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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
少年は涙を流し、瓦礫を掴む
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ウルフパック

2025年4月2日 5:30 台州沖


甚大な被害を出した中国の戦爆撃連合だったが、彼らの試練は、まだ終わっていなかった。

斉州島を経由して、超音速巡航で第8戦闘航空団のF35A編隊20機が、在韓米軍群山基地から長躯進出していたからだ。


既に沖縄上空のE3は退避していたが、彼らは陸上自衛隊の移動式レーダーからの情報を受け取っていた。(BMDグループのイージス艦群は、ミサイルを撃ち尽くし損害を出していたため、レーダーを切って退避中)

彼等は、沖縄本島、先島諸島の爆撃阻止には間に合わなかった。

そこで、斉州島上空のE3による管制をうけつつ、センサーフュージョンモニター上で、戦況を分析。

中国の攻撃隊第2波主力が、台州の基地へ帰投するルートを予想して待ち伏せていたのだ。


陸上自衛隊のレーダーとE3、F35とのデータリンクは確立していなかった。

だから基本、昔ながらの音声によるやり取りが主な連絡手段だ。そのため、システムによる自動処理をインプットの段階では行えない。

手動によるデジタル戦況図への落とし込み作業や、管制システムへの、やはり手動によるインプットという手間がかかる。

しかし、このような状況に対応した高度な訓練もE3のクルーはあらかじめ行っていた。

つまり、F35のパイロットに会敵予想地点と、時刻を伝えることは可能だったのだ。


主力から離れた位置を飛行した1個フライトがレーダーを作動させると、予想された地点とはそれほど離れていない空域に、合流を完了して退避中の中国軍大編隊を探知した。

第8航空団主力は、センサーフュージョンモニターで戦況を確認すると、高度1万から急降下しつつ、80発のAIM120Dを斉射した。

発射後直ちに反転。アフターバーナーを使用して、全速で韓国の方向へ逃走を始める。


射程50キロでの側面攻撃となったため回避に多少余裕はあったが、突然現れたF35の奇襲に中国側は混乱した。

AIM120は、広く使用されているミサイルだったから、ロックオンに使用される信号も中国は秘密裏に入手済だった。

このため、電子戦装置は比較的効果を発揮したし、ロックオンされた機体はチャフもバラまいて、鋭い回避機動をとった。

だが、それでもJ11が9機、J10が2機、更に撃墜された。


護衛のJ11とJ20はF35の追撃を試みたが、相手の正体も、速度も、逃走方向も不明で捕捉することは出来なかった。

斉州島上空に、AWACSと空中給油機らしき大型機のレーダー反応が多数存在したことから、そこで空中給油しつつ、長躯進入してきたステルス機が攻撃を加え、その後韓国の米軍基地に帰投したものと胡中将とその参謀達は後に結論した。ほぼ正確な推論だった。


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