表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
カウントダウン
57/221

目標選定

第1撃の後、ミサイルを再装填するまでの時間で、巡航ミサイル、空爆、ドローンによる攻撃が徹底的に行われる。

もうこの段階で、勝敗は決したようなものになるはずだった。


だが、日本本土に存在する米軍基地、軍用に供されるであろう民間空港まで叩くには、沖縄独立の援護という名分との整合性の問題もあった。

そうであるからこそ、北朝鮮のミサイルを当てにしていたのだ。

日米の報復攻撃を北朝鮮に引き寄せ、中国本土への攻撃を抑制する目論見もある。

中国は北朝鮮に対し、岩国、横田、厚木、三沢、小松、羽田、成田、関西国際空港に50発ずつ合計400発のMRBMを撃つ約束をとりつけていた。昨年夏には300発だったが、冬の交渉で100発を追加していたのだ。


SRBM、GLCMは繰り返し台湾を標的にし続けるが、問題はMRBMの第2射以降だった。


空軍と海軍は、米軍のLRHWの運用を参考にして、那覇と嘉手納を中心に日米空軍基地の復旧を妨害しつつ、空軍の航空攻撃と上陸作戦を支援するため、一定間隔で打撃を加え続けることを望んだ。


だが、それではロケット軍が空軍と海軍の脇役になってしまう。

そんな役割は、空軍と海軍が自前の爆撃機、巡航ミサイルで行えば良い。

このためロケット軍は、ウクライナ戦争の戦訓も踏まえ、散発的な攻撃では日米の対空ミサイルに迎撃される危険性を主張した。

追撃は、偵察衛星等の観測結果を踏まえ、ある程度まで敵航空基地の復旧が懸念された段階で、しかも空軍の爆撃が効果をあげなかった場合にのみ、集中的に行われるべきだ。

それよりも、民間空港、港湾の破壊に集中する方が勝利に貢献できるし、さらには、台湾に向けるミサイルの同時発射数が不足すると訴えた。


このため、MRBMの第2射は、辺野古、普天間、伊江島の米軍補助滑走路に30発ずつ、残りの160発は、台湾の空港に指向されることになった。

なお、宮古島の下地島空港は、戦時に日本軍と米軍が使用するとの噂が絶えなかったが、敢えて攻撃しない。可能な限り無傷で占領して、宮古島上陸部隊が運用するためだった。

これにより、ロケット軍から台湾に向けられるミサイルは実に2000発を超える。


最後の第3射分からは、衛星偵察の結果を踏まえ、海空軍の攻撃で叩ききれなかった目標や、復旧作業がある程度進むであろう、那覇、嘉手納を集中的に打撃し、とどめを刺すことになっていた。

那覇港、橋梁、その他沖縄本島のインフラも打撃して、沖縄に日米の増援がこれ以上集結するのを防ぐ。

同時に久米島空港、伊江島空港、粟国空港、慶良間空港、波照間空港、徳之島空港、北大東空港、南大東空港、沖永良部空港、喜界空港、徳之島空港、与論空港といった沖縄近辺の離島の空港に15発ずつ。奄美空港に20発を撃ち込む。

これらは日米の戦闘機の不時着場とされる可能性があるし、何よりF35BやF22が使用する可能性があったからだ。

(通常、これらの離島の滑走路は軍用機は利用できない。単純に離着陸に必要となる滑走路の「長さ」が足りないからだ。だが、中国軍にとって厄介なことに米軍のF35B戦闘機は、V/STOL=垂直/短距離離着陸能力を持っている。つまり、地方や離島の小規模空港でも使用できてしまう。)

奄美空港の方は数が多い。配備されている03式対空誘導弾で、ある程度迎撃される可能性を見込んだからだった。


日本の法律だと法的手続きを経ないで、これら民間空港を軍が使うことは出来ないことになっているらしかったが、中国軍は信じていなかった。

いざとなれば法律など関係なく、軍事利用されるに決まっていると彼等の常識で考えていたのだ。故に緒戦で徹底的に破壊しておく必要があるということになる。

さらに日本軍の司令部が置かれるであろう、那覇駐屯地、それに米軍の牧港補給基地にも、それぞれ15発ずつが撃ち込まれる。

最後の20発は那覇の港湾に打ち込み、日米の海上輸送による沖縄方面への増援を、完全に遮断することを狙っていた。


ロケット軍は第一撃によって、三日間は沖縄の日米航空戦力が滑走路を使えなくなると約束していた。第3斉射が完了した時点で、その期間は1週間にまで伸びるはずだった。

空軍、海軍の放つ巡航ミサイル、爆撃、ドローンと併せるなら、沖縄の日米の航空戦力だけでなく、防空および対艦戦力、監視能力、輸送力をも開戦と同時に壊滅している計画になる。


ロケット軍の思惑とは別に、長征作戦統合司令部は開戦当初のウクライナと異なり、迎撃ミサイルを大量に装備した日米台の防衛体制を初動で叩き潰すには、数を投入し、飽和攻撃を行うことが必要だと見積もっていた。

重点が置かれたのは、レーダー、通信施設、滑走路、港湾、航空機シェルター、対空ミサイル、対艦ミサイル、そして指揮所。

これらを一掃することが出来れば、航空優勢の獲得は容易なものとなり、海空軍の戦闘機、爆撃機は悠々と台湾、沖縄の敵基地に爆撃を加えることが出来る。


そうなれば、いかに米軍が大量の航空戦力を保有しようとも無意味だ。足場となる沖縄の空軍基地が使えないのであれば、台湾に侵攻する人民解放軍主力に手も足も出せないだろう。

それでも米軍は空中給油機を大量に投入して、遠方の基地から出撃するだろうし、空母機動部隊を使ってくるかもしれない。

しかし、そうなったとしても沖縄の基地が使えないのであれば、投入できる戦力は限られてくる。いまや300機を擁するまでになったJ20戦闘機と、1000機に達する第4世代戦闘機で各個撃破、いや揉み潰すことが出来る。

そうして航空優勢を獲得してしまえば、その後の全ての作戦を円滑に進めることが出来るのだ。


そこまで事が優位に進めば、北朝鮮による本州の基地への打撃再開すらも期待できる。


日本と台湾の対艦ミサイルについても同様だ。初動で撃破してしまえば、上陸部隊は安心して上陸作戦を決行できるのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