プロローグ2
前回のあらすじ:あるところに魔王がいました。 完!
という冗談はさておきプロローグ2です。 自分の文章力が無いので分かりにくいとは思いますがもう一人の主人公?というかヒロインが出てきます。今回もお楽しみ頂けたらありがたいです。
(また何処かに魔王が出たのか···)
大きな玉座に座っている男は思った。 「いかがなされましたか?国王陛下」部下の兵隊長は心配そうに言った。「ああ、大丈夫だ」自分を気遣ってくれる部下に対して王は言った。
「それなら良いのですが···」 「少し悩み事があってな···」
「もしかして〈魔王〉の事ですか?」流石は長年付き合ってきた部下だなぁとしみじみ感じながら王は言った。「その事何だが···」
−−−〘魔王〙−−−
−−かつてこの世界で起こったと言われている大規模な戦争“百年戦争"。この戦争が勃発した原因は神々に反発した悪魔や堕天使達が天界の者達に対して反逆を行った事が原因だと言われているが詳しくは分かっていない。だが一つ分かっている事はこの戦争が終結し長い年月が経ち平和になった(まだ争いはあるが)現在の脅威は〘魔王〙という事だ―
昔母上にこんな昔話を聞かされたなぁと思いながら王は自分の部下に命じた。
「いつ何が起こるか分からない、国民に食料などを備えておくよう言っておいてくれ。」
「はっ!了解しました!!」威勢の良い返事をして兵隊長は玉座の間から出て行った。
「····いつも思うが王様というのも楽じゃないな、むしろ大変だ」人前での賢王はどこヘやら、部下が見たら驚きそうな位のため息をついた。だが全ては国民達の為、そして−−
可愛らしい足音がこちらに向かってくるのが分かる。この聞き慣れた足音を聞く度に顔がにやけてしまうのを我慢し腕を広げて受け止める体勢をとる。
「お父様ーー!!」勢い良く扉が開かれ、何かが体当たりするがそれを気にする事無く抱きしめる。
「おお!元気だったか?私の可愛いお姫様」 「私は元気です!お父様!!」我が妻に似て美しく可愛い娘だ、だからこそどんなに苦しい事も愛する家族の顔を思い出せば全然苦しく感じないのだ。
そしてもう一つこちらに向かってくる足音がある。
「貴方、晩御飯が出来ましたよ。」金色に輝く髪をたなびかせながらその美女、妻は言った。
「ああ、ありがとう。さて、私の務めも終わったし、今夜は皆で食べようか」 「うん!」
やはり食事は皆で食べるに限る、そう思いながら男は家族と共に大広間へと向かって行った
翌日
「お父様、あれは何?」王は家族を連れて地下室に下りていた。
「あれはね、時空移動装置っていうんだよ。」
「時空移動装置?」娘が(ナニソレ?おいしいの?)という顔をしていると王の横にいたフードを深めに被った魔術師が親切に教えた。「この装置はこの王国の先代から現在までの魔術師達がありったけの魔力と魔術を使って出来たものですぞ。」キッヒッヒッヒと気味の悪い笑い声を出しながら魔術師は言った。
「魔術師殿、この装置は完成したのですか?」と王は言った
「残念ながらまだ完成してはおりませぬ。今の状態ではこの世界の『何処か』までしか。ですが完成した暁にはこの世界とは異なる文明、異なる進化を遂げた者達とも友好的な関係を持つ事も可能かと。」そう魔術師は残念そうに言った。
その時、
キイィィィィィ 装置の起動する音がした。
「貴方!大変です!」 「娘が!!」金色の髪を振り乱しながら慌てた様子で妻が走って来た。
「何だと!?あの装置は魔力炉心を起動させなければいけない筈では!?「恐らく何者かが起動させたかと!」息を切らしながら魔術師は言った。「まさか·····」嫌な予感がする。
そう思った王は急いだ。 「陛下、一体どうしたのですか!?」困惑している魔術師を置いて私は走った。
やはり。嫌な予感は的中していた。そう思った王は装置を起動させた者に対して言った。
「娘よ!早くお父さんの手を掴むんだ!!」私は必死に声を出して叫んだ。
「お父様、私、怖い!」泣きそうな顔でそう言う娘の手を掴もうとした時、装置の停止する音がした。
「陛下、間に合いましたぞ!」嬉しそうに言う魔術師と「間に合って良かった。」と嬉しさと安堵のこもった妻の泣き声が聞こえる。間に合った、そう私も思った。
しかし、
〈転移座標位置自動設定完了、転移魔法の発動を開始します〉
「お父様ーーー!!」助けを求める声を最後に私と妻の愛する娘は消えた、いや[飛ばされた]のだ。私達の知らない「何処か」に···
その後、魔術師や兵隊長達、国民達と協力して探したが、見つからなかった。私達はひどく落ち込んだ。愛するたった一人の娘を失ったのは大きかったのだ。そうして私達が無気力に過ごしていたある日。
「陛下!お嬢様を見つける方法が分かりましたぞ!!」勢い良く扉を開けながら入ってきた魔術師は言った。「本当に見つかるのですか!?」私はこの希望に賭けるような思いで言った。「あの装置を完成させれば逆に見つける事も可能かと」と魔術師は言った。「ですが完成までに何年かかるんですか?」妻は怪しそうに言った 「最低でも十年、もしくは何十年後かもしれませぬ。」そう言った後、魔術師は覚悟を決めたような顔で言った。「ですが、必ずお嬢様を見つけます。」
「分かりました。では頼みました」私の言葉を聞くと魔術師は「今度、此処に来る時は吉報をお持ちして来ますぞ。」と言いながら出て行った。
「あの人には悪いのですが本当に見つかるのでしょうか?·····」確かにその通りだ。だが
「彼らは私達を信じている。だからこそ私達も彼らを信じよう」
そう私が言うと、妻は娘がいなくなってから久しぶりに笑っていた。私も彼女につられて笑ってしまった。
−−この先何年、何十年とかかるかもしれない。だが私は待っていよう。娘が「ただいま」と言えるように、そして娘に「お帰り」と言えるように―
書いてみて分かった事:あまりキャラの掘り下げをやってない。 ので次回から書いていこうと思います。
文章上手く書けたらなぁ(他の方達みたいに)。
長くなりましたが読んでいただきありがとうございます。 ではでは!