表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/24

その弐拾壱

「その点、東大公家が本気を出しても他の勢力を刺激しない、と?」

 イアカーンの言葉の裏側にある意味を酌み取り、慶一郎は言った。

「御存知の通り、神話の時代に父上と母上が世界に対して一度喧嘩を盛大に売っている訳でしてねえ。あの人達が動いたり、何かをやらかすと敵であれ味方であれ身構えるんですよねえ。その緊張感と疑心暗鬼が最終戦争を呼び起こす。父上の完璧なる計算に寄ればそうなるらしいですよ?」

 お手上げとばかりにイアカーンは肩を竦めた。

「イアカーンの旦那が動くと問題になるってのは?」

「そっち側の世間一般から見ると、僕は父上と母上の手先なので。痛くもない腹を疑われるんですよ」

 肩を竦めてイアカーンは言った。

「ああ」

 慶一郎は納得する。「確かに、旦那が独自の認識で動いているって思いにくいですからねえ」

「困った事にねえ。基本、母上の務めを代理している訳ですからねえ。そりゃ、疑われもしますよ」

 イアカーンは苦笑した。

「すると、冒険者互助組合って旦那の隠れ蓑でもある、と?」

「結果的には。本来は父上と雷刃小父さんの隠れ蓑だったんですけどね。いつの間にか僕の隠れ蓑になっていますね」

 苦笑しながらイアカーンは言う。

「互助組合って、結局何の為に作られたんです?」

 聞けば聞く程謎が溜まっていく現状を確認する為に、慶一郎は尋ね直した。

「さあ? 本当のところは父上に聞いても、雷刃小父さんに聞いても話がてんでばらばらで分からないんですよねえ。まあ、推測は出来るんですけどねえ」

 困った表情を浮かべ、イアカーンは虚空を眺めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