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偽りの名AtoZ  作者: 砂白ゆとり
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新タナル可能性

このところ機械侵食者イレギュラー達はあまり活動的では無くなっており、少しづつてはあるがオメガ達が巡回する回数が少なくなってきている。



そんななかでオメガとパルパトは、新たなる脅威に対抗するために訓練をしていた。

オメガがクロノトーン研究所に戻ってから3週間がたち、意識を取り戻したパルパトと戦闘訓練をしていた。


『十爪銀斬!』

『あまいぜ!』


パルパトの弦爪から放たれる同時攻撃をオメガは正面から受け止める。やはり中距離型であるパルパトでは力不足のようで、オメガとの撃ち合いでは押し負けしてしまうようだ。


『・・・やっぱり力不足』


パルパトはオメガに対して攻撃をやめ、自身の弦爪を見つめている。対するオメガはパルパトのことは気にしていないのか大斧で素振りを始めてしまった。


『うーん。もっと思い一撃を繰り出すにはどうしたらいいものか・・・パルパト何かいいアイデアないの?』

『私に聴かないで。貴方よりパワーが無いのに何を参考にするのよ』


パルパトがジト目になりながらオメガを見つめている。それに対してオメガは半笑いで答える。


『ただ斧を振るだけならそこら辺の大人でもできるさ。俺はあのクロノトーン研究所の一件で学習したんだ、知能のある奴は受け流しする場合がある、それに対抗するの為にはどうしたらいいと思う?』

『オメガが姫子にこっぴどく怒られた時の話ね・・・確かに全身が機械侵食者イレギュラー化した個体の出現と、それを操る者は必ず私達の障害になるでしょうね』


パルパトの話を聴いていたオメガは少し場が悪いのか、素振りを止めて大斧を地面に突き刺す。


『パルパトその話は止めてくれ。あの一件で姫子とは1週間もろくに会話出来なかったんだから』

『トトじいから聴いたけどそんなに辛かったの?』

『いやぁ・・・あの姫子の顔はもう見たくないぜ。まじで恐かったから』


オメガは突き刺さった大斧に体重をかけながら、ため息を混じりに答える。


『誰の顔を見たくないのですか?』


オメガの後ろから突然声が聞こえてくる。驚いたオメガが振り向いた先にいた人物・・・夢見姫子が笑顔で話しかけてきた。


とても素敵な笑顔で・・・


『ひ、姫子さん帰って来ていたのですか』

『はい。ついさっき帰って来ました。それでオメガ様いったい誰の顔を見たくはないと言ったのですか?』


姫子はオメガに近づくと、人差し指で胸をなぞるように答えを求めてくる。


『ま、マサエルですよ。あいつのせいで蛇が嫌いになっちまったんだよ』

『へーそうなのですかー。それでオメガ様今は何をしていたのですか?』


オメガは額に汗を滴ながら、姫子は楽しそうにおしゃべりしているのをパルパトはジト目で見つめていた。


『パルパトといっしょに特訓してたんだよ。この間は大斧を受け流されて上手くダメージを負わせることが出来なかったから』

『へー。パルパト様と2人っきりでですか』


姫子はさらにオメガに近づく。距離はもうかなり近くもう体がオメガに姫子の息がかかるほどに。


『姫子。邪魔しないで』


パルパトはオメガにくっついている姫子を弦爪で後ろに退かすと、再びオメガと向かい合うように距離を積める。


『オメガもう一度手合わせお願い』

『わかった。だけど次は俺から仕掛けさせてくれ』

『わかった』

オメガも大斧を手に持ちパルパトと向かい合う。


『銀の重巣!』

『攻鉄斬!』


オメガの鋼鉄おも一刀両断する大斧の一撃を、パルパトは右手の弦爪によって造り上げられた五角形の盾で受け流している。


パルパトの弧爪は1mから5m程度の長さまで伸縮自在で、自身の指と同じように動かすことが可能でありそれによって、一本ではもろい弧爪でも束にすればある程度の強度はできる。

