空二羽バタク白イ翼
神化の名N ネクロートは巨大な砲台に変えられた団子虫型の機械侵食者を使って、砲撃を開始しようとしていた。
神化の名I イルミデンテの調べた情報により、今回こちらに攻め込む筈の帝の軍勢情報を知っていたのだ。
しかし誤算があったようで攻め込む筈の日程が多少早まってしまったのだ。
それにより一機しか団子虫型の機械侵食者を準備できなかったのだから・・・
『私とユセの自信作のこの子はどんな威力なのでしょうか?
ユセやイルミデンテも来ればいいのに・・・
あぁ、イルミデンテは来れないでしてったっけ』
ネクロートは団子虫型の機械侵食者を撫でる。
『さて、そろそろ始めましょうか』
ネクロートは先ほどまの微調整を終えて狙いをつけることが可能になった、団子虫型の機械侵食者に弾を込める。
狙いはアルゲイト率いる帝の軍勢特別強襲部隊の仮設本部である。
地中で生活していた団子虫型の機械侵食者を外に出すにあたって、さまざまなことに注意をしなければならなかった。まず第一に外と地中での温度の差、次に外の風の強さと方向、それらを含めて砲撃する位置を選らばなければならなかったのである。
そして何より敵帝の軍勢の進行方向を知らなければ、全てが水の泡になってしまうからである。
しかし、その事についてはネクロートはイルミデンテから得ていたので問題はない。
『見つけましたよー。さぁ、実験開始です。
機食細胞発動!』
ネクロートが双眼鏡で帝の軍勢特別強襲部隊の仮設本部を見つけて、団子虫型の機械侵食者に指示を出す。団子虫型の機械侵食者は自分で考えて行動は出来ないが、ネクロートのチューブ状の触手を使用してある程度は指示が可能である。
そして機食細胞を身に纏ったネクロートは、背中から4つのチューブ状の触手が生えている。
いや、正確には背中に張り付いた蜘蛛の頭胸部らしき物からである。(正確にはよくわかっていないが・・・)
チューブ状の触手先端は4つに分かれる様になっていて、4つに分かれた先端の中央部分には蜂の針の様になっている。
右腕には奇妙な歯車と似つかわしくない黄色い宝石が組み込まれたガントレットを装備している。こちらにもチューブ状の触手があり、背中の頭胸部らしき物へと繋がっていて奇妙な黄色い液体が巡回している。
仮面の右側にはNの模様と左側には顔の半分以上しめる蜘蛛に巣状の模様。仮面の下部分、人間でいうと顎にあたる部分には昆虫の牙の様になっている。
『撃てー!!』
轟音を轟かせ団子虫型の機械侵食者から弾丸が飛ばされ、砲撃の衝撃で少し後退する。
『やっぱりうるさいなぁー。防音用のヘッドフォンを借りてきたんだけど、もう少し防音性をあげた方が良いって教えてあげないと』
爆発音が聞こえてくる。
団子虫型の機械侵食者から飛ばされた弾丸は空中で爆発四散してしまった。
『あれ!?』
双眼鏡を覗き込む・・・
ネクロートが知っている帝の軍勢特別強襲部隊の仮設本部はもう少し奥で、普通なら距離が足りなければ手前に落ちるはずだったのだが、何故か空中で爆発四散したのかそれを確かめる為に。
『あれは・・・鳥?じゃないね何あれ?』
ネクロートが双眼鏡で覗き込むだ先にいたのは鳥・・・ではなく鳥の翼を持った人間。
白く巨大な翼を羽ばたかせ、断罪の大斧を手に持った二人の偽りの名だ。
『やっぱりここで待っていて正解だったな』
『うん。少し予定より早いけど大丈夫』
『病み上がりで辛くないか?』
『私は大丈夫』
『さて・・・偽りの名O オメガ。
偽りの名P パルパトの復活戦だ』
オメガは大斧を使用して団子虫型の機械侵食者の放った弾丸を一刀両断し、右腕の侵食細胞によって空気の壁を造りだして爆風から身をまもり、そしてパルパトがオメガを持ち上げることによって空中での活動が可能になったのだ。
『これってちょっと不味い?』
ネクロートが少し考え込んだ後、団子虫型の機械侵食者が砲撃可能か再確認した。
残り弾数は4発。リロードは既に完了しており、後は微調整だけで発射は可能である。
『彼処から発射されたようだな。パルパト、潰しにいくぜ』
『了解』
オメガはレベル2の能力である空気圧縮を使用して、両足から空気を吸い込み一気に吐き出す!
パルパトも空気抵抗を少なくするために自身の翼を飛行機の様にして強襲をかける。
こちらに向かって来るオメガとパルパトに対して、ネクロートは再装填した弾丸を発射する。
微調整はまだなのだが、とりあえず牽制と先ほど弾丸が何故爆発したのかを確認する為に。
『再び一刀両断してやるぜ!パルパト回りを確認してくれ』
『了解』
オメガは再び飛んできた弾丸を大斧で一刀両断した後回りを確認する。
『パルパト、回りをから攻撃してくる機械侵食者はいねぇよな?』
『いない・・・さっき飛んできた弾丸も、今飛んできた弾丸もどちらも同じ方向から』
『了解だぜ。パルパト案内してくれ、もしかしたらクロノトーン研究所跡地にいた機械侵食者の親玉かもしれねぇから』
『了解。そもそも見逃す理由がない』
パルパトとオメガは飛んできた方向を再確認すると再び飛んで行った。
『あらら・・・これは不味いですね、非常に不味いです。
イルミデンテになんて言ったらいいのか。とりあえずこいつは下げた方がいいかな?
後退したしてね』
ネクロートは団子虫型の機械侵食者を操り地面に穴を掘らせて、撤退するように指示を出す。
『見つけたぜ!』
オメガとパルパトがネクロートと団子虫型の機械侵食者がいた砲撃地点に到着する。
団子虫型の機械侵食者は身体の半分程が地面に埋まっていて、今も地中に潜ろうしているのかもぞもぞと動いている。
『やぁ。はじめまして私の名はネクロート!君たちを潰す者だよ』
『その声は・・・!?』
『あら?その声は!?』
『あのときの大蛇型の機械侵食者の声の主!』
『もしかしてオメガちゃん?』
オメガは大蛇型の機械侵食者マサエルの声の主であるネクロートと出会う。
あのときの決着をはたす為に・・・




