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似たもの同士?

まさかこんなに更新が遅れてしまうとは……。今後は少しずつ更新していく予定です。

「ただいまー」

家に帰ってご飯とお風呂を済ませた僕は自分の部屋に入り、戦利品の整理をし始めた。棚に仕舞ったりタグを取ったり、色々とやることがあるんだよね。そのまま作業すること30分ほど、スマホを確認すると五十嵐さんと小日向君から連絡が来ていた。

『From:五十嵐さん

 明日は11時集合にしてお昼ご飯食べてから行かない?気になってるお店があるんだけど、一人じゃ入りづらくて……』

『From:小日向君

 日曜日の事だけど、ゲーセンの近くに美味いラーメン屋があるから、食ってから行こう』

この二人、考えてることは似てるんだけどなぁ……。なんであんなに仲が悪いんだろう。

「あ、そういえば」

入学式の時に新入生の名簿一覧を貰ったっけ。たしか中学校とか部活とか載ってたはず。

「うーん、どこに仕舞ったかなぁ……。一纏めにしておいたとおもうんだけど」

クローゼットの中を漁るもまったく見当たらない。ごそごそとプリントの入った段ボールを10分ほど漁っているとドアをいきなり開けられた。

「お兄ちゃん、さっきから何してるの?」

部屋に入って来たのは14歳の妹、比奈だった。肩にかかりそうなセミロングの髪、143cmという小柄な体躯、そして目が大きいことが彼女をより幼く見せている。

「ちょっと探し物してたんだ。入学式に貰ったプリントをね」

すると比奈は少し考える仕草をした後、「ちょっと待って」と言って1階に降りて行った。

「もしかしてこれ?」

彼女が手に持っていたのは僕が探していた名簿。

「え、なんで1階にあったの?」

そう聞くと比奈は困ったようにこう言った

「実はちょっと貸してもらってて」

比奈の話によると、帰り道に僕が通う高校の学生証を拾ったのだそう。名簿には自宅の連絡先も載っていたのでそれで使ったようだ。

「なるほどね。見つかってよかったよ」

比奈は僕にプリントを渡すと部屋を出て行った。プリントの中から五十嵐さんと小日向君の名前を探す。

「えーと……、二人とも同じ中学出身だったんだ」

ふたりの出身中学の欄には二橋中学と記されていた。

「二橋中学ねー。たしかここから7駅だったかな。ふたりとも割と遠くから来てるんだなぁ」

そんなことを思いながらプリントを漁っていると、クラスメイトの自己紹介プリントが発掘された。

「そういや4月にこんなの書いたっけ。読んでないけど」

自己紹介プリントにはひとりひとり入学時の写真と簡単なプロフィールが載っている。小日向くんのものを見ると明後日会うのが怖くなってしまった。

「うわあ、本当のリア充だぁ。トップカーストだぁ」

サッカー部のキャプテンで生徒会長も務めており、人を助けることが好きと書いてある。万年モブをやっている僕にとってあまりにもハードルが高い相手。いや,まだマシか。

「五十嵐さんは女子だもんなぁ……。何を話せばいいんだろ」

五十嵐さんに関してはクラスメイトでも同性でもない。何から話して良いのかさっぱり分からない。そもそも中学校でも女子と話したことなどほとんどないし、最近は家族以外の女性と話した記憶がない。

「やっぱり断った方が良かったかな……。でも困ってたみたいだし……うーん」

僕は昔からとてもモブらしい目立たない人生を送ってきた。イケメンなわけでもなく、運動や勉強でも秀でた部分の無い僕は、トップカーストというものから離れた生活をしていた。

と言っても、いじめられていたわけでもない。全く関わりが無かっただけだ。みんなの周りにも居るでしょ?クラス内のカーストから外れてる目立たない人。僕もその一人だっただけの話。

「とりあえず今日は寝よう。いろいろ考えると寝れなくなっちゃう」

 モブの僕にも友人と言える人は何人か居た。高校に入ってからは疎遠になってしまったけど。高校に入ってからは、見ての通り一人で行動することが多くなっている。おい誰だ、今ぼっちって言ったの。表に出ろ。

「前向きに考えれば高校で友達を作るチャンスではあるんだよなぁ……。いきなりトップカーストなのはハードル高いけど」

 ゲームで言えば初期装備の状態でラスボスと遭遇したようなものだ。僕ならそんなくそゲーすぐに売る。しかし、そんな状況が実際に起こってしまっている。

(とりあえず……明日にならないと……分からな……)

そう考えてるうちに、僕の意識は完全に闇の底へと沈んだ。


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