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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
決戦
180/221

セーフハウス

2025年4月4日 6:42 北海道


北海道のとある原野。中国人が買い取った、不動産価値の殆ど無い土地に、一棟のログハウスがひっそりと佇んでいる。

その中には浜名湖橋の破壊に成功した李達が潜んでいた。


李はログハウスでのインターネット使用を厳禁にしていた。どうしてもサーバーに要求を投げかけるために、逆探知されかねないからだ。

このため、彼は不定期に車を市街地に走らせて、部下に移動しながらの情報収集をさせていた。


ログハウスに部下の車が戻ってきた。

「ご苦労。尾行の気配は?」

「ありません。」

「そうか。何か新しい情報はあったか?」

「味方の衛星がやられて、台湾や日本の海底ケーブルを我が方が破壊した影響で、一時インターネットでも情報が手に入りにくくなっていましたが、スターリンクを使っている日本人を見つけました。

中国製の端末を使っていたので、首尾よく家を空けているうちに遠隔で使わせてもらったというわけで。」

「よくやった。それで戦況に関する情報は?」

「ああ、済みません。どうも戦況は厳しいようです。

複数のソースを照らし併せました。張閣下の工作で不活発になっていた、軍事的な知見のある日本人の発信が、開戦してから復活しているようでして、情報としてはこちらがアテになりました。皮肉な話ですが。


済みません。また話が逸れまして。台湾では2個集団軍の揚陸に成功して、台中に進撃しています。金門島、馬祖島は占領しました。


ですが、明るい話はそれだけです。残念ながら我が海軍機動部隊が、米軍の空母に敗れたという話は本当のようです。

沖縄の戦況も相当厳しいようです。海軍による台湾封鎖は既に崩壊しています。

この分だと、台湾の航空優勢が失われるのも時間の問題かもしれません。


本国では拘束した米国や日本の民間人を、人間の盾にして空軍基地に配置する措置を取ったらしいですが、遅すぎると思います。

今から日本とグアムをミサイルで叩いても、米軍はフィリピンと韓国から空軍機を出しています。おそらくステルス戦闘機だけで300機は集結したでしょう。」

「そうだな。それでも、ここ北海道にある米軍の「マルチドメイン・タスクフォース」が装備している「ダークイーグル」は、もう手持ちの弾頭を撃ち尽くしたんじゃないかな?

巡航ミサイルはまだ多少は残弾があるんだろうが。

だが、その間に米軍は本国からの戦力の移動と、こちらの航空戦力の削ぎ落しに成功したわけだ。

我が方の奇襲は完全な失敗だな。」


「・・・。その「ダークイーグル」についてですが、移動中に任少将から展開地域に潜入して破壊せよとの命令が。」

「無茶な話だ。マルチドメイン・タスクフォースが展開している矢臼別演習場には、護衛の日本軍だけで1個旅団は居る。

沖縄から運んだ小火器と爆薬だけではどうにもならん。だいたい、もう打ち込む弾頭は残っていない。無茶なだけでなく、無意味だ。」

「どうされます?」

「無駄死にすることは、決して祖国と党に忠誠を果たすことにはならんと考える。

北海道の反社に繋げ。奴らの密漁船で、千島列島か樺太に渡る。

そこからシベリア経由で本国に帰還するとしよう。命令は受信に失敗して届かなかったことにする。

これ以上、妙な命令を受け取らないように、通信機器はここで焼却するんだ。

敵の特殊部隊に勘づかれ、我々はあらゆる装備を処分して、緊急脱出せざるを得ない。そうだな?」

「・・・・あなたの部下で助かりました。」


李と部下が分析した通り、沖縄の戦況を安定させた米軍は、台湾への支援攻撃に本格的に乗り出していた。


沖縄の制空権は、「アメリカ」「かが」の展開と、嘉手納、那覇の応急修理により、常時CAPが実施できるまでになっており、日米が掌握していた。

先島諸島への航空支援も、航空自衛隊単独で十分に行えるほどだ。上陸および降下した中国軍部隊は、補給を絶たれて急速に弱体化しつつあり、夜明けと共に事実上の掃討戦が開始されている。


再び応急修理を行った嘉手納と普天間、岩国、在韓米軍基地、フィリピンの空軍基地から作戦可能な機体は、F22、F35だけで300機に達していた。


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