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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
機体をコントロールするのにスティックは握りしめるな。生卵をそっと包み込むように。
133/221

反転

同時に上海に向けて、増援を要請するように旅団長に進言する。

間に合わないだろうが、どの道交戦して燃料と弾薬を消費した後では船団護衛任務は果たせないから、交代の旅団を呼んでおく必要はあるのだ。


上海とのデータリンクを中継するKJ500Hが、敵のステルスによる早期警戒機狩りを警戒して、殆ど本土上空から出てこないか、そもそも離陸していなため、こちらから戦況を連絡する必要もあった。

データリンクが確立していれば、潘が行った増援要請はこちらから行わずとも、司令部が決定して連絡してきたはずなのだ。


数の上では互角のはずだったが、潘達の2個大隊が正面から接近していくと、敵はお互いの距離が200キロになる直前で急旋回を行って反転。つまり逃げ出した。


(やはり・・・。)

あっさりと逃げ出した敵の対応を見て、潘少佐は正面のF15が囮であるとの確信を強めた。

案の定、低空を索敵していた部下から報告が入る。

「低空に多数の敵機を探知!おそらくF2!船団に向かっています!」

「何機だ?」

「8機です!」

(もっといるはずだ)

潘の読みはあたった。とにかく、F15との交戦を中止して反転。船団攻撃のF2の追尾にかかる。


アフターバーナーを使用して追いすがるが、F2は超低空を高速で飛行しており、しかも少数に分かれてあちこちから接近しているらしい。

中国が長年恐れていた、F2による超低空対艦飽和攻撃だ。

接近する度に新たな反応が低空に出現する。全機撃墜は難しいかもしれないが、とにかく1機でも多くF2を撃墜するつもりだった。


PL15の射程に入る直前に、F2は妨害電波を放射した。

撃退したF15も妨害電波を放っていたが、F2のものの方が強力だ。ロックオンできそうだったF2に対する、レーダー追尾が出来なくなる。

もっと距離を詰めないとPL15で攻撃できない。


さらに接近して、なんとかPL15で再度ロックオンしようとする直前、F2の反応が停止すると同時に、自機のロックオン警報が鳴った。

目標にしていたF2が、反撃してきたのだ。距離が詰まってから反航戦になったので、F2のAAM4Bの射程内に入ってしまっている。

(こしゃくな)

潘は受けて立つ。ASM3Aと増槽を投棄して反撃してきたF2は8機だった。


戦況表示パネルを確認すると、反撃せずにそのまま低空を突撃していくF2は、対艦ミサイルを搭載しての超低空飛行にもかかわらず、垂直旋回かそれに近いロールレートの急旋回まで行っているらしい。

急激に変針して潘達の追尾を躱そうとしていた。

(おそらくは対艦ミサイルと大型燃料タンクを搭載した重い機体なのに、海面すれすれで垂直旋回だと?なんて奴らだ。腕がいいな。

背後を取れている今のうちに、1機でも多く墜とさないとやっかいだが、正面での敵をまずはどうにかしないと)


8機のJ11Bは、同数のF2とPL15で正面から撃ち合い、お互いに2機を撃墜した。

空中に緊急脱出した敵味方のパイロットのパラシュートが開くのを潘は確認する。

そうしている間にも、残りのF2は船団に接近しているはずだった。

「敵が多すぎる!」潘少佐は胸を焦がされるような思いを味わった。正面のF2を蹴散らし、さらなる追撃に入ろうとした時、後方警戒装置が作動する。


後ろにいつの間にか201飛行隊が迫っていた。小賢しくも、F2と交戦している間に引き返してきたらしい。

F2との交戦時、敵のミサイルAAM4Bに対して回避機動をした瞬間に、F15を探知できたかもしれなかった。だが潘は自機のレーダーを短距離・低空索敵モードに切り替えていたため、F15の反転に気付かなかったのだ。


(なお、潘はAAM4Bの性能を高く評価しており、PL15の発射と同時に大隊に回避機動、妨害電波、チャフ散布を厳命していた。

ミサイルからの脅威電波が検出できないにもかかわらず、潘の大隊が全力で回避を行ったことで、彼の大隊は2機の損害に留まった。

今回もやはりAAM4Bは、周波数を変換しながら中国機に悟られることなく、ロックオンすることに成功していたのだった。)


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