そして右手全ての弧爪を集まれば、オメガの大斧を受け流すことなど可能である。


『くそ!やっぱり受け流されるか』


オメガは受け流された大斧を手元に戻し、パルパトの弧爪で出来た盾を見つめる。


『オメガ様いったい何をしているのですか?』


姫子はオメガとパルパトの戦闘訓練を、不思議そうに首を傾げながらオメガを見つめていた。


『特訓だよ特訓。パルパトのガードをどうやったら崩せるか攻撃して確かめてみてるんだよ』

『オメガ様。それなら私に考えがあります』


パルパトのガードを崩せず困り顔のオメガに対して、姫子は語尾にハートが付きそうな浮かれ声で答える。


『パルパト様ガードしていただけますか?』


姫子の注文にパルパトは答えるために右手の弧爪で、ガードポーズをとる。


『さて、オメガ様はパルパト様のガードを崩せずに苦戦しているようですが、このような方法ではどうですか?』


姫子は軍刀を鞘から抜き出すし、突きのポーズをとるとパルパトの盾に向けて突進する。



パルパトの盾と軍刀が擦れ合う音が響きわたる・・・筈だったのだが。姫子は軍刀と盾がぶつかる瞬間に軍刀を手放し、右の太股にしまっておいたナイフを手に取るとパルパトの首筋に当てる。


『・・・!?』


何が起きたのか分からないのかパルパトは呆然とその場に立ち尽くす。


『そうか。そういうことか』

『今ので分かるとは流石オメガ様』


姫子はパルパトの首筋からナイフを離すと、パルパトに礼をしてオメガの方に駆け寄る。


『あぁ。つまり死角を利用した攻撃だな。しかし俺の大斧で今の動作をやるとなると結構ムズいぞ』

『あれ?オメガって大斧しか持っていないのですか?』


パルパトも自身の弦爪で出来た盾を元に戻しオメガの方に飛んでくる。


『私達、コードりのネームは、ナイフ等の小型の刃物や拳銃等は携帯していないの』

『えぇぇ。それじゃ対人戦はどうしてたのですか?』


姫子は驚いたように声を出し、パルパトとオメガを交互に見る。どちらも嘘は言っていないようでパルパトの問い掛けにオメガは無言で頷く。


『今で俺達は対人戦はしていなかったんだ。俺達が戦う相手は専ら機械侵食者イレギュラー化した昆虫で、稀にマサエルやデクロような爬虫類系統を相手をにする事はあったが、対人戦をまともに出来るような相手はいなかったんだぜ』

『それに、隕石の落下した範囲50キロ以内には人なんてほとんど住んでいないし、私達 コードりのネームに襲い掛かってくることなんてなかったから』


なるほどなるほどと姫子は呟いている。


『しかしこれからは拳銃やナイフ等を携帯した方がよろしいのではないでしようか?マサエルとデクロの操っていた者がいるのは確定なのですから、対機械侵食者イレギュラー用の手榴弾だけではなく、より使い勝手の良い武器を新調なさった方がよろしいのではないでしょうか?』


パルパトとオメガはお互いの武器を見比べる・・・オメガの大斧はリーチも長く破壊力も抜群だが隙が大きく、懐に入られると非常に不利になる。対するパルパトの弧爪は5m範囲ならば両手の用に操作出来るため隙は無く、攻守だけではなく拘束をする事も可能であるが、強度が弱く脆いので女王機械蟻の時のように壊れる場合がある。


『能力に頼らない武器か。まぁ、強度や性能は俺の大斧には劣るけど懐に入られた時ように、ナイフや短刀を持っておいた方がいいな』

『私はいらない・・・』


オメガは自身の大斧を地面に突き刺すと、姫子から貸してもらったナイフの使い勝手を確認するために素振りしているが、パルパトは興味がないのか見向きもしていない。


『まぁ。パルパトにはナイフじゃなくて、ライフル銃の方がよさそうだな』


オメガはナイフを姫子に返すと、姫子の背中にかけているライフル銃を取りパルパトに渡す。


『使い方が分からない・・・』


パルパトはライフル銃をもらったのだが使い方が分からないでいると、姫子はパルパトの後ろに回り込んでライフル銃の使い方を教えている。


『なるほど・・・こうやってかまえて、うつ』


姫子にライフル銃の使い方を教わったパルパトは、ようやく6回で的に当てることができた。


『なかなか難しい・・・でもこれは役に立つ』

『それは良かったです。でもこれは支給品ですので、もっと良い品質の物を新調なさった方がよろしいと思います』


パルパトは的に当てることが嬉しいのか、どや顔で姫子とオメガに知らせに来た。


『確かに・・・でも何処に頼んだらいんだ?』

『それならトトじいに聞いた方がいいんじゃないの?』


パルパトはオメガと姫子に無視された腹いせなのか、少しぶっきらぼうに答える。


『なるほど・・・じゃ今日のところはもう帰るか。時間ちょうどいいし』

『了解』

『わかりました』


オメガ、パルパトは新たなる武器を手にいれるために練習場を後にするのであった。

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