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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

3Dプリンタ

実をいうと、残酷表現になるまでにとめてます。

「やあ田中君、おひさしぶり」

「これは鈴木君、ひさしぶりだね」

「元気そうだね田中君」

「キミは目がイッちゃってるよ鈴木君」

「実は研究がやっと完成したんだよ」

「ほほう、どんな研究なのかな」

「3Dプリンタって出たよね」

「ああ、新しい時代の幕開けだね」

「でもあれ、形状しか送信しないよね」

「そうだね、素材は相手が準備するんだよね」

「だから僕は素材も送信すべきだと思うんだ」

「ほほう、なるほど」

「そんなわけで、完成したのがこれさ」


 じゃーん!


「どうだい田中君」

「送信側には刃物がたくさんついてるんだね」

「つまり形状と一緒に素材を裁断して送るのさ」

「へええ、それじゃやってみせてよ鈴木君」

「よしきた。まずはラジオだ」


 がりがりがりがりっ!


「おお、ちゃんと音が鳴ってるよ鈴木君」

「これぐらい序の口だよ田中君」

「それじゃ、次は何を送るんだい」

「次はこのステーキさ」


 がりがりがりがりっ!


「ほおら、送信前とそっくりだよ田中君」

「ジュウジュウいってるなんて信じられないよ鈴木君」

「食べてみたまえ田中君」

「い、いや、遠慮しとくよ鈴木君」

「……くっくっくっく」

「急にどうしたのさ」


「――これがどういうことか判るかい田中君」

「え、それは――」

「つまりテレポーターに使えると思うんだよ田中君」

「……いや、ちょっと待ってよ鈴木君」

「もうこれで歩いたりしなくて済むんだよ田中君」

「お、落ち着いて考えようよ鈴木君」

「よし、それじゃまず子猫を」


 がんっっ!!


「……さあ、おいで。歩いて帰ろう」

「にゃーん」


 夢の発明は、これで潰えた。

 SF映画の現実は、やっぱりこういうことなんだろう。

 今日は家まで歩いて帰ろう。

 明日からジョギングでも始めよう――。


(完)

参考元:無いと思うのですが、どうでしょうか。確か映画「トロン」の物質輸送機って裁断して送っていたのかな。

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