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ななは、両親の存在を

疎ましく思っていた

少し前の事を

思い出す。




今と全然違うのは、やっぱり

恒久エネルギー源のおかげ、だと思う。




両親には、やっぱり老いの意識があって

子供のななの将来を気にするのは



自分たちの老後の事、とかが



やっぱり貨幣の貯蓄がない事(笑)とかで



子供を当てにしていたのだろうな、などと

今では思う。




でも、ななは知っているけれど

その恒久エネルギー源は、ほとんど魔法(笑)だから



いつまで続くとも知れない。




その魔法を知っているのは加藤だけど

魔法そのものを使えるのは、加藤じゃない。



加藤自身もこの世界にはいない。




そういう、ちょっと不安な代物だったりする。



だから愛って言われても

ななは、生れつき貨幣のある暮らしだったし


あまり裕福でもなかったから、何が

愛なんだかよくわからなかったけど



でも、幼い頃は

お金が無くても憧れたし

好きな子もいた。



そういう気持ちで愛、って言っていいのかな?




なんて風にも思ったり。




派遣社員だった頃の同僚とは

もう会う事もなかった。




そう、お金が必要ない世界になって


派遣、なんて制度も必要なくなったから


それで儲けていた人達もいなくなった。




働きたい人達は、好きな事だけして

働いた。




使命感に燃えて、警察官になるような

人達は居たけれど




平和になった世の中に、揉め事は

そんなになかった。




貨幣が無くなって、永遠の収入が

誰にでも保障されれば



そんなにこだわるような事もなかったから

争いもそんなに起こるわけもなかった。


アメリカ人は、元々楽天的なのか

多くの人は、貯蓄より人生を楽しんでた。



なので、働かない事を楽しんだ(笑)



以前とそんなに変わらない。



でも、お金儲けが好きな人達のうち

株や金融で儲けるような人は、儲けが

減った。



けれども、借金して株買って、なんて

事をする必要もない。





それでも、貨幣にこだわる人々も

いる事は居た。




証券会社に勤めるような人達である。





そういう、古い環境に慣れた人達は

新しい環境に慣れず、遅れていくのは

必至だった。




自然環境なら、滅びる種類である。


貨幣は価値が安定してこその貨幣であるが

そうでなくなった近年、相場で儲ける人達

も居たけれど


皆さん不幸になっている(笑)。



この日本でも、以前

渡来人の末裔が、日本の首相になり


その孫が、アメリカの金融会社に居て

倒産して(笑)


懲りずに金融会社に転職、結婚しそこなった

女子アナの成れの果てを妻にしたら


その妻がお正月に交通事故を起こして

罰金刑(笑)



それでも懲りずに高級別荘など建てたはいいが


今度は本人が癌に罹患(笑)



ストレスが如何に体に悪いかを示す

良い例だが



そういう人達は、心の病なので



劣等感がある。



なので、劣位になりたくないの一心で

無理をしてしまう。



心の病をまず直すべきなのだが



そういう人達は、神様のお薬は必然である。



心の病がなおらなければ、貨幣を無くしても

他の何かで争い始めるのだろう。




不憫な事だ。

ななは、富士山の裾野にある

牧草地に、ログハウスを建てた両親を

手伝って。



でも、自分でも家を持ちたいなんて

思ったりもした。



誰にでもエネルギー源があるから


何の心配もいらなかった。






不思議な事に、あんまり

結婚しようとか、思わなかったけど


ただ、かわいい赤ちゃんはほしいと

イメージで思った。




赤ちゃんを持っても、派遣で働く事も

最早無かったから


どんな女の子でも、幸せに

赤ちゃんとの時間を過ごす事が出来たから



そういう幸せを得たいと思うのは、女の子らしい望みである。




収入の不安がなければ、誰でも

そうしたいと思っている。




つまり、これまで

貨幣の流通を制御して

お金儲けを企んだ政治家が

悪かったのである(笑)。



日本で言えば、派遣、なんて

違法だった事を正当化したのは

政治家である。



イメージの赤ちゃんはかわいいだけ。

でも、本物はやっぱり

泣くし、おしめもするしと

かわいいだけじゃ、育てられないのも


なんとなく、ななは知っていた。



それなので、とても

派遣の仕事なんてしながら、なんて

子供なんて産めないと思ったりもしていた。



今は、神様の薬のせいで

派遣なんて制度はなくなったし


それ以前に、貨幣流通がなくなったから


自然エネルギー源で、働く事を

無理矢理しなくてもいい、そういう

社会になったりした。




なので、暇が出来たから


赤ちゃんでも産んでみたい(笑)と


そんなふうにななは思った。



年齢の限界があって


年取ると、子供産むのが大変だとか


子供に病気が増えるとか



はてまた、ガンになるとか(笑)



いろいろ、婦人科系の話を聞くと


なんだか、女って子供産む機械みたい(笑)と

思うななだったけど



それは遠く、人類以前から続いて来た

仕組みだ。




科学の進歩で、それを解放する事も

今では可能だ。



家督相続が不要なら、家族もいらない、と考える人々は


そうする事も出来た。



それが愛かと思うと

そんな事もない、と

ななは思う。


派遣社員だった頃の同僚のひとり、千尋は


派遣先でコネクションを作り、悪のシンジケートを作る



よくある、悪いOLの典型みたいなタイプだった。



そういう人達を増やさないように、派遣と

言う制度が出来たと言う側面もある。



どうしてか、と言うと

その頃の日本が、国家が産業を保護するのを

止めて


銀行ですら倒産する経済にしてしまったから

善悪でなく、損得で人間が動くような


そういう社会になるのは当然で

千尋のように、仕事をせずに不平ばかり

言っていても



資本家にコネクションがあると、誰も

何も言えない。


一見、千尋は勝利したように見えるが

それは反対(笑)



