プロローグ
目を開けると一面に広がるオレンジ色の空と海、たなびく色とりどりの旗。ここ、ファランク王国北部の港 ロマネには多くの船が寄り添うように並んでいる。その中に、はっきり言って全く目立たないごく普通の商船ラファール号はあった。完璧に特徴がない商用の中型帆船はまさしくザ・量産型。船体の価格が安くコストパフォーマンスに優れ、少人数での航行可能。積載量は比較的多めで多少の荒波ではびくともしない頑丈さを持つ船、それがラファール号である。そんな船の甲板上で私は一人でひっくり返って空を見上げていた。
自分でいうのもなんだが顔立ちはそれなり整っていると思う。すっきりとした鼻にうっすら紅がかった唇、少しつり目だが髪と同じく赤みかかった瞳はひそかに自慢の女性らしい部分だと思っていたのだが・・・
「それを・・・それをあいつらは!!!」
今、思い出しても腹が立つ。そしてつい30分前のことを思い出す。
港町ロマネは多くの船が出入りするだけあって町としての規模もそこそこある。もちろん船乗り向けの店もそれなりのあり、中には女性しかいない店もあったのだ。船長(母の兄 つまりおじさん)が荷下ろしの手続きを行いに出かけた合間に船員たちに誘われ、いわゆる色街と呼ばれる一帯につれこまれてしまったのが事件の始まりだった。
まだ12歳の私は真っ赤になって
「お、俺を|(長い船上生活で男言葉がうつった)なんてところに連れてきやがる!!」
自分でもビックリするくらい上ずった声で叫んだ。ええ、叫びましたよ。自分でもこんなに大きな声が出るっていうくらい。
すると船員たちは
「わははは!!坊主!ちょっくら早いかもしれね~けど、一人前の海の漢になりたかったら女くらい知っておかなきゃなんね~ぞ」
「そうでっせ。坊ちゃん。船長だって数々の町で伝説を残された方だ。顔もいいですし船長の身内にならなおさら早いうちからしておったほうがいい」
と、まあ、口々に言いたい放題言う。その時、私も動揺していたのか、いや、していたんだけど
「俺だって女くらいしってるわ!!」
そりゃ知ってます(笑)
すると爆笑が船員たちから起こった。
「さすが坊ちゃん!その年で女を知ってるとは」
「さすが船長の身内」
なぜか指笛、拍手の乱舞。周りのその他のお客さん、お姉さんたちも生暖かい目でかわいらしいお客さんご一行の騒ぎを眺めていきます。
「だ、か、ら、こんなとこくる必要ね~よ」
船員たちからもみくちゃにされながら少し怒ったようにびしっと言ってやった。しかし、残念ながら小さな子供特有の気恥ずかしさだと勘違いされたようだ。酒くさい顔を近づけて
「どうれ、女を泣かせた自慢の逸品を見せていただきましょうか。わははは」
完全に抑えの利かなくなった酔っ払い中年のノリでズボンをパンツごと下げようとする。
「やめろ~~やめて~~」
必死に叫ぶが味方の一人もいないアウェイ状態では全く効果がない。そしてとうとうズボンが落ちる。陽気に騒いでいた船員たちも一瞬で沈黙。そして時が止まった。
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どれくらい時間がたったのだろうか・・・船員の一人がぽつりと言った。
「え、女の子?」
私はすぐさまズボンを履き直すと、まだ12年しか生きていないが、記憶にある中で最高の右ストレートをその船員の顔面に叩き込んでいた。
「俺は女だ!!コンチクショー!!!」
その場にいた船員たち全員の急所を打ち抜き、全員を悶絶させると顔を真っ赤にしてその場から走り去った。
私の名前は レイ・エヴァン ラファール号船長の姪っ子12歳。そしてラファール号最古参の船員だ。
初投稿作品です。かなり稚拙な文章ですがご容赦ください。一日一回更新を目指しますが、ドキドキです。
3/4 誤字 表現修正しました




