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偽りの名AtoZ  作者: 砂白ゆとり
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白騎士vs黒銃士

帝の軍勢総本部 (コード)りの(ネーム)X イクサは今回の奇襲作戦において四季葵が立案した作戦は2つ、爆撃機による叡智の光炎による機械侵食者(イレギュラー)の無力化。


もう1つ作戦はイクサ自体が戦闘機による強襲。


しかしイクサの出番は限定的で特別な場合、信号弾の色が緑の場合の強襲作戦である。


イクサは自身が乗る戦闘機を前にして、願わくば自身が戦闘機に乗らなくてもよい未来を幻想していた。

『タイミングバッチリですね』


イルミデンテは空を見上げながら呟く。

爆撃機から脱出したブライドと空野は狙撃され、少し遠くの方に落ち行くのが見える。

そしてエンラの攻撃によって空中分解した爆撃機はオメガ達の入っていった廃病へと墜落していき、遠くの方で爆発音とそれに伴う揺れが伝わってくる。


『エンラも戻って来ましたし、私はそろそろ戻りましょうかな』


イルミデンテの元へと戻ってきたエンラの左手には叡知の光炎が回収されている。

エンラは着地時に右腕をクッションにして着地した為なのか、襲撃前よりぼろぼろになっている。


『傷はないようですね』


エンラから叡知の光炎を受けとると、イルミデンテは嬉しそうに中を覗きこみながら傷がついていないか確認する。

イルミデンテは爆撃機が墜落した方向を見つめると、後ろの方から何やら発砲音が聞こえてくる。

何事かと後ろを振り向いたイルミデンテが目にしたのは緑色の信号弾。

帝の軍勢で使用される信号弾の分類にはない色なのだが今回の作戦の為に特別に用意された物である。


『エンラ近くに帝の軍勢がいるはずです探してここへ連れて来なさい』


イルミデンテの指示を受けてエンラは信号弾が上がった方向に発信者を探しに向かっていった。


数分後エンラは1人の帝の軍勢を抱えて戻ってきた。


『こいつは・・・死んでる!?』


エンラの抱えてきた帝の軍勢の顔色は死人の様に青白く、イルミデンテが脈拍、心拍数、呼吸音を確かめてもない。つまり死んでる状態である。

しかし、身体には死亡に繋がりそうな傷も出血も見当たらない。


『・・・何か服薬したのか?』


イルミデンテが確かめているが、まともな設備のないこの状況ではただの想像でしかない。

イルミデンテはエンラに指示をだし死んだ帝の軍勢を連れて帰る様に指示を出した直後・・・上空にからエンジン音が聞こえてくる。


『なっ!?バカな・・・』


イルミデンテが目にしたのは戦闘機。

帝の軍勢の技術ではありえない音速を超えることが可能な戦闘機で、離れているのでどの種類の機体かは判断できないが、イルミデンテにとってはかなりまずい状況になってしまった。

戦闘機がこの場にくることは予想外で、作戦内容には書かれていない。

つまり、この戦闘機の操縦士は帝の軍勢ではなく(コード)りの(ネーム)である可能性が非常に高い。

それだけではない。エンラを爆撃機へと送りこむ為に使用した魔改造ドローンを再び使用するこはできなく、爆撃機を撃ち落とした改造ロケットランチャーの残段もゼロである事から、あの戦闘機への攻撃手段はほぼ何もないのである。

まぁ・・・瓦礫を投げて応戦するこは出来るかもしれないが、それは飛んでいる蝿に向かって野球ボールで撃ち落とすようなものである。


『まさか・・・』


イルミデンテが少し目を離した隙に戦闘機は機体を回転させ、地面に一直線になるように姿勢を変更してこちらに向かってくる。


『突っ込んでくるつもりなのか!?』



戦闘機は機体を調整してイルミデンテ達のいる場所とは少し遠い場所に頭から突き刺さり、爆発、炎上する。

何故あのままイルミデンテ達の方に特効しなかったにかは不明だが、あの戦闘機に乗っていた(コード)りの(ネーム)はイルミデンテにとって嫌な場所に墜落したものだ。

あの戦闘機が落ちた方向とはイルミデンテ達が帰ろうとしていた方向と重なり、炎が壁となり行くには少し遠回りする必要が出てきてしまったからである。


『面倒な場所に墜落して来ましたね・・・しかし中にはいったい誰が乗っているのしょうか。

墜落の瞬間に脱出した筈ですし、多分肉体強化系かもしれませんね。

いや・・・鳥獣系の鳥類の可能性もありますね』

『いや、両方だよ』


イルミデンテが戦闘機の墜落地点の少し手前で様子を伺っていると、燃え盛る炎の中から声が聞こてくる。



炎が割れ声の主が出てくる。

その姿は全身を純白の鎧で身を包み、背中には天使を思わせる白い巨大な翼。左手には身体の半分程の盾を装備して、右手には西洋騎士のような槍を構えている。

純白の鎧には金色で芸術的な模様が描かれている。盾には帝の軍勢の模様 、そして仮面の右側部分には刃物のような物で傷付けられた後があり、Xの模様が真ん中で斬られている。


