動キ出ス機騎
『あぶねぇなぁ!?』
『アースブレイク!』
『左手の砲弾が厄介ですね』
半透明な物質の左手から撃ち出される攻撃をかわしながらのこちらの攻撃を当てるのは中々骨が折れる作業だ。
3人共遠距離攻撃はないが、手に持っている大剣の重さを利用しての地面を抉る衝撃波で突破口を見つけようとしているが、何せ敵が巨大な為に数回撃ちこんだ程度では意味がないようだ。
『それにしても本当に攻撃が効かないなぁ・・・』
『かといって私達は退くことは出来ないし、何か良い手はないの?』
どうやったらこの半透明な物質を倒すことが出来るのか攻撃をしながら模索していると、カイゲンの攻撃が半透明な物質の中にある黒色の侵食結晶の1つを破壊した。
すると破壊した侵食結晶と隣接している部分の動きが鈍くなってきている。
『おや!?カイゲンが壊したあの黒色の物質が弱点みたいですね』
『そうなの私見てなかったからわからない』
『でもあの半透明な物質が常に動いているから、それと連動して黒色の侵食も動くから狙い難いぜ』
『それにカイゲンが壊したのは地面に近いのだからよかったけど、あの上の部分はどうやら攻撃するの?』
カイゲンが破壊した事によって半透明な物質の下半身らしき部分の動きが鈍くなってきているが、依然として上半身は健全に動くので攻撃をする為には接近戦をしなければならないのだ。
突然半透明な物質は右腕に持っている短刀を地面に突き刺すと短刀が、水が地面に拡がるように拡散してカイゲン達の方に近づいてくる。
どうやら地面に拡散していったのはあの半透明な物質のようだ。
近くの高台に避難しようとしていたディザイアスが近づいてくる半透明な物質に気をとられていると、右腕の攻撃がヒットして地面に叩きつけられてしまった。
『ディザイアス!?』
『不味い!あいつが叩きつけられた場所には半透明な物質がある』
『ディザイアス脱出するんだ』
脱出しようとしたもがいているディザイアスなのだが、どうやら半透明な物質によって抑えつけているようで身動きが取れないだけでなく鎧や大剣を侵食してきている。
偽りの名が使用する武器、鎧は自身の侵食細胞によって産み出されている。つまり、この半透明な物質に呑み込まれたということは自身の侵食細胞を犯されるということである。
侵食細胞を過度に失った者は死亡する・・・つまり今ディザイアスは脱出不可能なだけではなく、生命の危機でもあるのだ。
ディザイアスを助けようと下に降りようとするカイゲンが目にしたのは、半透明な物質の中で悶えているディザイアスからのサイン・・・内容は手出し無用とのこと。
『あいつ何考えているんだ!?この状況で手出し無用だと!?』
『カイゲンもうディザイアスは助からない。アレの黒色物質を壊すことに集中して』
『ディザイアスお前・・・』
ディザイアスは半透明な物質に侵食されていくなかで、朽ちかけた大剣で半透明な物質の核である瑠璃色の侵食結晶を破壊する事に成功した。
核を破壊された事によって半透明な物質を構成している右腕部分が朽ちて地面に侵食していく。
どうやら中央にある5つの物質が弱点とわかったカイゲン達だが・・・それを見つけることと引き換えにディザイアスは絶命してしまった。
『どうやらアレが弱点だね・・・後4つ』
『問題はどうやって破壊するかなんだが』
ハンターとカイゲンがどうやってあの核を破壊するか考えていると、半透明な物質は中央の核の一部である赤色の結晶結晶を右腕の方へと移動させているのが目に止まる。
右腕に赤色の侵食結晶を移動させ終えると、右腕がリッチの尻尾の様に変化していく。
右腕が鞭の様に変化した半透明な物質はカイゲンに向かって攻撃を、左腕の遠距離攻撃でハンターを狙撃してくる。
『同じ手は通用しねぇぞ』
『邪魔』
右腕の攻撃をカイゲンは左右に交わして鞭を斬りかかる。
ハンターは左腕の遠距離攻撃を近くにある瓦礫を使って防ぎ、周りに飛び散った半透明な物質を避けながら近づいていく。
『カイゲン!いくぞ』
『ちゃんとやってくれよ』
カイゲンがハンターの構えてた大剣に乗り、ハンターが大剣に乗っているカイゲンごと半透明な物質へと投げ飛ばす。
狙いは半透明な物質の左腕だ。
