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偽りの名AtoZ  作者: 砂白ゆとり
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プロローグ

『こ、こんな・・・こんなの夢に決まってる。』


少年は走る。雨に濡れるのも気にせずに。


『くそ、くそ・・・こんなことになるなら興味本意で覗くんじゃなった。何なんだよ、あの化け物はよぉ!!』



雨が止み月明かりが差し込み始める頃、少年はやっと走るのを終え壁に崩れ落ちるように倒れる。


『はぁ・・・はぁ・・・こ、ここまで来ればもう大丈夫じゃないか?』


少年は額から滴る水滴を手で拭いさり重い腰をあげる。


『ふぅ、今日は帰ってもう寝よう。寝て今日のことは忘れればいいんだ』


小さい路地から抜けるために、少年は歩いていく。

カサカサ、カサカサ・・・虫が動くような音が聴こえてくる。


『嘘、だろ・・・まだ追ってくるのかよ!?くそ、早く逃げないと!』


ハエの羽音のような音が聴こえてくる。しかし、

普通の羽音とは違う金属音が混ざったような歪な音が・・


『ま、まさか・・・さっきのとは違う奴が!!?で、でも、何処から?』


羽音が遠のくように音が聴こえなくなっていく。


『よ、よかったぁ・・・何処かにいったのか』




ぐちゃ



『え・・・』


少年の足には30センチくらいの蟻のようなものが噛みついてい た。しかしその蟻は他の蟻と決定的に違うのが2つ。

1つは大きさ、もう1つは・・・体の半分以上が金属のように変色していることだ。


『うわぁぁぁ!!?あ、足が・・・僕の足が!?』


少年の足から血が溢れてくる。


『離れろ!離れろよ!!』


少年が奇怪な蟻の化け物に拳をふりおろす。

ガン!? 金属音のような音がし、少年の拳は弾かれる。


『なんなんだよ!!こいつは!!?』


べきっ、べちゃ・・・少年の足から嫌な音が聴こえてくる


『い、痛い痛い痛い痛い痛い。足が!足が!?』


さっきよりも多くの血が溢れ出てきている。そして・・・



『ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!?』


少年の体のから大量に血が吹き出し・・・肉体から引き離される。



『助けて・・・助けて・・・』


少年は気絶しその場に倒れこむ。

ぐちゃ、蟻の化け物が少年の背中に食らいつく。


『ぐちゃ、ぐちゃ・・・べちゃ』


『こいつもハズレか・・・最近多くないか?こいつで何回目だよ!?』


『今月で七回目』


蟻の化け物を見下ろす影が2つ、一人は身長より大きな斧を少年、もう一人は背に翼のようなものを生やした少女。

そして、両者共に奇怪な仮面を身につけている。


『さて、さっさと倒して帰ろうぜ』


『周り・・・見張ってる』


『頼んだぜ!』


大きな斧持った少年のが屋根の上から飛び降りる。

普通のならば大怪我するところなのだが、少年は軽やかに着地し何事も無かったように立ち上がる。

少年は自分より大きな斧を、軽やかに肩に担ぎながら走る。

蟻の化け物もこちらに気がついたのか、応戦するようにこちらを見るが、蟻の化け物が何かをする前に少年が蟻の化け物に向かって斧をふりおろす。

ガキン・・・蟻の化け物と少年の斧が互いに激突する。


『そらよ!』


少年の斧を再びふりおろす。しかしその攻撃はまるで力が入っていないように。

蟻の化け物が少年の斧をはらいのけ迫ってくる。 少年は蟻の化け物との距離を離すために後退する。

迫る蟻の化け物。

ふと、今まで後退していた少年が止まる。

蟻の化け物が少年に食らいつこうとした時・・・


『残念でした♪』


蟻の化け物が止まる。それは何か見えない糸にでも絡まるように。


『ありがとう。お陰で助かったよ♪』


少年は上を見上げる。


『何してるの?真面目に殺って』


『流石に飽きるんだよ。こいつら大して強くはないし』


『・・・』


少女は無言で少年を見つめる。仮面越しだが。


『わかったよ。ちゃんと殺るから』


少年は転がっている斧を拾い上げる。


『それじゃーさようならー』


少年が斧をふりおろし蟻の化け物を両断する。先ほどよりかなり速く重い一撃で。



ぐちゃ・・・


『これでおしまいかな?それにしても・・・こいつの親玉は何処にいるのかなぁ』


少年は動かなくなった蟻の化け物から斧を取り上げる。


『今日はもう帰りましょう』


『そうだね・・・もうこいつは動かないし』


少年はそこに横たわるかつて人であった物を見つめるが、その目には何の感情も感じられなかった。

まるで、何時もの日常であるかのように立ち去る・・・その地に爪跡を残しながら。



『ただいまー』


扉を開けて入って来たのは先ほどの少年と少女、先ほどの斧と仮面は被ってはいないようだ。


『おや?以外に早かったの』


