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偽りの名AtoZ  作者: 砂白ゆとり
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参機狂信

ある日突如として落ちてきた隕石、それによって元々は栄えていた都市アークコードは壊滅的な被害を受けてしまった。


そして隕石によって侵食された者、機械侵食者イレギュラー達の巣窟となったアークコードは人びとから見放され廃棄都市となってしまった。



しかしその廃棄都市の地下には秘密が・・・

『あぁぁ。これじゃ駄目ですねー。ぜんぜんダメー

全くもって使えない・・・マサエルからデータ取れませんね』


薄暗い部屋で頭を抱えているのはオメガ達と戦った大蛇の飼い主。


周り光源があまりないせいで見にくいが、金髪で帽子を被っており後ろ髪を結っている。

左右のパーツが違うスチームパンク風のゴーグルを掛けており、茶色と黒色のスチームパンク風の服装で両腕には黒色の仕事用のロンググローブとロングブーツ。両方ともお気に入りなのか銀色の歯車の模様が描かれている。自身のアレンジしたズボンを履いており多数のポケット、中には用途不明な透明な液体が入っている瓶やナイフ、工具がみられる。


そして不気味なことに彼女の机の周りには、多数のホルマリン漬けになった虫の死骸や蛙等を飾っている。とても年頃の女性の部屋とは思えないなのだが、周りをよくみるとこの場合は部屋と言うよりもむしろ研究所と言った方がよさそうだ。


『もう少し綺麗に残してくれれば良いのにー。まぁ、虫にそれほどの知識はないから仕方ないのかなぁ』


ぶつぶつと独り言を喋っていると研究所の扉が開き、そこから1匹の30㎝程にもなる大きな蛾が入ってくる。

しかしこの蛾は普通の蛾とは違い翼以外の部分が鋼色になっており、機械侵食者イレギュラー化している。そして何やら手紙らしき物を持っているのか近寄ってくる。


『何々・・・あぁぁ。あの時のことか。

えぇぇ。あのクロノトーン研究所での事を報告しないといけないの、面倒だなぁ』



旧第1地下鉄中央広場・・・隕石落下以前までは交通の中心部として栄えていたのだが、隕石落下の衝撃で壊滅的な被害を受けて破棄された都市 アークコードの心臓部である。


破棄都市 アークコードの地下には新たにエヴォルグと名付けられた巨大施設が秘密裏に稼働しており、先ほどの薄暗い研究所にいた女性が現在廊下を歩いている。壊滅したとは思えないほど綺麗で、まるでこの場所だけ何事もなかったかのように壁には傷ひとつなく、床も磨いたようにピカピカである。


先ほど廊下を歩いていた女性が1つの扉の前にたどり着くと自動で扉が開く。


『ただいま到着いたしましたー』

『遅いですよ。もう集まってます』


出迎えたのはもう一人の女性。

綺麗な銀髪にショートヘアーな髪型で、天然なのか癖毛のようなものが見てとれる。瞳に色は右側が青色で左側が緑色のオットアイが特徴的である。

服装はフランス人形の様な濃い緑のロングドレス銀色の鈴蘭模様が右のスカートに描かれており、胸元を強調したデザイン。頭にはドレスと同じ濃い緑のカチューシャを着けていて、姿も人形の様に美しいのだが瞳には光が無く、まるで曇りガラスの様である。


そんな雰囲気をかもしだしている女性ともう一人。奥の方で何やら作業をしているようだ。


『お待ちしていましたよ。さぁ、席について下さいね』


奥の方からでて来たのは結構太っている男性である。男性なのだが独特の声のせいで声だけでは男性か女性かは判断出来ない感じがする。


黒の警察帽に似た帽子を被っていて若干見ずらいが、灰色のショートヘアーで癖毛なのかモシャモシャである。

服装は黒の燕尾服なのだが所々にアレンジをしており、蝶ネクタイではなく赤色ネクタイには銀色の逆さ十字に金色の歯車が3つ噛み合った模様がある。まぁ、太っているのであまり似合ってはいないが・・・


