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沖縄・台湾侵攻2025 Easy Mode 完全版 Ver2.1  作者: しののめ八雲
機体をコントロールするのにスティックは握りしめるな。生卵をそっと包み込むように。
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斧の雨

蕪湖鳩江基地だけでなく、米軍は最新の衛星情報に基づき、AEW機、制空戦闘機の基地を選択して弾道弾攻撃を行い、東部戦区の15カ所もの空軍基地を一撃で無力化した。

那覇や嘉手納がそうであったように、応急修理はされるだろう。

だが、大威力の極超音速弾頭の直撃であることと、中国空軍の基地部隊は、日米ほど基地が攻撃されることを想定していないため、復旧に時間がかかりそうだった。


日米台が数年前から、基地攻撃能力を強化していたから、中国側も復旧訓練も機材も強化してはいた。しかし、対象となる基地が多すぎるのと、戦闘機や爆撃機、対空ミサイルの数をそろえることに重点が置かれたため、復旧能力の獲得は未だ十分では無かったのだ。



弾道弾攻撃と同時に、中国側の早期警戒機KJ2000や沿岸レーダー、艦隊が断続的に中国大陸に向かって、超低空飛行中のトマホークの群を捉えた。

トマホークを発射した部隊、艦艇は様々だったから、方向も数もばらばらだった。

最も数が多く、かつ遠方から発射されたのは、2隻のオハイオ級から発射された300発だ。




トマホーク群のうち、日本方面から発射された200発は、先島諸島にせまる中国艦隊に捕捉されたものの、彼等は対空ミサイルを温存するため迎撃を行わなかった。

巡航ミサイルの迎撃は、そもそもの任務ではないので、彼等が行ったのは本土へのデータリンクと報告に留まった。

そしてまた、その情報を受け取った上海の司令部も、艦隊に対して迎撃命令を下さなかった。


超低空を飛行するトマホーク群が、KJ2000や地上レーダーに発見されたのは、沿岸から50キロから100キロに接近した時点だった。


緊急発進したJ11や、地対空ミサイルは迎撃を行ったが、彼等のミサイルは日米の対空ミサイル程、巡航ミサイル迎撃に力を入れているわけでは無かったから、その阻止率は高くなかった。

それでも、100発のトマホークを撃墜したものの、長大な中国沿岸部に張り巡らされたレーダーサイトが、次々と撃破されていった。


上海北部から台州にかけては、実に約70基ものレーダーサイトが存在したが、そのうちの約50機が破壊されてしまったのだ。


地上レーダー網がズタズタにされた後に、本命のトマホーク群が侵入を始める。

かれらは海岸線に進入すると、GPSに誘導されて中国の地形に潜り込んだ。

そこからさらに迂回コースを取ることで、中国側の迎撃網から完全に消え失せてしまう。

結果、5カ所の航空基地に平均20発のトマホークが着弾した。

うち4カ所は、LRWHの攻撃から外れた空軍基地だった。

もう一カ所は蕪湖鳩江基地だ。トマホークは滑走路以外の目標、管制施設、燃料タンク、それに戦闘機を収容するシェルターを次々破壊。

この結果、10機のJ20と2機のKJ2000が地上撃破された。


オハイオ級の放った300発は、台湾を支援するため、台州の沿岸を突破してから大きく迂回する。

そして、背後から福建省の陸軍集結地点、物資集積所、港湾を攻撃し、甚大な被害を与えた。


米軍の「エイプリルフール作戦」。その反撃パートの始まりだ。


張が出した、中国空軍に対する空中退避命令から、なし崩しにその日の爆撃が始まった。


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