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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
戦後の日々
210/221

クリミア奪回

ウクライナ戦争は終結していない。

当てにしていた、中国からの大規模支援という最後のカードが空手形となった今、さすがに露国大統領ですら、勝利の可能性が無いことを認めるのではないか?

あるいは極東における中国のプレゼンス低下を理由に、極東へのシフトを行い、ウクライナから撤退することを軍部は期待したが、彼はそのような人物ではなかった。


大統領は米海軍と空軍が相当の損害を受け、巡航ミサイルの大半を打ち尽くしたと認識、もはやこれ以上米国はウクライナの支援を行えないと判断してしまったのだ。


確かにアメリカは、自国の戦力回復に集中し、以前のようにウクライナに支援は行えなくなった。

だが、陸軍の装備、例えばM1戦車や自走砲などは、殆ど失っていないので、まだまだいくらでも供与が可能だった。

それに、他のNATO諸国の援助は続いたし、大統領の希望的観測が一つ二つ現実となった程度では、もはやどうにもならない程戦況は悪化していた。

しかし、一度苦境に陥った独裁政権は、ありとあらゆる事象を自分に都合良く解釈し、破滅するまで歩みを止めない。


中国は約束通り弾薬と電子部品と99式戦車、PCH-191といった兵器をロシアに提供したものの、自国軍の回復を優先しなければならない事情は中国の方が深刻であり、戦局を覆す程の規模が継続されることは無かった。

ロシアが喉から手結が出る程欲しがっていた、J20戦闘機や巡航ミサイル、精密誘導兵器は殆どロシアには渡らなかった。

しかもPCH-191とて、衛星ネットワークを破壊されているのだから、精密誘導ができず、本来の実力を発揮できない。


それどころか、オデッサを出撃したウクライナ軍の舟艇群が、カルキニト湾に着上陸を敢行。

同時にヘルソンから攻勢が始まり、ペレコプ地峡部を挟撃したのだ。

ザポリージャ州を奪回され、クリミア大橋を破壊されてからというもの、文字通り干上がっていたクリミアのロシア軍ペレコプ守備隊は、中国からの装備品を受け取る間も無く、一挙に崩壊した。

そしてウクライナ軍はクリミアに雪崩れ込んで行く。


2025年の夏に西側諸国は、解放したばかりのクリミアのビーチで兵士達とバカンスを楽しむ、ウクライナ大統領とウクライナ首脳の動画を、祝福をもって見つめると、日本国首相を始め、西側各国首脳は彼等の待つビーチへと駆け付けたのだった。


それでもロシアはあきらめず、中国から受け取った武器弾薬で東部戦線での攻勢を企図したが、もはやウクライナにとっては、その迎撃はハエ叩きも同然に容易な作戦だった。


秋になってから、ロシア大統領は中国を訪問。さらなる武器援助と何らかの支援を求めた。

だが、中国はそれ以上の援助を事実上拒否した。

戦後の情勢は、中国とロシア、中東の反米国家を中心とした大陸国家群と、ファイブアイズ、日韓台比を中心とする海洋国家群との冷戦構造に突入しつつあった。


双方はこれから東南アジアやアフリカ諸国の取り込みと、代理戦争に鎬を削ることになる。

その枠組みの中で重要な柱となるロシアに、これ以上無駄に消耗してもらっては中国としては困るのだ。下手をすると内乱でロシアは分裂しかねない。(もしそうなったら、中国は遠慮なくシベリア辺りを頂くつもりだったが。)


中国国家主席に婉曲にたしなめられたロシア大統領だったが、それでもまだ諦めなかった。


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