少年は部屋いにた銀縁眼鏡の老人が話しかける。

老人は口元に髭を生やし白髪で温厚そうである。


『あぁ・・・今回も外れだ。なぁ・・・トトじぃ何時まで雑魚狩りすれば奴は出てくるんだ』

『それはわしにもわからん。奴等の行動は予測できん』


トトじぃと呼ばれる老人は、書いていた書物から目をそらすと、ヤル気無さそうに答えた。


『トトじぃ』

『どうしたパルパトよ。お主もオメガと同じで何か不満がるのかのぉ?』


パルパトと呼ばれるのメイド服の少女は頷く。

少女はクリーム髪で緑色の瞳をしており、その瞳はやる気がのないようにみられる。


『しかし上からの指示だからのぉ・・・

機械侵食者イレギュラー狩りは我らの責務でもあるから、奴等を放っておくわけにはできん。』

『だけども俺たちが、あんな雑魚を狩る必要はないだろ!それこそ帝の軍勢がやるべき仕事だろ、まったく職務怠慢だぜ』


オメガと呼ばれる先ほどの少年は着ていたコートを投げ捨て、ふて腐れながらソファーに横になる。


『俺たちコードりのネームは帝の軍勢とは格が違うのだから』


コードりのネームとは・・・ある日突然空から降ってきた隕石により、産み出された存在である機械侵食者イレギュラーに、対抗するべく未来から来た戦士であり、今この場には3人偽(コード)りの(ネーム)が集まっている。


『そう拗ねるな、冷蔵庫の左側にわしお手製のプリンがあるから食べれてよいぞ♪』

『まじで!?ヤッター♪』

『トトじぃ、私はシャワー浴びてくる』


そう言うとパルパトはシャワー室へと歩いて行く。オメガはプリンを片手にうかれている。


コンコン・・・扉を叩く音が聴こえてくる。


『・・・?トトじぃ何か頼んだ?』


トトは首を左右に振る。どうやら何も頼んではいないようだ。


『あっ・・・あのイクサ様の命令で来ました。扉を開けてはもらえないでしょうか?』



扉の向こうから若い女性の声が聞こえてくる。

今言ったイクサと言うのはオメガ達の所属する組織、帝の軍勢の最高顧問であると同時にオメガ達と同じ(コード)りの(ネーム)の1人だ。


『開いているからどうぞ』

『失礼します』


中に入って来たのは帝の軍勢の服装に身を包んだ少女。

帝の軍勢の服装には複数あり、それぞれの所属に合わせた色、装飾が施されている。

少女の服装は黒のタイツに黒のセーラー服、帝の軍勢の証である帽子にマント。

セーラー服の胸の部分には白のスカーフ、右の肩には新兵のマークの白の一本線が入っている。


『初めまして、帝の軍勢の夢見姫子と申します』

『どうしたのかね?何か緊急の用事でも?』

『はい!イクサ様より手紙を預かっております。直接渡してほしいとのことです』


姫子は手紙を差し出す。


『確かにこれは帝の軍勢の中央本部のマーク・・・姫子ちゃんそこの椅子にでも座っといて、これオメガ、姫子ちゃんにお茶でも出さんか』

『あぁ!?何で俺がそんなこと』


オメガは半分ほど食べていたプリンを置く。


『だ、大丈夫です。オメガ様のお手を煩わせるわけにはいきませんですし』


姫子は焦りながらてを両手にを前にかざす。


『ほらよ・・・これでも飲んでろ』


冷蔵庫からお茶取り出し差し出す。


『あ、ありがとございます』



オメガは無言で見つめる・・・


『ど、どうしたんだろ・・・すごく見つめる。私は何か悪いことしたかなぁ?』


姫子は心の中で呟く。

扉を開く音が聞こえ、風呂上がりの姿のパルパトが出てくる。


『誰、その子』

『帝の軍勢からのメッセンジャーだってさ、何でも帝から直接渡せって』

『いや・・・どうやら彼女はメッセンジャーではないようだぞ』

『え、どうゆうことですか!?』


驚いた様な声をあげる。


『手紙の内容を要約すると・・・夢見姫子よ、お主はわしらと共に戦うことになるようじゃぞ』

『待ってください。私はイクサ様からその様な命令は聞いておりません。何かの手違いではないのでしょうか!?』


姫子は混乱した様子で答える。


『だがしかし、この帝の手紙には書いてある、手違いなどではないようだぞ』


トトは手紙を確認しながら答える。


『ちょっと待てよ!?俺は納得してないぞ!なんで俺たちがこいつと協力しないといけないんだよ』

『え・・・いや、そんなこと言われましても』

『しかし・・・もう決まっておる。この様なことでイクサとは対立はしたくない。』


トトは手紙を置きながら答える。

どうやら姫子がオメガ達と共に行動するのは確定なようだ。


『俺たちに迷惑かけないなら別にいいよ』

『私は別に・・・』


オメガは不機嫌そうに、パルパトは興味なさそうに答える


『決まりじゃな・・・夢見姫子よ。お主を帝の命より我が部隊に加えることにする』


トトは姫子に握手を求めるように手を差し出す。


『ふ、不束者ですが、よろしくお願いいたします』

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