強襲!
偽りの名G グリーゼスの先行部隊と、偽りの名B ブライドの爆撃機が先行してから約10分程度経過していった。
今回の作戦で1番重要なのは爆撃機による叡智の光炎の投下である。
そのな事を知ってか知らずかブライドは、無邪気に窓の外を眺めていた。
『わぁ・・・すごいですね』
爆撃機に乗っているブライドは地上に見える帝の軍勢達を見て、とても興奮しているようだ。それもその筈、ブライドは爆撃機に乗るも初めてで、空を飛ぶのも初めてなのであるから。
『ブライド様あと20分程度で目的地上空です』
『あ、はい。わかりました』
帝の軍勢特別強襲部隊・・・地上部隊仮拠点
『爆撃機から連絡。後20分程で目的地上空に到着するそうです』
『そうか。では我々も爆撃機が目標を空爆次第強襲を開始するよう全員に連絡してくれたまえ』
『はい。了解いたしました』
爆撃機と連絡をとっていた兵はアルゲイトの命令を受けて、各隊員に連絡する為にこの場を後にする。
『グリーゼス様ももう目的地付近に到着しているでしょうか』
『・・・』
アルゲイトは興味なさそうにしている。
『連絡いたします!機械侵食者が現れました』
『数は!?』
『およそ30!数は多いものの比較的大きさは小さく、機械侵食者化は1部分にしかなっていないようです』
『各隊員に連絡!隊列を組1匹ずつ排除せよ。私も準備でき次第現場に向かう』
『はい。了解しました』
『アルゲイト中将それでは私は現場に行って指示をしてきます』
先ほどとは別の隊員がアルゲイトとの指示を受けて出ていく。どうやら機械侵食者が強襲してきたようだ。ルガルド先ほど広げていた地図を畳むと、帽子と上着を羽織出ていく。
『あれはイナゴか?』
『そのようですね・・・待ち伏せでしょうか?』
アルゲイトとルガルドは双眼鏡で近づいて来ている機械侵食者を確認している。どうやら近づいて来ている機械侵食者は、蟲型だったようでそれを排除する為に200人程が召集されいる。
『アルゲイト中将!』
『どうした?』
仮拠点から情報部隊兵の1人がこちらに向かっててきた。かなり全力で走って来たのか、額から汗が光り輝いている。
『報告いたします!グリーゼス様と共に先行していた部隊からの定時連絡がありません。どういたしますか?』
『初めからこうもトラブル続きとは・・・今から10分後に信号弾を使用する。色は黄色だ』
巨大隕石が落下した地区では電波状況が悪いようで、電話による連絡が不可なので部隊での戦闘の場合は信号弾
での連絡が主流である。
信号弾はそれぞれ煙の色によって意味が変わっており、青色は異常無し。黄色は各分隊に対しての連絡待ち。赤色は機械侵食者による襲撃。白色は徹底信号。そして黒色は分隊が壊滅状態となっている。
グリーゼス共に先行した分隊には10分後に信号弾で連絡する手筈になっているのだが、連絡が無いということはもしかしたら全滅した可能性も考えなければならない。
ただ忘れているだけなら良いのだが・・・
『各分隊構え・・・撃て!!』
ルガルドが分隊を指揮をとり機械侵食者に対して銃撃を開始する。
狙撃ライフルを使用しての遠距離攻撃。殆どの機械侵食者は遠距離からの攻撃手段を持っていない、しかし中には例外的に遠距離から攻撃して来る者もいるが・・・
『ひさしぶりじゃのうフリー』
『お久しぶりですグリーゼス様。お会いできて嬉しいです』
グリーゼスと先行した部隊はフリーと遭遇し、瞬く間にグリーゼス以外の帝の軍勢が殺されしまった。
そして今・・・フリーはグリーゼスの前で優雅に一礼して狂気にも似た殺気を放っている。表面上には出てはいないものの、長年戦場等で生きている者には隠しきれていない。
『復習かねフリーよ』
『えぇ。そうです。もう自分の感情が抑えきれないんだよ!』
そう言うとフリーは怒鳴りながら先ほどまで抑え込んでいたドス黒い感情がを顕になってくる。そして一瞬・・・先ほど帝の軍勢を瞬殺したよりも速く重い一撃を、グリーゼスの首もとに向けて蹴りあげる。
先ほどの帝の軍勢と同じようにグリーゼス首が吹き飛び地面に転がる。当然であるフリーは偽りの名の中では最速。戦闘スタイルは殺られる前に、相手が対策する前に殺ることが目的である。
まぁ・・・機械侵食者には殆ど後者は当てはまらないのだが。
『昔から変わっておらんの・・・これ程予想しやすい攻撃はないぞ』
完璧に首もとに食らわせ、グリーゼスを絶命させたと思った一撃は鎖によって防がれ、衝撃によって周りから砂埃が舞い上がる。
当然である。グリーゼスの攻撃の殆どは一撃必殺・・・どれも生物の致命傷となる部分への攻撃、先ほど殺された帝の軍勢の全てが首もとだったのであるから。
グリーゼスは攻撃をくらう直前に能力を発動させ、左右の背中から翼のように出ている鎖を操り攻撃を防いだのである。侵食細胞によって産み出された物質は自分の手足の如く動かすことが可能な物もある。
例えばパルパトの翼やシルベルトの兎耳、そしてグリーゼスの鎖も動かすことができる。
攻撃が弾かれたとわかるとフリーはいったん距離をとりこちらの様子を伺っている。
『偽りの名G グリーゼス・・・侵食細胞によって変化した両腕は鋼色に輝き、爬虫類のような鱗の覆われ鉤爪状へとなる。そして両肩からはの鎖が出ており、自身の手足のように動かすことが可能。
戦闘スタイルは主に接近戦で鎖を利用したインファイトを得意とする』
『なんじゃい?急に解説かのう?』
『声に出して確認しただけはす。確認は重要なことですので』
土埃が晴れてグリーゼスの姿が顕になる。
フリーが言ったようにグリーゼスの両腕は人間の者とは思えない程巨大になっているだけではなく、長さも地面に付くまでになっており、胸のあたりから背中のあたりまで戦士のような鎧を身に纏い、尖端が忍者のクナイ状になっている5m程の鎖がフリーの方向に向かって伸びている。その姿はまるで蛇のようだ。
そして他の偽りの名と同じように顔を仮面で覆っている。正確には仮面ではなく騎士の兜の用な感じであり、右の目元部分にはGの模様がある。
『かかって来ないのですか?』
『攻撃してもかわされるのは分かっておる。なので儂は攻めることが出来ないんじゃよ』
『では・・・遠慮なく私から攻めさせてもらいますよ!』
フリーとグリーゼスが激闘を繰り広げようとするなか、遥か遠方からこちらを見つめる影が1つ・・・
『さぁ・・・私の可愛い機械侵食者ちゃん作戦開始よ!』
機械侵食者がアルゲイト達に強襲している遥か遠方、ネクロートは自身の3倍異常にもなる巨大な砲台を使ってアルゲイト達を砲撃しようとしている。
否、これは砲台ではなく・・・ネクロートによって改造された団子虫型の機械侵食者を使用してだ。
『最初に狙うのはもちろん・・・あ・そ・こ!』
ネクロートは狙いを定めるにはいる・・・