(コード)りの(ネーム)X イクサ』


炎を切り裂き現れたのは(コード)りの(ネーム)X イクサ。帝の軍勢の最高指令であり、最強の(コード)りの(ネーム)が今イルミデンテの前には現れた。


『派手にやってくれましたね。まぁ・・・そのおかげで貴方に会えたのでよかったですが』


口調は普通ではあるが殺意を込めた言葉でイルミデンテに語りかけてくる。


『エンラ。イクサを攻撃しなさい』


エンラが攻撃を仕掛ける。右腕を使用して握り潰すようにイクサに近づいて来て行く。

その攻撃をイクサは左腕の盾で受け流し、右腕に持っている槍でエンラの足元を攻撃してバランスを崩すことに成功する。

足払いを受けたエンラはたまらずバランスを崩して膝をついてしまった。だが、右腕はイクサの盾を掴んでいるのでイクサも巻き込もうとしていた。


『あまい!』


巻き込もうとするエンラをイクサは翼を拡げて、跳躍と同時に翼を使い左腕の盾ごとエンラを地面に叩きつける。


『もうよい・・・眠れ』


そういうとイクサは右腕の槍でエンラを貫いた・・・

イクサの槍には機械侵食者(イレギュラー)の働きを鎮静化させることが可能であり、偽装機械侵食者(インゼントイレギュラー)と化したエンラも少なからず動きを鈍らせることが可能である。

エンラが倒され、逃げ道には炎が壁となりは自身の帰る方向とは逆の方向にしか退路がなくなってしまったイルミデンテは、自身の侵食細胞(オラクル)を発動させ神化(エヴォルグ)(ネーム)としての能力使用する。


『20年前をとは姿が違う気がするが・・・いったい何をしたんだ?』


神化(エヴォルグ)(ネーム)I イルミデンテの仮面はガスマスクの様になってはいるが左側には3つの歯車が合わさった模様。そして右側にはIの模様が描かれていて右手にはライフル銃のような物、背中には酸素ボンベらしき物を背負っている。


『技術は発展するものですよ。20年も経てば当然です』

『やはり技術を発展させていたのか・・・我々がこの地に来た時の掟を破ったのか?』

『そうですね・・・目の前に獲物を前にして仕留めない獣は存在しません。この地には隕石によって進化した存在である機械侵食者(イレギュラー)が存在するのです。実験しないてはないでしょう?』


イルミデンテは不思議そうに首を傾げながら隕石が落ちた方向を指差す。


機械侵食者(イレギュラー)は元々我々の実験の失敗によって作り出されてしまった存在。隕石がこの地に落ちてしまったがゆえに出来てしまったのだ。この地を元に戻すのは我々の役目であった筈だが?』

『確かにそうです。だからヴィゼイアスは侵食能力(オラクル)を使用して、あの隕石もろとも自身を封印したのでしょう。あの・・・大水晶があるのでこの地の機械侵食者(イレギュラー)化の空気感染を防いでいる。

さらには五行信仰などという結界棟を作りにあげ、ヴィゼイアスの大水晶の力を広範囲に拡げているしまつ。

はっきり言って私達は失望しているのですよ。

うまくいけば人類を新たなる生態へと変化させるチャンスなのですから』


イルミデンテは懐から青色の宝石を取りだし右手のライフル銃にはめ込む。


『そしてこれが進化した者の力ですよ』


イルミデンテはライフル銃を構えてイクサに向けて引き金を引く。

しかしライフル銃から飛びだ出た弾丸は異常な速度で発射され、周囲の瓦礫を吹き飛ばし、砂埃を巻き上げながらイクサに向かって飛んでいった。


『20年間研究してこの成果とは・・・悲しいなぁイルミデンテよ』


直撃した筈のイクサから哀れむような呟く言葉が聞こえてくる。

砂鉾が晴れて露になったイクサは無傷であり、左側の盾には焼け焦げた後が付いているだけで大きく変形等はしていない。この盾は非常に頑丈なようだ。


『流石はイクサ・・・(コード)りの(ネーム)最強と言われているだけのことはありますね』

『技術が発展しても変わらないことはあるんだよ。弾丸は真っ直ぐにしか進まない』


イルミデンテの攻撃を防いだイクサは攻撃を仕掛けようとイルミデンテに向かって飛んで行く。

遠距離武器がメインであるイルミデンテにとって接近されることは非常に危険だ。その事を防ぐ為にイルミデンテは次なる侵食能力(オラクル)へとレベルアップさせる。


『レベル3 二重黒鉄銃(デュアルバースデー)


イルミデンテが侵食能力(オラクル)で発動させたもう一つのライフル銃を構えて撃つ。

しかしイクサも負けてはいない、2丁のライフル銃による弾丸を盾で受け流しながら迫ってくる。

イルミデンテは後方に下がりながら再びライフル銃で狙撃を始める。少しでもダメージを与えようとガードの薄い場所を狙っているところだが、イクサは弾丸を的確に防いでいる。

しかし5.6発撃ったところでは盾に皹は入らず、宝石を使った攻撃は隙が大きすぎるので今は使用してはいない。


『ちっ!やはりその盾は頑丈ですね』

『その体型でよく動く』


徐々に距離が狭まってくるイクサ。

逃げ切れないと悟ったのかイルミデンテは瓦礫の上に登りイクサの正面に立つ。

好機と見たイクサは両足に力を込めてイルミデンテのいる瓦礫へと飛んでいく。イクサが攻撃をしようと右手の槍を握り締めた瞬間イクサの目に映ったのは、叡知の光炎を投げようとするイルミデンテの姿だった。


『な!?馬鹿野郎が』

『貴方に捕まるくらいならこのようにした方が効果的でしょう』


そう言いはなつと叡知の光炎を投げ捨てるイルミデンテ。

攻撃をしようとしていたイクサは方向を変えて叡知の光炎をキャッチすることき成功した。


『イルミデンテ貴様という奴は・・・いない?』


どうやったのかはわからないがイルミデンテはこの場にはいなく、エンラもこの場から消えていた。

イクサは叡知の光炎をしまいながら犠牲になった帝の軍勢の前で手を合わせる。



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