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そして事件は起きて…エピローグ

マリアンヌが第一王子レオンハートの婚約者に選ばれて、良く思わない公爵家があったのだ。


ハレスティス公爵家と、ミルディア公爵家である。


彼らの娘達、レティシア・ハレスティス公爵令嬢と、ユリアーヌ・ミルディア公爵令嬢は、

マリアンヌと同じ年、学園でも同じクラスの令嬢である。


レティシアは、席に座っているマリアンヌの傍に行って、


「貴方がレオンハート様の婚約者に選ばれるなんて、辞退しなさいよ。」


ユリアーヌもマリアンヌの傍に行き、

いきなり、バシっとマリアンヌの頬を平手打ちした。


「貴方なんてふさわしくないわ。わたくしの方がレオンハート様にふさわしくてよ。」


マリアンヌは頬を抑えながら、


「王家の命令には逆らえませんわ。わたくしとて、王妃になりたい訳ではありません。」


二人の令嬢は、マリアンヌを睨みつける。



放課後になったらなったで、マリアンヌが帰ろうとすると、何者かに、音楽室へ引き込まれて、外から鍵をかけられて出られなくされた。


「ちょっと。誰か開けてっ。開けて頂戴っ。」


扉を内側から叩けども、開ける事が出来ない。


魔法の研究はしているけれども、マリアンヌ自体は魔法を使う事が出来ないのだ。


肌身離さず持っているブローチに向かって、


「レグザス。助けて頂戴。」


しかし、レグザスは現れなかった。


窓から日が差し込んでいる。


夜にならないと現れないし、あのレグザスが自分を助ける事が出来るかどうか。


レグザスの姿は他の人から見えないのだ。



その時、ガラっと音を立てて、扉が開いて、一人の少年が中に飛び込んで来た。

同じ、魔法学院で研究をしている仲間、ロナード・キルディアス伯爵令息だ。


「大丈夫か?マリアンヌ。」


「ロナード。有難う。閉じ込められていたの。助かったわ。」


「カップが割れて嫌な予感がしたんだ。エゴート公爵家の馬車を見つけたんで、君が学園から出て来ないっていうからさ。公爵家の御者も困っていたよ。馬車まで送るから。」


「本当に、有難う。ロナード。」


ロナードと共に馬車に向かおうと学園の玄関を出た途端、上から何か落ちてきたのだ。


落ちて来た物は二人に当たる前に、何故か宙で粉々に砕けて四散した。


マリアンヌもロナードも真っ青になる。


閉じ込められただけではなく、命が狙われているのだ。


もし、宙で砕けなかったら頭に当たって死んでいたかもしれない。



ロナードがマリアンヌに、


「エゴート公爵に相談した方がいい。犯人を見つけないと。」


「おそらく、ハレスティス公爵家か、ミルディア公爵家の差し金かと思うわ。

わたくしが、第一王子レオンハート様の婚約者に選ばれた事を、二人の令嬢は凄く怒っていたから。」


「ともかく、馬車に乗って、俺も一緒に行くよ。」



二人は待っていたエゴート公爵家の馬車に乗り込む。


馬車が出発したのだが、何故か馬の速度が速い。


御者の声がする。


「何でお前達、そんなに興奮しているんだ?おかしい。馬が言う事を聞かないぞ。」


馬車の中のマリアンヌと、ロナードは真っ青になった。


このままでは、事故に繋がりかねない。



思いっきり馬車が横に回転して、マリアンヌとロナードは振り回されて、


もう駄目…わたくし達、ここで死ぬのね…


次なる衝撃に覚悟するマリアンヌだったが。


ひっくり返った馬車で、何とか身を起こして、隣のロナードを心配する。


ロナードは心配そうにこちらを見て、


「俺は大丈夫。君は?」


「わたくしもなんともないわ。」


不思議と怪我を負っていなかった。

二人で馬車から這い出してみれば、

馬がひっくり返って、ぴくぴくしていて。