『集まってもらったのは他でもありません。

クロノトーン研究所のことで、我々 神化エヴォルグネーム計画に狂いが招じたからです』


3人は円卓に座ると太っている男性が語り始める。


『ユセはその事について何も知らない。教えてよ』

『私にもしっかりとした説明を、途中で退場してしまいましたからあの後がどうなったのか分からないので』


『あー。その事なのですが・・・逃がしました』


沈黙がこの場を支配する。


『も、目撃者のコードりのネームは以前生きたままです・・・そ、それにイクサにばれました』


マサエルの声の主は額に汗を浮かべている。どうやらこの場に集まった3人の中では先ほどの太った男性がリーダーようだ。


『うわぁぁ、やってくれましたね。どうするんです。お仕置きですか、お仕置きなのですか?』


もう1人の少女はマサエルの声の主を横目でみる。瞳のせいで感情を読み取ることはできないが、何だかんだ口調から読み取ると興奮している感じだ。


『お仕置きが欲しいのは貴女なのでは・・・面倒なのでお仕置きは無しです。

しかし、お咎め無しとはいきませんよ。

神化エヴォルグネーム U ユセ

神化エヴォルグネーム N ネクロート

そして私、神化エヴォルグネーム I イルミデンテの計画が狂ってしまったのですから』


オメガと戦った大蛇マサエルの声の名ネクロート。

フランス人形の様な人間ユセ。

そして2人をまとめ役イルミデンテ。


この3名こそかつてコードりのネームの一人であり機械侵食者イレギュラー側に付いた者達、それぞれ考えもバラバラで性格もバラバラな3名なのだが利害の一致により共に行動している。


『ネクロートのペットが2匹死んだんだよね』

『私の借りたデクロも死んでしまいました。ネクロートの自慢の大蛇、マサエルも失ってしまいましたし結構な痛手ですね』


ユセとイルミデンテはネクロートからの報告で多少は知っているのだが、ネクロートの性格的に嘘をついていることがばれているため、それ以上の報告をしてもらう為に集まったのでだ。そしてネクロート自慢のマサエルが部屋にいないのがオメガとの戦闘で負けた印である。


『オメガちゃんにはして殺られましたー

時間内に殺すことが出来なかったので自爆しようとしたのですが、イクサの槍でマサエルを貫かれて出来ませんでした。まぁ・・・死体は適当にそこら辺の虫型の機械侵食者イレギュラーに食べさせたので残ってはいませんよ』

『・・・本当ですか?』


イルミデンテがネクロートの方に目線を動かす、どうやらネクロートはあまり信用されていないようでユセもつられてネクロートの方をみる。


『ほ、本当ですよ』


ネクロートは証拠品のマサエルの鱗や眼球等をテーブルの上に並べる。


『まぁ、信じますよ。嘘だとしたら今度の研究には協力しませんから』

『そ、それは困ります。貴方の協力無しじゃ実験の材料調達どうすればいいんですか?』


ネクロートとイルミデンテが話し合いしている中で、先ほどのから興味無さそうにしていたユセは、何か思い出したのかカバンから瓶詰めの心臓の様なものを取り出した。


『ネクロート、イルミデンテちょっと聞いてほしいことがあるのですが、きっとビックリしますよ』

『ユセ、どうしたのですか?そんなに興奮して』

『ユセが得意なのって、私と違って機械侵食者イレギュラーの強化実験じゃなくて兵器開発だよね?

もしかしてあの結界塔を壊せる兵器でも造ったの?』


ネクロートとイルミデンテはユセの取り出した機械を覗き込と音はだんだん大きくなり、緑色の光をが点滅しはじめる。それはまるで人の心臓ように、脈打つように・・・


『コレがユセの造り上げた最新兵器!その名も侵食イレギュラー鼓動コアです』


ユセは誇らしそうに両手を拡げ、ネクロートとイルミデンテに見せつける。その目は欲しいものを手にいれた物を親に自慢する子供のように。


『コレがあれば機械侵食者イレギュラーの強化につながります。

まぁ、これは試作品なのですが』

『おぉ!ならば近々この侵食イレギュラー鼓動コアをもちいた大掛かりな実験をしましょう』


イルミデンテは侵食イレギュラー鼓動コアを監察する・・・やはり心臓の様に脈打つっている。


『さぁ・・・人類の新たなる神化の為に』







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