表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢中執行官  作者: ミサキ
2/2

第二話(仮)

 ジリジリジリジリ


「ん・・・んん・・・」


 ジリジリジ・・・


「もうちょっと寝たい・・・」


 なんて甘えさせてほしいといつも思う。

 仕事の後なのだからもう少し優しく起こしてくれてもいいじゃないか。


 カチッ


 僕はヘッドギアを外しながらいつものように愚痴を唱えた。


「おはよう、現実世界」


 目覚まし時計によって引き戻された世界はいつものように暑かった。

 7月下旬の暑さは体に堪える。

 僕は渋々ベッドから起き上がり、冷蔵庫から冷えたコーヒーを取り出した。


「ぐ・・・ぐ・・・ぐ・・・ぷはっ!やっぱり朝はコーヒーだね」


 独り言が寂しく部屋を舞う。


「さてとー、準備準備」


 そう言って僕はクローゼットを開け、スーツに手を伸ばした。


「今日は黒か、それともグレー、いや青か」


 手が止まる。

 僕は毎日この選択に悩む。

 いわゆる優柔不断なのだ。


 ティントロン・・・ティントロン・・・


 ん、朝から電話?


 ピッ


「はい、もしもし」

 

 誰だろうか。


「グッドモーニング!ブラック!ちゃんと起きてるかなあ?」


 声の主はブロンドだった。


「起きてる起きてる。朝から何の用?」

「なんか扱い雑じゃなあい?もっとかまってー」


 はああああああ。

 朝から鬱陶しい。

 ハイテンションすぎて胃もたれを起こしそうだ。


「かまうも何も、出勤前だぞ?電話してる余裕なんてないよ」

「私はもう準備できてるもーん!それに今はブラックが泊まってるホテルの前だし」

「え・・・」

「今日の占いのラッキーカラーが黒だったから、せっかくだしブラックと一緒に行こうと思って!」

「なんなのそれ、ほんと嫌なんだけど」

「えー、そんなこと言わないで!さ、早く行きましょ!」


 男性なら一度は憧れたシチュエーションだと思う。

 理由はどうあれ、女性が迎えにきてくれて一緒に出勤ないし登校するというシチュエーションは。

 しかし、勘違いしないで欲しい。


「なんで占いなんか・・・」

「だって私、乙女だし」

「乙女言うな!男だろ!」


 そう、ブロンドは男だ。

 男なのだ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