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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
静かすぎた夏-兆候
24/221

ウクライナ戦争・24年ロシア軍冬季攻勢 

2024年12月27日 ウクライナ


「長征計画」発動の3か月前に、ロシア軍は「大規模」な冬季攻勢を発動した。

中国との約束は1か月前。

長征計画の発動は4月と中国は伝えていたから、中国との取り決めだと攻勢は3月に行われなければいけなかった。

だが、秋にルハンシクを奪回され、さらなる劣勢に立たされるロシア軍は、これ以上ドンバスでの防衛線を維持することが出来ず、防御的攻勢のために2か月も早く攻勢を開始せざるを得なかったのだ。

しかも航空優勢は無く、開戦当初は圧倒的だった砲兵火力も消耗しきっていた状態で。


主力は第一親衛戦車軍だった。その主力となる戦車は、最新鋭のT90L、T72D、T62Lで構成されていた。

形式こそ、22年の開戦時のT90M、T72B3よりアップグレードされているが、実態は性能が低下している。

前者は、FCSの高性能を実現していた西側の部品が、経済制裁によって入手できなくなったため、入手可能な代替品で再構成されたバージョンだったからだ。

当然前者は後者よりも性能が落ちる上、戦時急造品のため兵士の評判は悪かった。

電子部品だけでなく西側の工作機械も入手できなくなっていたから、戦車の完成度は下がる一方でもある。T62Lに至っては、原型が60年前の代物だ。


だが、これでもロシア戦車隊が現状で入手可能な最良の戦車だったのだ。

前線のロシア軍将兵が中国製電子機器で強化された99式Aのような、中国製戦車を欲しがるのも無理は無い。

22年の秋にイジュームで壊滅して以来、再編成中の中途半端な状態で投入されては、壊滅を繰り返してきた第一親衛戦車軍にはもはや、純正品と呼べるT90M、T72B3は残されていなかった。

そして第一親衛戦車軍を支援する予備兵力は無いに等しい。


それでもドンバスでの攻勢はウクライナ側の意表を突き、初期段階ではロシア側の期待値を上回る進捗を見せた。


ウクライナ側は、今更ロシアが無理な攻勢を仕掛けると思っていなかったからだ。


だが、それもわずか数日のことだった。西側の監視から攻勢の準備を秘匿するため、敢えて準備不足で行われた攻勢に対して、すぐに態勢を整えたウクライナ軍の反撃が始まった。


西側から供与されたF16戦闘機と長距離戦術ミサイルにより、後方の補給網を破壊されたロシア軍は、たちまち身動きが取れなくなる。

そこへ日本からも供与分も含んだ、西側製重砲を装備したウクライナ砲兵旅団群の阻止射撃と地雷散布で、完全に進撃を止められた。

進撃を停止させられて釘付けになったロシア軍は、レオパルト2、K2、M1、ブラッドレー等の西側戦闘車両を装備した、ウクライナ諸兵科連合大隊群の反撃に切り刻まれていく。

こうしてロシア軍の攻勢は、開始後わずか1週間で崩壊に追い込まれ、ロシア軍は元の線にあっさりと後退して行った。

そこへウクライナ軍の追撃が加わり、主力を務めた第一親衛戦車軍は戦車だけで実に400両を失って数度目の壊滅に陥った。


当然、米軍の世界規模の配置には、さざ波ほどの影響も与えていない上、この段階における400両もの戦車損失はロシア軍にとって致命的な数値でもあった。

失敗に終わった攻勢は「ロシアのミニ・アルデンヌ攻勢」と揶揄されるような結末を見せた。

無理な攻勢が崩壊したことで、かえってドネツクの防御線を維持する兵力が不足する事態を招いたほどだった。


中国側の期待外れもいいところだ。

開戦4年目を前に、ロシア・ウクライナ戦争は、ウクライナ側の勝利が決定的な流れになったからだ。

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