接触
姫子達の3人蟻型の機械侵食者を倒し終えると、廃坑した町を歩いていく・・・
元は栄えていたのか周りにはいくつもの朽ち果てた店などが転々と立ち並んでいる。
そんな中目の前に帝の軍服を着た者達を見かける。
3人が帰り道を急いでいると目の前に複数の人影が見えてきた。
どうやらその中の1人が気づいたようで、こちらに手を振っている。
『おーい!』
『メリーか・・・どうした。こんなところで』
メリーといわれる少女は、他の者たちとは違う格好をしている。
黒い瞳で腰まである黒髪はポニーテールになっており。
緑ロングスカートに白のYシャツ、右の胸元には帝の軍勢マーク。右肩には隊長の証がある。
『聞いてくれよオメガ、パルパト。私達は奴らを狩る為にいるんだろ!?』
『そうだぜ。それがどうしたんだ』
オメガは不思議そうに答える。
『なのに今私に出されている命令は、この付近の探索だってよ』
『確かにそれはおかしいな、お前ほどの者が・・・帝は何を考えているんだ』
『オメガ・・・』
パルパトが話しかける。
『あぁ・・・すまないメリー。私達はこれから帰る予定なんだ。邪魔をして悪かったな』
『えーーー手伝ってよ』
『面倒だからパス』
オメガは怠そうに答える。
『・・・おい』
『どうしたメリー?俺達は手伝わないぞ』
『そうじゃなくて・・・お前の後ろにいるそいつは誰なんだ?』
メリーは姫子を指差しながら睨む。
『わ、私は夢見姫子と申します。メリー様初めまして』
姫子はメリーに向かってお辞儀をする。
『名前は別にどうでもいい・・・オメガお前達は2人1人組で行動する様に、帝から命を受けていたはずだが・・・しかもそいつは只の一般兵、貴様ら2人とは釣り合わないだろ』
『あぁ・・・こいつのことか、俺達は帝の命でこいつのと共に行動している』
『はぁ!?』
メリーは大きく目を見開く。それと同時に後ろで黙っていたの帝の軍勢達が騒ぎ始める。
『お前の言いたいことは分かるが、帝からの手紙に書いてある・・・そして帝の決定は絶対だ』
『そうなのか・・・だったら私からは何にも言わねぇよ。すまなかったな引き留めて』
オメガ達はとメリー達と別れようとしている時・・・
大地をも揺らぐ巨大な声が聞こえてくる。
『ひぃぃ!?な、何なんですか?今のは・・・』
姫子は怯えながら周りを見渡す。周りの帝の軍勢達も動揺しているのか、皆声の出どころを探すように辺りを見渡している。
『皆!!いつでも戦闘を出来るようにしておけ!』
メリーの凛とした声が響きわたり。帝の軍勢達はその言葉に従い、抜刀・・・戦闘態勢を整える。
『パルパト!まだ戦えるか?』
『大丈夫。問題ない』
『い、いったいなんの声なのでしょうか!?』
先ほどの声よりさらに大きな声が響きわり・・・姫子達の足元が崩壊し始める。
『きゃぁぁぁ!?』
『な!?まさか・・・地下からだと!?』
『・・・まずい!!オメガ下を見ろ!!』
姫子達の落下地点には、先ほどオメガが倒した昆虫型の機械侵食者が8匹。
その中には他のとは違うのが2匹・・・
1m級のクワガタ型とカブトムシ型の機械侵食者が待ち構えていた。
クワガタ型の機械侵食者は顎の部分と脚部が黒鉄のように煌めいており、まるで黒い刃物の様にも見える。
もう一匹のカブトムシ型の機械侵食者は3本角が特徴的で禍々しく捻れており、悪魔を連想させる。
『ひぃぃ、オメガさん、た、助けてください』
姫子は半分泣きながらオメガを見つめる
『ちっ、パルパト!姫子を頼む』
『了解・・・能力発動、偽りの名P 機食細胞解放!!』
パルパトは能力を発動させ、姫子を助けようと翼を羽ばたかせた時・・・
何がぶつかる音が響きわたる。
その音は先ほどパルパトがいた位置から・・・
『パルパト!?』
『パルパト様!?』
カブトムシ型の機械侵食者が突撃し、パルパトが反動で後ろに吹き飛ぶ。
『・・・大丈夫』
パルパトはカブトムシ型の機械侵食者の突進を両手の鉄糸で受け止めていた。
『能力発動。偽りの名M 機食細胞解放!! 今助ける』
メリーの右腕には巨大な弓、腰の辺りからはマントそして仮面を着けている。
右腕の弓は赤色をしており両端にはエメラルド色、胸当は黒を貴重とした色使いで、周りを金色で囲み高級感漂う雰囲気が漂う、腰のマントは荒々しい炎の模様、仮面の右側にはMの模様と左側には星型の模様があり、口元は左右非対称で左側が縫われている様に見える。
メリーが体制を変えカブトムシ型の機械侵食者に狙いを定めようとしたその時・・・
巨大な影が周りを覆う。
『な!伏兵だと‼』
巨大な影は3m以上にもなるトンボである。
しかしそのトンボ型の機械侵食者もまた異形であり、2m以上ある4本の羽は白銀の輝きを放ち、羽ばたく度に金属音が響きわたる。
『こいつは不味いな・・・オメガ!下のクワガタ型みたいな奴はは任せて大丈夫か!?』
メリーが瓦礫を足場に、別の場所に移動しながら問いかける。
『能力発動。偽りの名-O 機食細胞解放!これくらいなら余裕だお前はそのデカブツを頼む!』
オメガは姫子を脇に抱えながら答える。
『お前達はオメガと共にそいつらを片付けろ!』
メリーはまだ崩れていない場所へ移動し終えると、下の帝の軍勢に命令をくだす。
『了解しました』
帝の軍勢達は見事に全員着地しており、蟻型の機械侵食者達とにらみ合いをしている。
『姫子大丈夫か?』
『オメガ様が助けてくれたので私は大丈夫です』
オメガは姫子を下ろすと上を見上げる。
姫子もつられて上を見上げる。
『な、なんなのです・・・あの大きなトンボの様な化け物は!?それにパルパト様は大丈夫なのでしょうか?』
『オメガ!パルパト!悪いが援護は出来ない、こいつは余所見して戦える相手じゃねぇからな!』
『わかった』
『気をつけろよ、そいつはかなりヤバそうだぜ』
それぞれ武器を構え戦闘準備を開始する・・




