表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第二章:殺人者の記憶



 第一の謎──「君は、昨日、誰を殺した?」


 床に落ちていた白紙のカードを拾い上げると、その文字は徐々に滲み、消えていった。

 代わりに、ノートの2ページ目が勝手にめくられ、何かが浮かび上がっていく。


> 【ヒント】


・赤いマフラー

・雨の夜

・右手に重み

・名前は“アユミ”




 頭が痛む。鈍く、じわじわと刺すような痛み。

 ミナトは額を押さえ、壁にもたれかかった。


 ──赤いマフラー。

 ──雨の夜。

 ──アユミ……誰だ、それは。


 その瞬間だった。

 ――ズズ……という音とともに、洋館の壁の一部が“滲み”、人影のようなものが現れた。

 人影は形を変え、やがて“少女の姿”になる。だが、顔だけが塗りつぶされたように黒い。


「……返して」


 声がした。空気が凍りつく。ミナトの喉が、無意識に震えた。


「かえして……“わたし”を……アユミを……」


 少女の影が、一歩ずつ近づいてくる。足音はしないのに、体の奥で“音”が鳴っていた。

 ノートが熱くなる。見ると、新たな記述が現れていた。


> 【選択肢】


A:「アユミなんて知らない」と否定する

B:「アユミを殺したのは俺か」と問う

C:「返す方法を教えてくれ」と願う




 ミナトの手が、自然とノートの選択肢に触れる。すると、壁の“影”が反応した。


 彼は、選んだ──

 B:「アユミを殺したのは俺か」


 そのとき、少女の影が止まり、言った。


「……やっと、名前を呼んでくれたね」


 そして、壁一面が“血の記憶”で染まっていく。


 雨の夜、橋の上。

 赤いマフラーの少女が、彼に向かって何かを叫んでいた。

 だが、右手には鈍器のような何か。少女の顔が、恐怖に引きつっていた。


 ──俺は……何をして……?

 ──本当に、殺したのか……?


 目の前の“記憶”が、途切れる。


 次の瞬間、部屋にいたはずの少女の影が消えていた。ノートには、また新たなページが現れていた。


> 【正解】


第一の謎、回答完了。

記憶の一部、復元:

「アユミは、かつての“恋人”」


だが、これは始まりに過ぎない。

“本当に殺したのは誰か”──その答えは、第五の謎に記されている。





---


次回予告


第三章『壊れた手紙、二重の真実』


> 「誰が嘘をついている? 彼女か、自分自身か」

第二の謎──“この手紙は、誰が書いたものか?”






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