夏色メモリー 作者: ガミ、ガミ男 掲載日:2025/10/04 嫌味なほどに暑かったあの夏は、遠い夢のように儚げで。 水面に映るぼくらの姿も、小川のせせらぎとともに、溶けて消えていく。 シャッター通りの喫茶店で飲んだクリームソーダの味も、 町を一望する寂れた鳥居の下で聴こえた蝉の声も、 雲一つない青空を横断する飛行機雲を眺めていた風景も、 思い出すには朧気で、薄れていて。 ただ。 西日が差し込む階段の踊り場で、きみと涼風を浴びたあの夏の匂いだけは、 記憶の底に染みついていた。