生!』
グリム女医とオルト、嵐島の3人が研究所に向かっていると突然警報が鳴り響く。
『レインネスト商業区画にて機械侵食者を多数確認!帝の軍勢は各分隊事に集結せよ!
繰り返すレインネスト商業区画にて機械侵食者を多数確認!帝の軍勢は各分隊事に集結せよ!』
『このタイミングでか!?』
『グ、グリム女医・・・私はどうすればよいのですか』
『四季様に相談しましょう』
3人はグリム女医の指示に従い走りだす。レインネスト商業区画への突然の機械侵食者の襲来によって予定変更し四季のいる中央本部へと向かって行く。