結局、資本家に媚びなくては

生きていけない労働者になっただけで


常に虐げられているのとそれは同じ。




悪い事は所詮悪い事で、気が晴れる事など

永遠に来ない人生を選んだだけで


心の鬱屈が顔にも表れて


結局、誰からも愛されない女になってしまって

それが更に鬱屈を生む(笑)。




ななは、その千尋を

加藤が嫌っていた事もなんとなく感じ




その加藤が、ななには優しくする事で

千尋が加藤を敵視していた事も、今は

微笑ましい想い出として回想できる。





「千尋も幸せなんだろうか」ななは思うけど


別に、会いたいとも思わない(笑)。




会社なんてもの好きでもなんでもなかったのに

働くのは、他ならぬ貨幣のせいだったから



そんなものがなくなって清々とした

なな、でもあった(笑)




贅沢なんてしなくても、それでいい。




ひとときでも、加藤のような人に

自分は優しくされた事も、今はいい想い出だ。



損得で判断を翻したりしない、そういう人に

かわいらしいと言われた事は、なんとなく

ななにとって快かった。


1980年代に、動物の行動は

攻撃であると学者は説いたけれど



そんな事は、もちろん

ななたちは知らない(笑)。



でも、ひとり気ままにしている事が

もし幸せなら



他の動物が干渉すれば、気ままな行動が

攻撃と感じられる事もあるだろう。




ななはのんびりしてるから、クルマの

運転ものんびりだった。



なので、ゆっくり走ってると


後ろの運転手さんがそれを嫌がらせだと

勘違いして怒る、なんて事もあった(笑)。




そういう時、後ろの運転手さんにとって


ななの運転は攻撃だと言われる(笑)




動物の攻撃ってそんなものだ。




見方でいろいろ感じられるのだ。





国、とか正義、とか


いろいろなドメインを作るから



枠を超えると攻撃だと言われるので


そんなものを作らなければ良かったり。




この国も、原子力発電所が爆発したので


もう原子力は要らないと思っている

人と




そうでない人と、が



ドメインの境界で攻撃、(笑)。





なんて事もあったけれど




今は、自然エネルギー源が無尽蔵にあるので



発電所そのものが要らない。




ドメインは不要になったから


争いもいらないのだ。





相手の考えが気に入らないから、攻撃するのは

如何にも愚かしいけれど

それは、動物から引き継がれた攻撃だと

ローレンツさんは説いていた。




もちろん、ななの知る事ではない(笑)



でも、赤ちゃんがほしいとななが思う時



面倒だけど赤ちゃんのお父さんと付き合う

必然もある(笑)。





そういう時だけ、ドメインが重ならないと

赤ちゃんはできない(笑)のは


いかにも動物っぽくて嫌だし

変な人の子供もほしくない(笑)。




それは、女の子にとって切実である。



貨幣に関わらず、生き物として

ものを食べてエネルギーを得る。


人間は動物だから、他の生き物を食べて

生きる。


それが罪だと宗教が教え、だから

他の生き物に感謝しないといけないとも言う。



それが日本的な感覚で、どんな生き物にも

魂があると言うアジアンな感覚。



自分で、魚を採ったり



鶏を飼って、卵を食べたりすると

実感できる、そういう自然な感覚。





生物生態学的に正しい。




西洋の宗教では、始めから階級社会に歪められていて



人間以外の動物は、人間に食われる為に

生きている、なんて言う


差別的な(笑)こういう発想は

身勝手なもので




日本人の方が優しいのは、こんな理由による。




でも、日本人のふりをしている外国人とかが


優しい日本人を差別していたのが


ななが嫌いな(笑)大人たちだった。




夜遅くに会社に出て来いとか、変な命令を

する渡来人大塚とかは、資本家の家来になって

ななたち派遣の女の子を凌辱しようとする

見るのも嫌な奴だったが(笑)



いま、平和になって

ななが恋したいと思う相手は

まさか大塚ではなかった(笑)。




実は大塚も派遣なのだから(笑)。






「でも、若いうちよね」と、ななも思う。







家督相続が無くなっても、ひとりで

生きて行くのは少し怖いかもしれないと

ななも思う。



病気になった時とかの事、とか

考えると。





そういう人が多いのか、医療と信仰は

相変わらず需要が続いたから


ななも「本当にシスターになっちゃおうかしら」なんて(笑)




思ったりもした。





西洋の世界でも、同じような動きで

貨幣流通社会が、徐々に停滞していった。



食べ物に困らなくて、将来の不安もない。


ななは、でも


派遣で辛かったあの店で、加藤と

過ごしたひと時が、幸せだったと


思い出したりして。



懐かしくて涙ぐんだり(笑)。



ミニスカートで椅子に座って

加藤にだけ、膝を立てて

きれいな脚を見せたり。



緩めの上着で

胸元を、加藤にだけ見せたり。



悲しいけど、あの頃のななは

自分の身体を見せ付けるくらいしか


加藤の気を引くすべが無かったように

思えた。



そのくらい、ひたむきな気持ちだったんだと



ななは、思い返す。




その時の自分が、愛しく思えた。



もう、あんな日々は来ないんじゃないかなって


思えて、寂しくなった。



「だって、もう加藤さんはいないんだもの。」



他にいくらでもいい男はいるだろうけど

あの人は、他にいない。








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