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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
戦後の日々
203/221

野党消滅

停戦発効から1ヶ月。

政府は沖縄の戦災被災者に対する、当座の救済措置法を成立させた。

その直後、総理は戦争を防げず、多大な犠牲を生じさせた責任を取るとして辞職。

自動的に内閣は総辞職し、総選挙が実施されることになる。


野党側は大きく議席を減らすことを覚悟していた。

長年彼等が唱えてきた安全保障に対する理念は、現実によって打ち砕かれた形だったからだ。

それでも野党の岩盤支持層は健在だったし、マスコミはこれまでの報道姿勢をまだそれほど変化させず、見かけ上はまだ政府に対する批判の方が目立っていた。

ネットには、未だに親中露派が蠢き、日本政府に対する批判はそれなりに活発だったのだ。


これらの状況を背景に、彼等は「憲法九条維持と中国との関係修復」を訴え、議席を少しでも守ろうとした。


だが、ゴールデンウィーク明けに行われた選挙の結果は、野党にとっては大きく期待を裏切る、地殻変動と呼べるものだった。


日本の政治を特異なものにし続けた、「自国の安全保障観に致命的な欠点を持つ野党群」が、文字通り一掃されたのだ。


代わりに与党と、保守寄り野党。そして、陰謀諭や無茶苦茶な対中強硬諭を唱える者達に後押しされた、極右政党が躍進したのだった。


この結果は政府以上に国民によって行われた、野党の長年に渡る自衛隊に対する理不尽かつ、不当な態度への断罪でもあった。


今回の選挙では、無党派層の投票が目立ち、投票率は日本におけるものとしては異例の高率を示した。その殆どが保守政党に流れ、野党の岩盤支持層の票数を消し飛ばしてしまったのだった。

憲法9条の改正、スパイ防止法等、これからの日本を守るための法整備に向けた、国民的な合意はようやくにも得られたのだ。

一度は大勝した与党だったが、後に党内のリベラル派が大量に離党した。

彼等は新たに台頭した野党と合流して新党を結成。

この結果、総理の悲願であった、2大政党による成熟した民主主義が実現していくことになる。


超消極的な与党支持層ともとれる、普段の選挙では投票しない人々が、今回の選挙では投票を行ったのには、ネットのインフルエンサーや、知識人やマスコミと違って遠慮なく中国や野党への怒りを爆発させるタレント達の影響もあった。

彼等は「今回のことが許せないと思うのなら、野党の政治家以外に投票すべき」と動画サイトやテレビで訴えたのだ。


とりわけ大きく拡散し、影響を与えた情報に教村が取材した澤崎の手記があった。

彼は罪と向き合い、知っている限りのことを話した。

それはドキュメントとしてだけではなく、動画作成者達によって、様々なスタイルの動画にされて拡散して行ったのだ。


彼は中国に利用される日々の中で感じていた、政府与党の危機感不足を痛烈に批判した。

だが、それ以上に中国をアシストするような言動を続けた野党の政治家達や、マスコミを徹底的に批判したのだ。

彼は証拠が無いと断りながら、沖縄の活動家達が中国からの指示で投票していた政党と、その政治家達の名前を列挙して、「こいつらだけには絶対投票してはいけない。こいつらは『敵』だ」とまで言い切って断罪したのだ。

さらには具体的な番組や誌名、記者の氏名を上げて、「こいつらの情報は鵜呑みにしてはいけない」とも訴えていた。


実際に中国の手先として活動していた当人だけに、その説得力、野党側から見れば破壊力には絶大なものがあったのだ。


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