迎撃しようと半透明な物質は右腕の鞭で攻撃しようとするが、ハンターの投げ飛ばした大剣の速度が半透明な物質の反応速度を上回っていたようで左腕を抉りとる。
ハンターの大剣とカイゲンの大剣を両手に持ち抉りとった左腕にある核を破壊し、原型を留めずに崩壊し始める。
『よし!後3つ』
『ハンター受けとれ!』
左腕を失った半透明な物質は3つになった核を移動させて左腕、心臓部分、頭部分に移動して再び形成し始める。
ハンターはカイゲンが投げた大剣を受け取ると、一度距離をとった後にカイゲンと合流する。
半透明な物質は左腕を失った事によってバランスが取れないのか、先程より多少左側に傾いて頭部にある核が狙い難くなってしまったようだ。
『何だか面倒になってきたな』
『次は何処を狙うのか』
そう考えていると形成を終えた半透明な物質が攻撃し始める。しかし今までの攻撃方法とは違い、鞭に変化した左腕がタコの足の様に分裂してハンターを絡めとろうと動き出す。
『ちょ!?何でさっきまではこんな攻撃方法してこなかったのに』
『学習でもしたにのか?』
『脳味噌は何処にあるんだよ!?』
攻撃から逃れる為にハンターは一度距離をとり、カイゲンが攻める形で8本腕に分裂した1本を斬り飛ばした。
『もう1本!』
『ちょっとまだ私を狙ってるんですけど』
カイゲンが残り7本となった腕を6本に減らしているが半透明な物質は未だにハンターの事を付け狙って腕を伸ばしている。
どうやらあの半透明な物質は核が3つになってからはこの場から動けないようだ。
しかしながら剣圧と衝撃波でのみの攻撃しか受け付けない半透明な物質は動かないだけでも厄介な事には代わりない。
『カイゲン後は任せた。私があの残りの腕を引き受ける、お前はあの頭部にあるヤツか心臓部分を狙ってくれ』
『おいおい大丈夫か?』
『なんとかなるでしょ』
『軽いなぁ』
そういうとハンターが囮となり半透明な物質の気を引く。
ハンターを狙っている半透明な物質の隙をついてカイゲンは大剣を突き刺し頭部の核を破壊する事に成功する。そして心臓部分にある核を左腕を犠牲にする覚悟で半透明な物質の中に突っ込み、握り潰して破壊する事に成功した。
『これで後1つ!』
ハンターが残りの1つとなり動きが鈍くなった半透明な物質に攻撃を仕掛けようと大剣を構えたとき・・・半透明な物質の後ろから近づいて来ている人物に気がつくのが遅れてしまい、頭部に弾丸を浴びて死亡してしまった。
『おやおや?何故貴方達だが此処にいるのですか?』
半透明な物質に気をとられていたのか半透明な物質の後ろから近づいて来ていた人物に気がつくのが遅れてしまったようだ。
カイゲンに声をかけてきたのは神化の名I イルミデンテである。
そしてイルミデンテの後ろに付き従うようにいるのは偽装機械侵食者C チェイン。
その事に気がついたのか上空で待機していたジェスパーはこの事をイクサに知らせる為にこの場所を後にした。
『てめぇはイルミデンテ!』
『どうやら邪魔が来ていたようだね。まぁ、残りは1人のようですが』
イルミデンテはチェインにカイゲンを始末するように命じる。
チェインとカイゲンの攻防は一方的で壊れかけの大剣と最早ボロボロの左腕では、攻撃も防御もままならずに敗北してっしまった。
『侵食結晶がもう1つとなってしまったようですね・・・まぁ、また作れば良いのですからね』
イルミデンテは残りは1つとなった半透明な物質から侵食細胞を奪いとると、半透明な物質は元のスライム状になってしまった。
イルミデンテの指示に従いチェインがカイゲンを半透明な物質の中に投げ捨てる・・・生きたまま全身の侵食細胞を吸収され見るも無残な姿となったカイゲンと撃ち殺されたハンター、そして今は亡きディザイアスがこの世界から消えてしまった。
イルミデンテとチェインは結界棟に向かって進んでいく・・・
帝の軍勢中央本部
『イクサ。奴らが動き出した』
『そうか』
『それと多分カイゲン達はもうダメだね』
『まぁ。あいつらは仲間じゃないからね』
『そろそろ準備をしましょうか』
帝の軍勢中央本部に集結した結界棟の守護者とイクサ、そして四季葵が参列していた。




