Rノ侵食結晶
旧廃病跡地・・・地下機械侵食者実験場
爆発音と共にネクロートを閉じ込めている扉が破壊され、実験場の中に2つの影が入ってくる。1つは大柄で太っておりもう1つは小さめだ。
『おや!?随分と早かったね』
ネクロートが近づいてくる2つの影に向かって話かける。閉じ込められて5日程だろうかネクロートの顔は少し窶れ、目元にはくまが出来ていて体調が悪いと一目でわかる。
爆発によって生じた土煙が晴れて2つの影の正体が露になる。
影の1人大柄で太っているのは神化の名I イルミデンテ。
そしてもう1の小さな影は神化の名U ユセがそこには立っていた。
『探しましたよネクロート。立てますか?』
『ごめんねイルミデンテ。見ての通りに両足を撃たれて立つことが出来ないんだ。
肩を貸してくれると助かるんだけど』
『私が貸してあげるよー。それにしても正か生きてる何てね驚きだよ』
イルミデンテ、ユセがネクロートに肩を貸して実験場を後にする。
アークコード地下・・・神化の名本拠地
ネクロートは現在治療カプセルにて治療中である。
イルミデンテはネクロートがこれまでに話したことを元に作戦の変更と失った戦力の増強、ユセは次の作戦の為に下見に出掛けている。
『イルミデンテ帰って来たよー』
下見から帰ってきたユセは報告書をイルミデンテに渡した後ネクロートの様を見に行っている。
ネクロートが受けた傷は回復に向かってはいるが両足の傷は未だに塞がってはいなく、痛々しく見ているだけで可哀想に思えてくる。
『・・・この傷は後が残りはますね。乙女の足に傷つけるなんて姫子って嫌な奴だねー
あれ?指示を出したのはオメガとか言う偽りの名でしたっけ?』
治療中のネクロートは寝ているのかユセの問いかけに反応はない。
独り言の様になってしまった事をユセは気にしてはおらず、ネクロートの治療に必要な薬品が不足してはいないか確かめている。
『ユセ失礼しますよ』
『どうしてたの?』
『偽装機械侵食者の事なのですが、チェインは出撃出来るんですよね?』
『出来るよ。どうしてたの次の作戦には偽装機械侵食者は使用しないんじゃないの』
『えぇ。その事なのですが貴女から受け取った報告書を見返すとどうにも必要があるので、なにぶんエンラでは部が悪そうなので』
『了解ですよ』
扉を開けて入ってきたイルミデンテはユセが所持している、偽装機械侵食者C チェインを次の作戦を使用する許可をユセに取る為に来たようだ。
いくらイルミデンテがこの神化の名のリーダーだからと言っても、個人の所有物を勝手に使う事はしない。
『ネクロートが治るまでにはどれくらいかかりますか?』
『多分次の作戦には無理かな。衰弱が結構激しくてね』
『そうですか。まぁ・・・仕方ありませんね』
イルミデンテ、ユセが治療を出ていった後・・・ネクロートが目を覚ます。
オメガ・パルパトの治療室・・・現在はリッチの治療に使用中
『着きましたよオメガ様』
『ありがとう姫子』
オメガは車椅子を姫子に押してもらいリッチの治療室へと来ていた。
先程まではパルパトとトトが居たのだが現在この場にはいない。オメガが治療室に来たのはリッチの状況を確認する為だけではなく、トトにリッチが何故成長していないのかを聞く目的でもあったようだ。
一通り周りを見てきた姫子がトトがいないことをオメガに報告する。
『そうかトトはいないのか』
『どうしますかオメガ様?探して来た方が良いでしょうか?』
『いや、大丈夫だ。何か用事があって出掛けたのかもしれないからな』
オメガはリッチの入っている治療カプセルを眺めていると、治療中であるリッチの胸元に灰色の結晶があることに気がつく。
あの戦闘でリッチに傷を負わせた時にはなかった物だ。胸元にある灰色の結晶はリッチの身体に埋め込まれてようで、接触している部分の血管が浮き彫りになっている。
『姫子ちょっといいか?』
『何でしょうかオメガ様?』
オメガはリッチの胸元にある灰色の結晶について姫子が知っているか訪ねるが姫子の答えはNo。あの結晶についてはオメガに言われるまで気がつかなかったらしい。
