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世界の端から侵略する!  作者: あべりあ
1/1

第1話 平和な村ゴート

初投稿です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「敵の数は約1000人程ですが。いかがなさいますか?」

 褐色肌の女が隣に立っている暇そうにしている男に向かって言う。

「1000か...ありきたりな数字だし、まぁ行けるだろ。よし、正面突破ー」

 男は、気の抜けた声で右手から大振りの大剣を現す。

「さてと、行きますか」

 男は呟いたら今までいた場所から忽然と姿を消した。次の瞬間、敵兵の中から悲鳴が聞こえてくる。

「あららー。出遅れちゃったやつ?これ?ねえねえ?」

「もぅ あの子ったら早いわね〜。なんでも早いんだからぁ〜」

 先程会話していた、褐色肌の女と男の後ろに何人かいた。その者達もそれぞれ武器を携えて、先程の男を追うようにして、敵陣の中に斬り込んで行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 腕っぷしの強さでのし上がる者、ズル賢く生きる者。絶対的な力により人を支配する者。

 世界大陸ルーコンでは、様々な人種や異業種が生きている。

 毎日の様に戦争、殺し、詐欺、脅迫、なんでもありな世界。


 世界大陸ルーコンは、空から見ると目の形をしていると言われている。大陸の両端は細く、中央に向かう程広くなって行く。周りは海に囲まれている。しかし、他の大陸を確認する事は出来ていない。

 大陸ルーコンのもっとも西にあり、海と隣接している村「ゴート」があった。100人にも満たない小さな村は、今日も平和に過ごしていた。


「今日の晩飯を釣っとかないとな〜」

 のんびりした声とつぶやき、海に釣竿を垂らしている男がいる。黒色の髪、長身、好青年のような顔のようだが気が抜けている顔なのでそうでもない顔。つまり普通だ。

「ラル〜、まだぁ〜?」

 女の子の声が聞こえる。甘栗色の髪で髪と同じ色をした目の女の子。

 ラルと呼ばれた男は、気だるそうに空を仰ぎながら答える。

「まだ釣れねーよ。リル。」

 ラルは、木陰に座って砂に絵を描いてる2歳下の妹リルに言った。

「お腹すいた〜。」

 釣った魚が夕飯になるため、ある程度釣っていなければ家に帰れないのであったが・・・

 まだノルマを達成出来てないため帰る事は出来ないが・・・

 頬を膨らませながら文句を垂れてくる妹である。

「じゃあ一緒に手伝ってくれよ〜」

「暑いからヤダ」

 即答。ためらいのない返事により、ラルはうなだれた後にこう続けた。

「それでも良いけど、2人で沢山の釣れば母さん喜ぶと思うのに、残念だなぁ〜」

 ちらっと横目で見ると、面倒くさそうではあったがリルは、大好きである母のためならと奮起するかの如く両手で、頬を叩き気合を入れた。

「別に口車に乗ったわけじゃなくて、母さんの喜ぶ顔が見たいだけだから、勘違いしないでよねっ!」

 テンプレのようなツンデレ?をかました後に、ラルの横に座り釣りを始めた。

夕暮れになる頃、2人は持って行ってた網にパンパンの魚を入れて家に持って帰っていた。


「お腹ずいだぁ〜」

 母に甘えるかのように、テーブルの上にうつ伏せになっているリル。

「一杯釣ってきたね。ありがとう。リル。」

 うつ伏せになっているリルの頭を母は撫でていた。

 絶対にあの下に隠れている顔は喜んでるだろうなーとラルは推測していると。

「ラル、あなたもよ。ありがとう。」

 流石に頭は撫でられなかったが、少し小っ恥ずかしいラルは聞いてなかったかのように、いつもの指定席である妹の前の席に座った。自分の隣には、親父、リルの隣には、母さんとみんなで向かい合って食べるのがうちのお約束である。

後は、母さんの調理と親父の帰りを待つだけである。


 数十分後・・・・・・・

 毎日決まっている時間に親父が帰ってくるので、食べる時間も決まっているのだが、今日は珍しく親父が帰ってこない何があったのか・・・ 

 心配そうな表情で食卓に並べられてる料理を見る母さん。

 早く料理が食べたいリル。もうそれは深刻な顔。

 リルの顔を見て、母さんがふっと笑い。先に食べていいよとリルに促した。

 リルは、深刻そうな顔から一転。満面の笑みで料理にありついた。それにつられるように自分も食べ始める。

 食事が終わる頃 悲鳴が聞こえた。

「山賊がきたぞ!逃げろぉ!」


「山賊!?なぜこんなところに!」

 ありえない・・・。ゴートは、海に隣接していて山にも囲われている。漁業などは盛んだが、それが目的での商人など極わずかだ。ましてや、貴族すら住んだことは無いと言われるゴートに何をしにきた・・・。

 ラルは、悲鳴を聞いた後、瞬時に考えを巡らせていた。そんなことよりも目の前の2人を安全な所に・・・。

母さんとリルは、食べ終わった食器を片付けていたが悲鳴を聞いて顔が青ざめていた。

「必要な物を持って、村長の所へ向かおう!」

 村長の所に行けば、この村で雇われている傭兵達がいるはず・・・。モンスター退治などで功績を挙げているかれらなら大丈夫だろう。

 母さんとリルと一緒に、荷物をまとめて家を出た。

 ラルの腰には、いざという時に使えと言われていた「親父の剣」を帯剣していた。






 

 





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