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ウサギノウタゲ
その日
とある山奥で神様達の宴会が開かれて居ました。
お神酒を煽るように飲んでのドンチャン騒ぎ。
それでも奥地にある宴会場から人里に音が届く事は在りませんでした。
熊の神様と兎の神様は手尺樽からお互いにお神酒を酌み交わし飲んでいます。
その手でどうやって持ってるのと疑問に思ってはいけません。
神様のやる事ですから。
兎の神様は、迂闊にもこの間人間に捕まった話を酒の肴にしていました。
「がははは、人間に捕まるとは迂闊よな兎のぉ~」
「後で思いだすと鬼の人の血が混じっていたけどね。まあ言い訳臭くなっちゃうか」
「人里の近くになんぞ行くからじゃわい。龍の爺といいお前といい人間なんぞに係わっても良い事なんてないだろう」
熊の神様の助言に兎の神様は苦笑を洩らす。
「人間ほど残虐で、面白いものは無いよ。あんなに沢山いるのにいつも争ってばかりで、何考えてるか解らない所とか飽きないよ」
「最近は余所のにも会う機会もないから退屈なのは解るがな」
暫くは退屈しないかもねと兎の神様は一献空ける。
あの赤い目の子はどんな物語を紡いでくれるのかな。