GvsF
ビルを倒壊させるパワーをもつグリーゼスの攻撃をかわし続けるフリー。
偽りの名最速の攻撃で仕留めにかかるフリーの連撃を幾度となく受け止めるグリーゼス。
両者共に戦闘スタイルは全然違うが、まさしく激闘と言うのに相応しい戦いをしていた・・・
『しかし、逃げ足だけは速いのぉ』
『ビルを倒壊させる程のパワーを持つ相手から逃げるな言うのは些かキツイ話です。それに別に決闘じゃないのですから別に逃げてもいいでしょ』
フリーは埃をはらいながら答える。
『しかし先ほどのように一撃は喰らいませんよ』
『ほう・・・』
グリーゼスはフリーとの距離を測ると、再び縮地を発動させ距離を詰める。
(相変わら速い!)
フリーはグリーゼスが縮地を発動させると同時に、こちらも跳躍でグリーゼスに向かっていく。
(なに!?向かって来るじゃと)
グリーゼスが拳を突き出すより早くフリーの蹴りが炸裂するが、グリーゼスの鎖によって防がれてしまう。
しかしそれをよんでいたのかフリーは鎖を足場代わりにして、再び後方へと下がる。
(弾かれたか・・・やっぱり鎖をなんとかしないとダメですね。どうしましょ)
『確かに一撃をあびせるには苦労しそうじゃ』
そう言いながらグリーゼスは再び攻撃を仕掛けにはいる。
『同じ事を!』
グリーゼスは再び縮地による接近と鎖と拳でのインファイトを試みる。しかし、同じ手が通じる筈はなく攻撃をしては回避。攻撃しては防御されての繰り返しが幾度となく行われた。
(・・・やはり反応はないのか)
ルガルドの部隊が信号弾を放ってから約20分後・・・今だグリーゼスと共に先行した部隊からは連絡がきていない。先の機械侵食者の強襲以降から目立った動きはないのだが、進行しようとしていた方向から爆発音が聞こえてきて来たので、いったん部隊の進行を止めている状態だ。
(それに先ほど聞こえてきた爆発音はなん何だ?)
ルガルドが考え込んでいると、1人の隊員が駆け寄ってくる。
『ルガルド少佐!アルゲイト中将からの連絡によりグリーゼス様を捜索する部隊の編成が完了いたしました。
私がその部隊を指揮させて大椛白です』
大椛と名乗った女性は帝の軍勢の帽子を被り、ツインテールの黒髪に前髪の一部分だけを白色に染めた髪型で、左右の腰にはそれぞれ銃を所持しており右肩には少尉の紋章をなびいていた。
『そうか。何人程度の部隊で捜索するつもりなのですか?』
『15人程の部隊です』
『先行した部隊から未だに連絡がないことから、もしかしたら全滅したかもしれません。なので先行した部隊の戦闘後があった場合連絡をいれてください』
『了解です』
ルガルドと大椛は今後について話し合っている。
最悪の事態にならないことを祈って。
『それでは行ってまいります』
大椛は敬礼してこの場を去る。
(なんだかよくない風が吹いているな・・・大丈夫だろうか)
アルゲイト達が機械侵食者の迎撃に成功した頃、グリーゼスとフリーの激闘は未だに続いていた。
『流石にこたえるのぉ・・・』
グリーゼスは自身の壊れたかかった鎖を見て嘆く。幾度となくフリーの攻撃を防いだことによって綻びが生まれてしまったのだ。
『それはこちらとて同じこと。いい加減に倒れてくださいよ、私も避けるのに飽きてしまいました』
『ならば・・・一撃じゃ。次の一撃で決めようではないかフリーよ』
『いいでしょう』
フリーとグリーゼスはお互いに距離を詰め攻撃の姿勢にはいる。
フリーはキックボクシングにも似たスタイルで攻めるこみ、そしてグリーゼスは太極拳に似たスタイルで迎え撃つ算段だ。
張りつめた空気がこの場を支配する。
いったい何処で鳴り響いたのか爆発音が聞こえてくる。
それを合図となったのであろう、フリーがグリーゼスに向かって攻撃を仕掛ける。
フリーの渾身の一撃によってグリーゼスが今まで防いでいた鎖が断ち切られ、胸部を守ってていたプレーに皹が入る。
『ぐっ!?フリー貴様の負けじゃ!』
グリーゼスは攻撃されても構わずにフリーに対してカウンターをする。
『腕の一本程度あげて差し上げますよ。しかし、ただでは終わりません』
そう言い終えるとフリーはグリーゼスのカウンターを右腕で受け止めるが、威力を殺し切れないのか右腕がおかしな方向へとひしゃげる。
しかし、もう一撃!
グリーゼスの左肩部分に対して踵落としをくらわせ、左肩から左腕にかけて削り取った。
『フリー!貴様!?』
『離れろ!』
フリーはもう一度攻撃を仕掛けてグリーゼスを後方へと吹き飛ばす。
(しまった・・・)
フリーの削り取られた左腕が徐々に再生し始める。
グリーゼスのレベル2の能力は再生。内臓組織と血液の再生までは不可なのだが、流血した直後であれば少しの流血で対処可能である。
(さっきの一撃で肺が潰されたのか・・・)
近くの壁にもたれかかったグリーゼスの口元から血が溢れてくる。
吸い込む空気が痛い・・・一呼吸ごとに死が近づくような感じだ。
仮面の一部に皹がはいる。
視界が開けたグリーゼスの前に見えてきたのは目の前に迫ってくる壁だった・・・
フリーはひしゃげた右腕に目をやる。完全に複雑骨折で、指先1つ動かすことが不可能な状態になっている。
『代償は腕の一本ですか。やはり強いですねグリーゼス』
フリーは一礼してこの場を去る。
フリーが去った場には値溜まりができ、異形の足跡が転々と続いていた。




