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最悪な誕生日

「ごめん!!待った?」

公園の噴水にいる遥のもとへ駆け寄る。

「いや、今来たところだよ。」

遥はいつもと変わらぬ優しい笑みを浮かべた。

時間厳守の遥のことだから絶対待ったはずだろうに・・・

遥は優しいなぁ、今日はどこに行くのかな?

まあ、どこに行っても絶対楽しいのだけれど。

「さあ、いこうか」

「うんっ」

遥の手にそっと私の手を近づける。すると遥は複雑そうな顔をしながら戸惑いがちに私の手を握った。

緊張してるだけだよね。遥の顔に少し違和感を感じつつも、私は苦笑しながらそう宥めた。


しばらくして着いたのは素敵なカフェだった。

「ここ?」

「うん、ここならゆっくり話せるかなって」

なーんだ、やっぱり普通のデートじゃん。さっきまでの緊張は嘘のように晴れていった。

遥が深刻そうな顔をしているのにも気付かずに・・・


「今日はいいお天気だね!!」

「うん」

「デートって楽しいね!」

「うん」

「昨日の単元テストどうだった?」

「うん」

遥はぼーっとし受け流すかのように「うん」と、ただそれだけしか言わなかった。

「何かあった?」

「んーん!ごめんね?なんか考え事しててさ」

遥は申し訳なさそうに謝るとそう呟いた。

「何?何でも言ってよ、私たち恋人なんだしさ!!」

「実は・・・」

そう言いかけ言葉を詰まらせた。

「やっぱなんでもない」

遥は苦笑した。

「そう?」

私は深く追及しようとは思わなかった。彼も彼なりに考えていることだし。

でもどこか頼ってほしいと思う自分がいた。


「ゴク・・・」

会話も徐々に減り飲み物を飲む回数が増える。

刻々と過ぎ去る時間につれて沈黙も続いた。

遠い一点を見つめた遥の眼差し、それはとても冷たかった。

私はなぜか不思議な緊張感を覚えた。

「そろそろ行こっか」

「あ、うん!」

急だったために私は変な作り笑いをしてしまった。


すっかり日も暮れて私たちは手をつないで駅へ向かった。

「あ!そうだこれ・・・はいどうぞ、誕生日だよね?チョコ作ったんだー」

私は朝頑張って作った、誕生日プレゼントを恥ずかしそうに渡した。

「・・・正直言ってさ、こういうの重いんだよね」

しかし、遥から出たのは想像もできないような冷たい言葉だった。

「え?」

私は苦笑し、ただただ立ち尽くすだけだった。

「前から思ってたんだよ、もう別れよう??」

遥は笑顔ながらに淡々とした口調でそう吐き捨てた。

「・・・遥の馬鹿っ!!」

静かな辺りに私の声は劈くように響き渡った。

私は泣きながら駅のホームへ走った。


「これでいいんだ」

遥は泣きながらそう呟いた。

いやあああああああああああつかれました。

次話はついに遥が学校に来なくなります。そうです!失踪します。

そして初の学校での場面を書きますので新キャラ登場します!!

主に活躍するのが、新キャラで夏輝の幼馴染です!

次話も近々更新予定ですのでぜひ読んでください。


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