御者も振り落とされて、道路に横たわっていたが、身を起こして…

不思議と、怪我をしていないようだった。


周りから人が集まって来る。


「何があったんだ?」

「馬車の事故らしいぞ。」



その時、ドーーーンと大きな音がした。


王都にあるハレスティス公爵家と、ミルディア公爵家の方から煙が上がって。


両家が燃えているのだ。


その時、あっけに取られて、そちらの方向を見ていたマリアンヌとロナード。


背後から神官長に声をかけられた。


「ああ…怒っている…。あの二家は怒りを受けているのだ。」


「神官長様。どなたの怒りを受けているのです?」


「それは…尊いお方…あのお方は…」



マリアンヌはふと、着けていたはずの黒水晶のブローチに手をやると、そのブローチはボロボロと崩れて、壊れてしまった。


レグザス…貴方が守ってくれたのね…


涙がこぼれる。


泣くマリアンヌをロナードが肩に手をやって優しく慰めてくれた。


「こうして命があってよかった。俺は君の事…レオンハート様の婚約者だと解っているけど、君の事が好きだ。だから守ってあげたい。君を守る騎士にはなれないけど、魔法を極めて、君が王妃様になった時に必ず役に立つよ。」


マリアンヌは、とても嬉しかった…。


王都のハレスティス公爵家と、ミルディア公爵家は、全焼し、中にいた人達は大やけどを負って、二人の公爵令嬢達は領地に引きこもり、二度と王都には戻ってこなかった。




マリアンヌは、屋敷に帰り、廊下で黒騎士の死霊、レグザスを呼んでみる。


「レグザス…出て来て。答えて頂戴。」


憑いていたブローチが壊れてしまったのだ。

もう二度と会えないのか…


その時、一人の豪華なドレスを着た女性が現れた。

王家に飾られている肖像画で見た事がある女帝アレクシアナ一世だ。


「マリアンヌ。レグザスは力を使い果たしました。貴方を守る為に。

ですから…もう。二度と貴方の前に現れる事はないでしょう。」


「アレクシアナ様でございますね。もう二度と会えないなんて。もし、あの世でレグザスに会う事があったら伝えて下さいませ。有難う。わたくしを助けてくれて。

有難う。今まで傍にいてくれて…レグザス。貴方の事、わたくしは…」


「レグザスも喜んでいますわ。いつか…貴方の傍に生まれ変わる事が出来たら、

レグザスも幸せでしょうね…その時は、レグザスに今度こそ伴侶を…残念な男でしたから。」


「解りました。レグザス。貴方、命令です。わたくしの傍に生まれ変わりなさい。

そうしたら、わたくしがビシバシ鍛えて、残念な男を卒業させて差し上げますわ。」



アレクシアナ一世は微笑んで、姿を消してしまわれました。


アレクシアナ様も、力を貸してくれて、二公爵家に天罰を与えたのでしょう。




後に、マリアンヌは、運良くレオンハートが男爵令嬢にうつつを抜かして、婚約破棄をしてくれた為に、ロナードと結婚する事が出来たのであった。


二人の間に生まれてきた男の子は、レグザスと名付けられ、ちょっと臆病で泣き虫な男の子だったが、ビシバシと鍛えられて、優秀で国の騎士団長を勤める程の男に成長した。

可愛い嫁さんを貰って、子供3人に恵まれ、、マリアンヌとロナードを喜ばせた。



マリアンヌが年を取って、亡くなる時、息子のレグザスの手を握り締めて、


「貴方と暮らした日々はとても楽しかったわ。レグザス。有難う。」


そう微笑んで亡くなった。






「貴方は誰?うわーーーん。なんだかおっかない物がいるっ??」


「貴方はマリアンヌ様?私は貴方の先祖、女帝アレクシアナ一世様に仕え、貴方の母君、マリーディア様に仕えていた黒騎士です。怖がることはありませんよ。」




この出会いは、懐かしき遠い日々…


良い人生だったわ…





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