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トラベルレポート  作者: 葛沼純
本編
8/11

手紙。ザン・キルム

 みなへ。


 手紙を書く……。言葉を書くのには慣れていると思うのだが、今はあまり良い文は書けそうにない。許してくれ。


 それに関しては理由がある。

どうも、俺はこの数週間眠りつづけていたらしい。目が覚めたら見知らぬ場所だった。誰かが俺を助けたらしい。片隅には手紙が置いてあり。


『貴方様は道で、傷だらけで倒れられていました。

私が出来るのは、貴方様を安全な場所へ連れて行くことくらいです。

貴方様がいつ目覚めるかは分かりません。けれど、私は見届けることはできないでしょう。

もし、目を覚ます事が出来たなら。貴方様のために用意した食事を食べてください。

それともう一つ。貴方様にとって役立つであろう物も用意しておきました。

それでは。私は去ります。あなたが、目覚める事を祈って』


 ……。まあ、感謝しなくてはならないか。


 目覚めてから一日は過ぎただろう。だが、俺が倒れた前までの事が思い出せない。

何故傷だらけなのか? 何故倒れていたのか? ……。駄目だ。思い出せそうにない。


 そもそも、俺を助けたこの手紙の主は誰なのだ。今はどこにいるのだ? 考えなくてはいけない事が多すぎておかしくなりそうだ。

誰かに助けを求めるにも、俺は一人だ。こんな時に、みながいてくれれば……。


 そういえば、役立つものがあるといっていた。辺りを見渡すと、テーブルの上に一枚の紙が

置いてあった。


 それは地図だった。どうやら、子供の国。という国への地図らしい。しかも、ご丁寧に五枚ずつ用意されていた。折角なので、手紙と一緒にしよう。


 子供の国……。今、自らがどこに居るかすら定かではない中で、この地図はどのくらい役に立つのだろう。まあ、貰えるものは貰っておこう。


 まだまだ書き始めだが、そろそろ限界が近づいてきたようだ。

数週間眠りつづけていたとはいえ。全身の傷が完全に癒えている訳ではないようで、未だに体はボロボロだ。


 それに、頭の調子もあまりよくない。眠り過ぎで、脳みそが駄目になったのかもしれない。


 どのくらいになるかは分からないが、俺は子供の国へ行く事にする。手紙の主がわざわざ置いていったということは。この国に何かがあるのだろう。


 それでは、また、子供の国であおう。


さよなら。

                                   

 ザン・キルム


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