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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
機体をコントロールするのにスティックは握りしめるな。生卵をそっと包み込むように。
124/221

槍騎兵

さらにハワイから、第34、37爆撃飛行隊のB1B爆撃機24機が、グアムを発進したF35Aの護衛と空中給油受けつつ、7000キロを飛行して来た。


彼等は台湾東側を封鎖のため、バシー海峡を遊弋していた中国艦隊に向けて、1機あたり24発、編隊合計で約500発ものLRASMを発射した。

800キロ彼方から放たれたLRASMの発射諸元は、台湾東岸の台湾軍からもたらされたデータに頼っている。

一方の中国軍は、レーダーの探知距離圏外で、B1Bの接近に気付かない。


中国軍はこのような事態を最も恐れており、グアム近海へ機動部隊を派遣したのは、ハワイからのB52、B1Bによる長距離対艦攻撃を阻止するためでもあった。

だが、彼等は初日で早々と海底に消えており、B1Bの接近を阻止できるものは存在しなかった。


バシー海峡を遊弋していたのは、中国海軍の駆逐艦、フリゲート艦群。055級4隻、052D級6隻、054級13隻、053H級9隻だった。

彼等は、台湾の東側に退避した、台湾の高価値目標に対する攻撃を行っている。

そこからさらに、先島諸島の自衛隊と米軍の対艦ミサイル部隊の沈黙を確認次第、北上して台湾東岸を完全に封鎖する作戦を与えられていた。

しかし彼等は北上する前に、3日夜明けと共にLRASMによる攻撃を受けたのだ。


彼等はグアム沖で壊滅した機動部隊よりは幸運だった。

距離100キロで、LRASMの接近に気付いたからだ。

10隻ものエリア防空艦は、長射程艦対空ミサイルHHQ-9Aを次々と発射し、これが突破されると今度は中射程のHHQ -16を発射して、LRASMの大半を迎撃することに成功する。

だがそれでも055級と052D級2隻ずつと、054級4隻、053H級3隻が撃沈破された。

さらに052D級2隻はHHQ-9Aを撃ち尽くし、補給のため帰投せざるを得なかった。

残存するエリア防空艦も、半数以上の対空ミサイルを消耗しまっている。

それでも彼等は損害にめげず、バシー海峡に留まって、先島諸島の制圧を待ち続けた。


つまり、先島占領が成立しなければ、台湾東側の封鎖が困難であるという前提で、中国海軍は行動していたのだ。

1年前の国家安全保障会議における、防衛政策研究室長の予測通りだった。


一方、空中退避に成功した中国軍機は大混乱に陥っている。

攻撃の準備が整わないうちであり、なまじ大規模な戦力を集結させていたため、各部隊の空中集合にも苦労した。

さらには最寄の滑走路の殆どが被害を受けたため、着陸して出撃準備を完全に整えることが出来ない。

結局帰投する基地は後で指示するから、という前提で、沖縄への攻撃任務を割り当てられていた部隊は、そのまま攻撃に向かうことになった。


その間にも燃料は消費しているのというのに、空中給油機の投入は昨日の悲劇的な大損害のために禁止されている。


一部のJ11部隊は、離陸できなくなったJ20部隊に代わって、急遽船団護衛につくことになった。

緊急の空中退避からの空中集合と、攻撃隊の再編成を同時に行うことになり、地上からの管制は大変な作業となる。

KJ2000が支援を行っても、なお十分では無かった。


初日の緻密な計画と違い、中国本土上空で散り散りになった中国軍機が、集結して進撃を開始するまでには、かなり時間を割くことになった。

その様子はやはり斉州島とフィリピン上空に滞空した、E3が捉えており、日米が迎撃態勢を整えるには十分な時間を与えることになる。


ちなみに、かつて中国は韓国へのXバンドレーダーの配備にあれほど反対したのだが、あくまでBMDの迎撃用であり、E3の代わりにはならなかった。


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