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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
決戦
176/221

台中機動戦

先島諸島に展開中の海兵沿岸連隊2個は、夜間にCH53ヘリコプターで彼等の主要装備であるNMESISの一部を、密かに台湾の宜蘭に空輸していた。

NMESISから発射される、NSM対艦ミサイルは先島の上陸船団や、海上民兵に対する迎撃で一時残弾が枯渇していた。

だが、NSMのパッケージはコンパクトかつ軽量であるために、岩国からオスプレイでの空輸によって急速に補充されつつあったのだ。


中国側に気付かれることなく静かに台湾軍に歓迎された彼等は、手始めに12両のNMESIS から、24発のNSMを台湾海峡を往復する中国側の輸送船団に対して撃ち込む。

そして、再び先島諸島に空輸で帰投していった。


中国側は何によって攻撃されたか気付いていない。

未だ撃破しきれていない、台湾のハープーンや雄風によるものと判断していた。


それでも4月3日における台湾の戦況は、全般として中国ペースだった。第71集団軍は確保した橋頭保から前進した。

彼等は激戦の末に、台南空港と安平港を占領することに成功し、増援と補給を円滑に行う目途を付けたのだ。


だが、そこからは台南市をめぐる市街戦に突入している。

第71集団軍はもう一つの攻勢軸を形成すると、その矛先を高雄市に向けた。


張中将は、第71集団軍が台南市に引っかかって停止することは、あらかじめ理解していた。

そのため彼は3日の海上輸送のリソースを第71集団軍への補給と増援よりも、第72集団軍主力を台南北部の嘉義前面に上陸させることに集中させた。


新手の第72集団軍は、上陸すると一部の部隊が北から台南市を包囲にかかる。

一方で、その主力は台中方向への機動戦を開始。

台南市は広大な市街地が障害になっていたが、その北からは開けた地形が広がっている。

彼等はそこを電撃的に北上し、烏川の渡河にも成功して、50キロもの電撃突破に成功したのだ。


第72集団軍は、到達した台中市には目もくれず、さらに北上しようとした。

彼等は台湾軍が戦線を再構築する前に、苗栗まで電撃突破しようとしていたのだ。

苗栗は台南、台中と異なり平野が終わり、山地が海岸まで続いて狭隘な地形となっている。だから、ここに台湾軍が防御線を張ってしまったら、その突破は一筋縄では行かない。


その前に苗栗を突破して新竹まで進出することができたなら、台北は目の前となるのだ。


だが、そう上手くは行かなかった。

中国空軍の猛烈な阻止爆撃や、海軍や上陸部隊の砲撃にもめげずに、542装甲旅団を主力とする台湾第6軍団が南下してきたからだ。

第6軍団は台中市の北側、大甲川に防御線を構築すると、強引に進撃してきた第72集団軍を迎撃した。


第72集団軍は夜戦も含めて3回にわたって大甲川渡河を試みたが、いずれも阻止されてしまった。

そこで第72集団軍は手持ちの物資を使い果たし、いったん進撃を停止して、船団からの補給を待つ。

(石中将に張は「そこまで行けたなら上出来だと」伝えた。)


台湾軍司令部は一息ついたが、この調子で第73集団軍にまで上陸されたら、支え切れるか分からない。

彼等は必死で中国上陸部隊2個集団軍の頭を押さえつけ、米軍と共に台湾海峡の中国軍海上交通線を叩き続けた。


そんな彼等に衝撃を与えたのは、金門島、馬祖島の守備隊からの連絡が途絶えたという事実だった。

強固な地下陣地に拠っていたにも関わらず、陥落したらしい。

澎湖島の守備隊からは、中国軍が化学兵器を使用したという報告があったかこととから、両島の守備隊は化学兵器使用により全滅した可能性が疑われた。


事実関係を確認する術が無かったが、台湾はアメリカに連絡すると、国連での問題提起を依頼したのだった。


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