レベル3
オメガとパルパトはクロノトーン研究所跡地で出会った、大蛇型の機械侵食者の声の主であるネクロートと出会う。
ネクロートは新たに団子虫型の機械侵食者を使用して帝の軍勢特別強襲部隊を襲撃しようとしていた。
それを阻止する為にオメガは大斧を、パルパトは嘆きの凶弾を使用して対峙する。
『お久しぶりですね。オメガちゃん、あれからどれくらいの時間がたちましたっけ?』
『さぁな?それよりはやっとてめぇの顔を拝めたぜ。なかなか可愛いじゃねーか』
『オメガ』
ネクロートとオメガはお互いに火花を散らしている。
両者共殺意を隠そうともせずに売り言葉に、買い言葉を交えながら会話を続けるていると、パルパトがオメガとネクロートの間に入り言葉を遮る。
『だれぇ?その子?私とオメガちゃんとの楽しい会話邪魔するのは?』
『こいつは俺の・・・』
『私の名前は偽りの名P パルパト。オメガのパートナー』
『へぇ・・・』
ネクロートはパルパトと名乗る少女を見つめる。
仮面を着けていているので顔は分からないがまだ声が幼く、身長もオメガとそれほど大差がないことから少女と判断したのだ。そしてやはり目を引くのは美しい背中から生えている純白の翼である。
身長と同じくらいの大きさの翼はどの生物の翼より美しいと思えるくらいで、ネクロートはパルパトの姿に正直興奮を覚えた。
『貴女が砲撃のしてきた犯人ね。気がついていないようだけど、後ろの機械侵食者はもう動けないわよ』
パルパトは着地と同時に背中に背負っている特注品の魔改造ライフル・嘆の凶弾を構えて撃っていた。
嘆きの凶弾によって撃ち抜かれた機械侵食者は、トトとパルパトの機食細胞の複合能力によって傷口から血管を通して全身に行き渡り、活動を鈍くさせる能力がある。
しかし、今まで自身の作品である機械侵食者が傷つけられることに対して、非常に苛立ちを覚えたいたネクロートが今回は何も言わずにいた。
(私の知らないまだ若い偽りの名
犯したい・・・この美しい純白の翼をもった少女と、大斧を持った勝ち気な少年を。
素顔を見たい・・・きっとこの仮面の奥には美少年と美少女なのだろう。
この子達を自分好みに調教してみたい)
そんな気持ちが心の中に芽生えたネクロートは、パルパトとオメガの身体を舐める様に見た後でため息をつく。
『・・・改めて名乗らせてもらうよ。私の名は神化の名N ネクロート』
『神化の名だと・・・』
ネクロートはオメガとパルパトに対して問いかける。
自身の後ろで動けなくなっている団子虫型の機械侵食者のことなどまるで眼中になく、ネクロートはオメガとパルパトに対して親しい友人を迎えるように両手を拡げ歓迎している。
『ねぇ。オメガちゃんにパルパトちゃん一緒にこちらに側に来ない?』
『何故俺達がてめぇらの仲間にならなきゃならねぇんだよ』
『貴女は私達の敵。ただそれだけ』
オメガとパルパトは共に武器を構える。
この行動は完全なる敵対反応、貴様の仲間にはならないということのあらわれである。
普通の人間なら友好的に話そうと言ってきた者にたいして、刃物を突き付けたりはしないのだから。
『仲間になってはくれないのですか?』
ネクロートは首をかしげる、納得がいかないようだ。
当然であるネクロートは自分が負けることなど一切考えてはいない。
この場は既にネクロートのテリトリーなのだから・・・
『くどい!俺達はあんたの敵だ。それ以外ありえない』
オメガはネクロートとに対して吐き捨てるように言いきる。
『ねぇ・・・知ってるかしらオメガちゃんにパルパトちゃん。
偽りの名の機食細胞の侵食レベルにもう1段階あるのを』
『レベル2のことか?』
『違いますオメガちゃん。私が言ってるのはその上・・・レベル3です!』
ネクロートは右腕のガントレットにはめた黄色い宝石をオメガとパルパトに見せびらかす。
『レベル3だと!?』
『オメガ!』
ネクロートに近づこうとしたオメガに対して、パルパトは弦爪を使用してオメガを後ろに下がらせる。
『危険!無闇に近づかない方がいい』
黄色い宝石をネクロートは再びガントレットにはめ込むと、後ろで動かなくなっている団子虫型の機械侵食者のところまで後退する。
『させない!』
パルパトは嘆きの凶弾で狙撃しようと構えて撃つ!
しかしネクロートは4本ある触手の1本を盾代わりにすることよって弾丸の直撃を防いだ。
だが、パルパトの嘆きの凶弾は防いではいけない・・・傷口から血管を通して体内に侵食し、身体の自由を奪うのだから。
『パルパトちゃんの能力はまだわからないけど、侵食した部分を切り取れば問題はないのかな?』
ネクロートとそう言うと、侵食した触手をまだ無事な触手を使い方根元から引きちぎる。
通常であれば引きちぎられた部分から鮮血が溢れ出すのだが、ネクロートの触手部分からは少量の血がポタポタと垂れるのみで血が溢れて出る気配がない。
それもその筈である。
引きちぎられるた部分は瘡蓋のように赤黒くなっており血が止まっている。
『っく!』
『パルパト離してくれ!彼奴を潰す』
オメガは既にレベル2になっていた。
レベル2のオメガの力ならパルパトの拘束を無理やり壊すことは可能でなのだが、それではパルパトの攻撃手段の1つを奪うことになってしまうからである。
『駄目!何かわからないのに攻撃は得策じゃない。攻撃したら反撃してくるかも』
『残念。パルパトちゃんの今の行動は間違い』
ネクロートは右腕のガントレットを弄ると、鉄パイプ程の大きさの注射器らしき物が出てくる。
そして団子虫型の機械侵食者に注射した・・・
『パルパト!援護を頼む』
『了解!』
パルパトはオメガの拘束を解くと、嘆きの凶弾を構えて援護射撃をする態勢にはいる。オメガもレベル2の能力で一気に距離を詰める。
『動きだせ・・・醜き愚考!』
パルパトの嘆きの凶弾によって動きを封じられていた筈の団子虫型の機械侵食者が、突如動き始めた。
いや・・・正確に言うなれば強制的に動かされたのだ・・・ネクロートのレベル3の能力によって。




