ペット?ができました
遅くなりました(>_<)
翌日。
またもやメイドさんの目を盗んで私は、魔法の練習をすることにした。
魔法使うとか、夢だよね!
早速昨日みた魔法を試してみる。
えーっと‥‥まずは火の属性の魔法を試してみよっかな。
それに、火の魔法が一番ハデじゃない?カタカナ多いさ。
ん〜、火の魔法の一番簡単な魔法は『ファイアーボール』だったけ。
そういや、どうやってやんだろ?
魔導書には‥‥‥書いてなかったよな。あのいい加減な作者め。
なぁ〜にが、面倒かったからやめるだ。全て書き終わってからにしろよ。
いい加減な魔導書作者に文句を言い終えてから(もちろん心の中で。まだしゃべれないし。赤ちゃんが流暢にしゃべり出しても怖いし。)、私はどうやるかを考えだした。
まだメイドさんが来る時間でないので、腕を組んでうんうん唸ってる私は、端から見たらすごく滑稽だったんだと思う。
だって、
「ミアカ様〜、ちょっと早いですけどお昼の時間です〜‥‥‥ぶはっ」
たまたま入ってきたメイドさん(本名・ナギ、19歳)が私の姿を見て、口を押さえて震えてるから。
そんな顔を真っ赤にして肩震わせるんだったら、いっそのこと笑えばいいさ!
でもどうしよう?腕組んで唸ってる赤ちゃんなんて、普通見たことないだろう。つまりザンネンな子扱い!?それはヤダなぁ‥‥‥ あ、そうだ!メイドさん改めナギさんは飽くまでも私のことを赤ちゃんだと思っている(実際そうだけど)。だったら、目一杯かわいい赤ちゃんを演じる(?)んだ!
「ゲフン、ゲフン‥‥‥し、失礼しました。ミアカ様の前で粗相を‥‥。
気をとりなおして、お昼にしましょう。」
私の渾身の『かわいい赤ちゃん』が効を奏したのか、ナギさんはさっきのを見なかったことにしてくれるみたいだ。よかった、あぶない、あぶない。
でも、お昼もヤなんだよなぁ、と思っていると
「では、はい、ミルクですよ〜」
ナギさんが私の口に哺乳瓶を突っ込んだ。
ごふっ!?
毎度のことながら、やめて欲しい。
哺乳瓶の乳を吸うのも恥ずかしいは恥ずかしいんだが、それはお母様から直でやられるよりましかなと思っている。赤ちゃんはまだ乳しか飲めないしね。
しかし、しかしだ。だからといって何故哺乳瓶を突っ込む!?毎回ぐぇっとなるんだが!
まぁ、でもきっとナギさんに悪気はないんだろう。きっと
この家で初の子供だから加減が分からないに違いない。そう、信じてる。
「 ♪〜♪〜♪ 」
ナギさんといえば、楽しそうに鼻歌を歌いながら私の世話をしている。
‥‥‥私の苦しみに気づいてはいなさそうだ。
無念。
‥‥閑話休題
ナギさんのお昼タイムが終わった私は、今度こそ魔法に挑戦することにした。
魔法をどうやって使うかは魔導書に書いてなかったから、どうなるか分からんけど。どうにかなるでしょ。たぶん。
‥‥‥勘って大事だよ、勘って。
取り敢えず先ほどの現象を思い出してみる。
確か‥‥‥‥魔力を1ヶ所に集めるとポワッとしたのが出来るんだよね。
で、私はだいだいの属性魔法が出来るっぽいので‥‥‥って、よく考えるとチートじゃね?神様のオマケかな。
う〜ん、なにから試そっかなぁ〜。
火属性はカタカナでテンプレっぽくていいしな〜。
あ〜でも、水や風属性もカッコいいな。あ、ゴーレムとかもある。これ何属性?へぇ〜、木属性かぁ。
う〜ん、迷う。
‥‥‥しばらくお待ちください。
散々迷って、私は初めて使う魔法を火属性にすることにした。
テンプレっていいよねっ♪
まずは1ヶ所に魔力を集めると虹色みたいになっちゃうから、赤だけにしないとだよね。
赤以外の色の魔力を水を逃がすように退かしていく。
よしっ、これで赤だけになった‥‥‥なったけど、この後どーすんの?
プリーズヘールプミーー!
かなり試行錯誤した後(力を籠めたり、唸ったりしていた。)、漸くやり方がわかった。
どうやら、『ファイアーボール』を使うなら「ファイアーボール」と言えばいいだけらしい。
やけくそになって、火っぽい言葉を言ってたら分かった。
脱、力
こんなに簡単なことなら、書けよ〜。魔導書クソ作者め。
ちなみに分かった原因は「灯火っ!(やけくそ)」って叫んだら、蝋燭の火ぐらいのが、ポッと出たからでした♪
やり方も分かったことだし、火属性だけじゃなく色々試してみる。
まずは‥‥‥
「蛟!」
うおぉーー!!
何か、水でできた蛇みたいのが出てきたー!?
こ、これが蛟か‥‥‥。
かっけぇ‥‥‥!!
蛟は全長3メートルぐらいで大きい。見た目も鱗がキラキラしていて、蛇なんだけど蛇とはいえないぐらいの威厳がある。
触ったら冷たいかな?
‥‥‥‥って、冷静に観察してる場合じゃなかった。狭い、狭いよ!!
そりゃ、全長3メートルもあったら狭くもなるよ!
‥‥‥意思はあるんだろうか?
呼び掛けみようかな。
「‥‥‥」
しまった、名前がわかんない!
蛟さんでいいかな‥‥?
「み、蛟さん‥‥?」
何だと言うような目付きで見てくる。言葉は喋れなさそうだけど、意思はあるらしい。
「名前はあるの?」
もしかしたら風属性の魔法を使ったつもりが召喚魔法っぽいのを使ってしまったのかもしれない。私の前世ではこんな生物いなかったけど、この世界にはいるのかもしれない。そうしたらペットの可能性もあるわけで。
「‥‥‥(ブンブン)」
呆れたような目で見てから、首を振られた。『お前が造ったんだからあるわけねぇだろ。』とでも言ってそうだ。
どうでもいいけど、首を振られると物にぶつかりそうなのでやめてほしい。切実に。
「じゃあ、名前つけてあげる!」
前世でもペット欲しかったし。祖母のせいで飼えなかったけど。
名前かぁ‥‥。
そうだな…
「蛟だからズッチー」
「‥‥‥(ブンブン)」
ダメらしい。
「ミズリン。」
「‥‥‥‥(ブンブンブンッ)」
却下か。
ならばッ
「ズチリン。」
「‥‥‥(ベシィッ)」
痛ぁッ、叩かれた!どんだけやなんだよ!?
私とズチリン(仮)の名付け合戦は、何事かとメイドさんが駆けつけて来るまで行われた。
自分でもミアカの性格が分からなくなってきた‥‥‥(-_-;)