炎ト青薔薇ノ記憶
イクサによって数日後に機械侵食者を殲滅するために、各結界塔の守護者達は準備している。
そんな中、偽りの名G グリーゼスはとある場所に自身の結界塔を後にしてとある場所に来ている。
『・・・しかし、殲滅作戦がこの日の近くだとは』
グリーゼスは1つの墓の前に立っている。どうやら誰かの墓参りに来ているようだ。
『ほれ、お前さんの好きじゃったみたらし団子じゃ。それに九十九崎のお茶も、しかしお前さんはあの図体で酒が飲めんかったのには驚いたものだよ』
グリーゼスは右手に持っている風呂敷を拡げると中からみたらし団子と急須を取り出して、お茶をいれ始める。
『懐かしいのぉ・・・まだ、お前さんが生きてくれれば』
グリーゼスはお墓に向かって話かけている。今は亡き友との昔話を・・・
『なぁに、お前さんはゆっくり眠っているといい、もうお前さんの戦いは終わったのじゃから』
グリーゼスがお墓の前で亡き友との昔話に花を咲かせていると、一台の車が共同墓地に停車して来た。
その車は黒塗りで細部までピカピカに磨かれており人目で高級車とわかる様な豪華な装飾、そして両側のドアには帝の軍勢の模様と、青薔薇の模様が描かれている。そして黒塗りの高級車から1人の女性が現れる。
現れたのは偽りの名Y イエスメデスだ。
『貴方もここに来ていたのですね』
イエスメデスはグリーゼスと同じ墓の前に立つと、両手に持っている花を飾り始める。どの花も綺麗で心を落ち着かせる色合いだ。
イエスメデスが花をお墓に飾り終えると、両手を会わせて祈りを始める。どうやらこの墓の主はグリーゼス、イエスメデス共に面識があるようだ。
『その花・・・お前さんだったのかい』
『何を言っているのかしら、貴方だってこのみたらし団子をいつもお供えしているのでしょう』
イエスメデスが祈り終えるのを見計らって、グリーゼスが話しかける。ついこの間まで帝の軍勢総本部で言い争っていたとは、考えられないほど親しげに話している。
『お前さん準備は順調に進んでいるのかね』
『えぇ、順調に進んでおりますわよ。皆よく働いてくれています』
イエスメデスはイクサの計画によってガンデスニウムの採掘が出来なくなるので、今にうちに採掘するために部下に普段より多く働いてもらっているのである。
『それよりイエスメデス。お主に相談があるのじゃが』
『なんですの?まぁ・・・だいたいは予想がつきますが』
『例の作戦に儂は参加しようと思うんじゃ・・・
それでのぉ、なんじゃ、お主の部下の1人。偽りの名L ランテンを貸してはくれないか』
グリーゼスはイエスメデスに頭を下げる。部下や他の偽りの名がいれば誰もが驚くような光景である。
『対価はなんですの?まさかタダとはいきませんよ。こちらは最高戦力の1人を貸し与えるのですから』
イエスメデスはグリーゼスを見下すようにしながら、自身の腹心である偽りの名L ランテンが抜けた場合の戦力の穴埋め、にどれくらいの経費や人材が必要なのか考えていた。
『イエスメデス。少し耳を』
『なんですの?』
グリーゼスは下げた頭を上げるとイエスメデスの元に駆け寄り小声で喋り始める。
『成る程・・・確かに良い提案ですの。ランテンを貸し与えるだけの対価には充分ですわね』
グリーゼスの提案を聞いたイエスメデスは考え込む。
どうやらグリーゼスの提案内容はランテンを貸し与えるだけの対価には充分らしいのだが、イエスメデスが考え込むには1つ理由があるのだが・・・
『わかりました。では後程に』
数秒ほど考え込むだ後、どうやら納得したようでグリーゼスに合図をする。
『そうか。提案を受け入れてくれたのじゃな』
『えぇ』
グリーゼスとイエスメデスの話が終わりイエスメデスはこの場を立ち去る、グリーゼスもお墓に置いていたお茶を片付けるとその場を後にした。