そもそも人体にあのような結晶が埋め込まれていたなら普通は気がつく筈だ。
つまりあのリッチの胸元にある灰色の結晶はオメガ達がリッチを運んでいる時にはなく、オメガが療養中の時に出来たと考えられる。
『トト様に聞いてきましょうか?』
姫子がオメガに聞こうとした時、リッチの入ってくる治療カプセルを管理している機器から警報音が鳴り響く。
姫子が何事かと機器へと向かう。
機器からはエラーを知らせる数字が出ているのだが、この知らせている数字は機器を管理する表記の中では存在しない数字が出ている。
そもそも姫子はこの施設の機器については何もわからないのでこのエラーを止めることは出来ないのだが。
『うるさいなぁ・・・どうしたっていうんだよ』
『オメガ様この数字は何なのでしょうか?表記には書かれていないのでわからないのです』
オメガが管理機器の数字を見てみるがオメガにも理解できない数字が出ている。
オメガの話ではこの治療カプセルを使っていてエラーが出てきたことは一度もない。姫子がトトやパルパトにも聞いてみてはどうかと提案するが、パルパトもオメガと同じで治療カプセルについての知識は同じくらいだそうだ。
『オメガ様リッチが・・・』
『どうかしたのか?』
治療カプセルに入っているリッチの胸元・・・灰色の結晶が淡い光を放っている。
何故その結晶が淡い光を放っているのかは不明なのだが、オメガにはその光が何故だか懐かしく思えてくる。
遠い昔・・・何処かで感じたことのある光だ。
警報音が鳴り止み管理機器に先程の数字とは思えない違う数字が出てくる。
その数字は0・・・つまり治療カプセル内にいる人物が亡くなっている事を現す数字になっている。
『オメガ様・・・リッチがお亡くなりになりました』
『何だと!?』
『事実です。リッチはもう生きてはいません』
何故リッチが死んでしまったのかその理由はわからないが,オメガは姫子に指示を出して治療カプセルの電源を落とさせる。
治療カプセルから出されたリッチには目立った外傷等はない、目の前にいるリッチは眠る様に死んでようだ。
『オメガ様・・・』
何故か先程まで光っていた灰色の結晶は光を失っていて元に戻ってしまったようだ。オメガはその灰色の結晶が気になったのか触ってみる。
『何だこれは!?』
オメガが触っている灰色の結晶は何故だかオメガの侵食細胞に反応して、オメガの侵食細胞を強制発動させる。
偽りの名となったオメガ・・・その姿は今まで姿とは違い異質に変化してしまっている。
甲虫の角を型どった仮面には変化がないのだがオメガの頭、ちょうど耳の上部分にかけて角が生えている。
その角の形を見る限りではどうやらリッチの角と酷似している。
それだけだはなくオメガにはリッチと似たような尻尾が生えている。
そして1番目を引くのはオメガの胸元にある灰色の結晶・・・この結晶はリッチの胸元あった物だ。
『オメガ様その姿は!?』
『力が溢れてくる・・・それに先程まで痛んでいた傷が痛くない。姫子俺の姿は今どうなっているんだ』
姫子はから受け取った手鏡で自分の姿を確認にする。
先程までとは大きく違う姿・・・よく見ると胸元にある灰色の結晶にはRの文字が刻まれている。
自分の姿を再確認した後でオメガは侵食細胞を解除する。
解除したオメガの右手には灰色の結晶があり、何故か先程まで痛んでいた傷口が塞がっているだけではなく体調も良くなっている。
『オメガ様大丈夫ですか?何かお体に変化はございませんか?』
『大丈夫だ。それにさっきまで痛んでいた傷口が塞がっているようだ』
『い、いったい何が起きたのでしょうか?』
『俺にもわからない・・・だが何故か俺の侵食細胞が反応してさっきの姿になったんだ』
オメガは再び侵食細胞を反応させて偽りの名の姿になる。
その姿は先程と同じリッチの角と尻尾が生えていて、どうやら完全にオメガの侵食細胞と同化してしまっているようだ。
『リッチ・・・お前が俺に力を貸してくれるのか?』
オメガの問いかけに答える者はもういない・・・
新たなる力を手にしたオメガは再び機械侵食者と対峙する。




