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トラベルレポート  作者: 葛沼純
本編
7/11

手紙。セツロ・ラーシー

 みなさんへ


 ここ数日。こうやって言葉を書き連ねるという作業を繰り返しています。

前は文字なんて一週間に五文字でも書けば良い方。


 そんな私がツラツラと書くなんて、全く。なんだか自分が自分じゃないきがしてしまいます。


 こうして最初から愚知を書き続けるのも悪いですね。

仕方がないので、この気だるい気持ちのまま。先日の事でも書きましょうか……。


 もうちょっとオシャレな、お上品で風景が綺麗なテラスなんかが好みなんですけど、あの時の私は正直狂っていました。いつもの私なら一目散でその場を立ち去る筈です。


 うん……。きっと空腹でおかしくなっていたのです。そうしときましょうね。


 そこは男臭ささと肉がいい感じに焼けた良い香りがたち込める、純粋な乙女には不釣り合いな場所でした。


 そんな下衆な場所に誘われる様にフラフラと入ってしまいました。

喰の国なんて乱暴な名前に相応しく。中はまるで、グラグラに煮詰まった鍋の中のように暑苦しくそしてやかましい場所でした。


 男鍋の中に女は私だけ。場違いな印象は受けましたが、周りの人間は私に気付いているのかも分からないくらい、ワイワイと騒いでいる。


 あまり広くない、虫一匹すら通れないのではと言う程にビッチリと、崩れかけの屋台が肩を寄せ合って並んでいる様は、呆れや不満を通り越して感動すら覚えてしまいます。


 数ある屋台から、比較的いる人間がまともそうな場所を選ぶ。スキンヘッドなんて論外です。


 良さそうな屋台を見つけた私は、再びフラフラと進み始めました。


 目が完全に逝ってしまっている主人が作ってくれた。いや、ただ焼いただけの肉の塊が私の目の前に出される。


 菜食主義の私ですが、その信念も空腹の前では紙同然。見事に破られた信念は彼方へ吹き飛びました。


 その肉塊は非常に美味しかったです。けれど、それはまた不思議な味でした。


牛でも無い。豚でも鳥でも馬でもありません。なんと言いますか……。妙に粘っこいと言うか、

非常に独特の味でした。


 私としては、疑問は早く解決したいです。隣に座っている。他の男よりはまだまともな脳をしていそうな男に、この肉の事を聞きました。


するとどうでしょう。帰ってきた答えは、人間の肉だそうです。


 共喰いですね。なんて気の利いた言葉を言えるわけも無く。私は再び、人肉塊にかぶりつきました。うん……。みなさんも、今度是非食べてみては?

                                 

 セツロ・ラーシー


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