傷ヲ癒ス者達
重症のパルパトの傷を癒す為に帰ってきたトトとオメガ。
トトの診断ではパルパトは最低1ヶ月の治療が必要とのこと、オメガも自身の治療をしなければならないため偽りの名の戦力は大幅に低下してしまった。
この危機に総本部はどうすればよいのか・・・
『オメガよ、右腕を見せてみよ』
オメガは自身の右腕をトトに見せる。
先ほどは鎧で隠れていたがオメガの右腕、特に侵触細胞に蝕まれた部分があらわになる。
『どうだいトトじい、どれくらいかかる?』
『早くて半日、遅くて1日程度はかかる』
トトは薬棚行くと1つの薬品を取り出す。
『これから薬を使う。
何度か使用しているからわかるとおもうがこの薬を使用すると、お前さんは侵食されている部分が動かなくなる。
不自由なになるが我慢してくれ』
『大丈夫だぜトトじい。覚悟してやったことだからな』
トトはオメガに向かって薬を注射する。
注射されたオメガの右腕、侵触細胞に蝕まれた部分が少しずつ元の色に変わってくる。
『トトじいパルパトの方はどれくらいかかる?』
『右腕の脱臼、右翼の骨折、その他にも数々の打撲に切り傷・・・最低でも1ヶ月は必要じゃ。
それにすぐに戦闘復帰とはいかないじゃろう』
トトは自分の顎髭を触りながら移動して行く。
それにつられてオメガも後を追う。
オメガとトトは地下へと続く扉の前とたどり着く。
その扉は今までに見たどの扉より重圧で巨大な扉、さながら金庫の扉を思わせる。
『行くぞ』
トトとオメガは扉を開け、中にはいって行くと・・・
中はかなり広い造りになっており、壁や床は白を基調とした色使いでさながら病院の手術室を思わせる。
しかし、手術台の様な物はなく、代わりにあるのは成人男性が入るくらいの大きさの円柱状の水槽が2つ・・・
その中の1つに裸のパルパトが入っていた。
パルパトの体には複数、点滴の様な管が刺さっている。
『パルパトには後で謝らないとな』
『違うぞオメガよ』
トトはオメガに向かって答える。
『そこは、ありがとうって言ってやってくれ』
『・・・わかったよ』
オメガは照れくさそうにする。
『オメガ、あの薬棚からいつもの薬をとってくれ。ワシも準備するのでのぉ』
『わかったぜ』
同時刻・帝の軍勢総本部
各支部を纏める為に存在するしており。機械侵食者討伐の為の後方支援の拠点、治療や武器の開発など、各支部への人員派遣も担当している。
外装は日本の城を思わせる様な造りで周りを星形の城壁で囲っており、そびえ立つ姿は難攻不落と言う言葉が似合う拠点である。
そこに、メリーを乗せた車が本部へと入って来た。
『私は報告に行ってきます。メリーの治療を頼みますよ』
『私は少し遅れる』
『了解しました。行ってらっしゃいませ』
総本部・医務室
総本部から派遣された偽りの名や帝の軍勢の治療等をおこなう場所であり、他の支部で負傷した重症患者も運び込まれることもある。
そこにメリーが運び込まれてきた。
『失礼いたします。メリー様をお連れしました』
『わかった直ぐに向かう。後はお願いしますよ』
『分かりました』
メリーを連れてきた帝の軍勢は主治医に話しかける。
『これは酷い・・・直ぐに治療が必要ですね』
メリーの治療をするのは帝の軍勢の名医呼ばれる男。
名をヘリシス・クローノット・アリアート。
白衣を身に付け執刀する姿は素晴らしく有能で、これまでに数多くの命を救ってきた男である。
『至急、現在待機中の医者を数名召集してくれたまえ』
『賜りました』
アリアートに付き従っていた看護師1人が休憩室に向かって歩いて行った。
数分後・・・
先ほどの看護師が3人の医者を連れて戻ってきた。
左から萩崎聖治。次にリリーラ・イブ・ライフ。最後に基木元根の3人。
『休憩中にすまない』
『それにはおよびませんわ。仕事ですから』
『挨拶もほどほどにして我々が呼ばれた理由は何だ。本来ならお前1人でこと足りるでしょうに』
アリアートとライフが挨拶する中、萩崎がめんどくさそうに答える。
『皆様をお呼びしたのは我々患者が偽りの名メリー様だからです』
『メリー様が負傷なされたのか、だから複数での治療なのですね』
基木が納得したといわんばかりに頷く。
『皆様もしっての通り、偽りの名の方々の治療は原則3人以上で行うこと、他の手空いているものは治療に参加する決まりですので』
『分かりました。では治療に取り掛かるとしましょう』
『メリー様は例の場所ですね』
4人はメリー治療するために歩いて行った・・・




