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ルーカス親子 2

39話 ルーカス親子 2


「思ったよりイイ部屋だ」

「パパ、お風呂もある」


 めつたにない泊まり客用のこの部屋は、はじめにハンナと泊まった部屋だ。ノアの店、最高級らしい。

 あの時は、ハンナがお金持ってたからな。


「スザンナさんは、プライベートでは」

「はい、パパと」

「仕事中では、甘えてしまうので呼ばせない」

「パパ、お風呂入るわ」

「ん、ゴホン」

「あ、すいません夕食の時に」


 アスカたちは、二部屋に泊まってる。アスカとメロディと男たちだ。ハンナもアスカたちのとこにと言ったが。


「ヤダ、ジャンと一緒がイイ。ジャンと子作りの練習がしたいぃ」

「こら、そういうコトは人前で言うな」


 子作りならわかるが、練習ってなんだ。


「今夜は、客が多くていいわ」

「あれから、はいらないのか?」

「まあボチボチと」


 女将の話では、あの騒ぎで神父の弟子の少年が亡くなり、葬儀の後にグレイ・ブルーレスは町から出ていったという。

 この町を支配しようとして失敗したのが原因か?

 その後若い保安官がきまり。

 町長も新しく選挙をして決めるそうだ。


 砦のアウトローたちはあれから姿を消したという町は平穏無事に。


「あの竜巻で壊れた教会に、キリギス教の人間がはいって修理をしてるよ。この町にもキリギス教が来たんだね。まあ私には関係ないけど。信じるのは神より、こいつさ」


 と、女将はテキーラの瓶をカウンターに置いた。


 アスカたちは町の情報を独自に集め、ボクは女将の話しをルーカス博士たちにした。


 博士の助手は、スザンナを含めて三人、他にメガネの痩せた男と肉体労働専門そうなガタのいい男だ。


「君等の仲間は?」

「みんな、グレイに恨みをだいた者たちで、一度死んだとというグレイがまた現れたと、こうして町に。しかし、また何処かへ」


「なるほど……」


「あっ、ホワイトさん。ココの厨房借りてクッキー焼いたのデザートにどうです」


 食事中には居たと思ったが、そいつを取りに行ってたのか。スザンナさん。


 風呂に入ったせいか、髪型も変え三編みに、なんかホコリまみれの発掘現場とは違ってカワイイ。


「あ、スザンナさん。誰もホワイトなんて呼びません。ジャンでいいです」


「ああ。娘は気に入った人間に出会うと、クッキーを焼くクセが……」


 なんだか不機嫌そうだルーカス博士。

 べつにボクは、彼女を。


「あっジャン、なにそれ」


「わたしが焼いたクッキーです。よろしかったら……」


「あ、美味しい。こんな美味しいお菓子初めて食べた。いくつでもいけちゃう」

「あ、あの」


 オイ、ハンナ食い過ぎだ。どんだけ口に入れてるんだ。ボクのぶんまで。


「どしたの、ジャン」


 頬をリスみたくふくらましたハンナ。


「仲がよろしいようだが、二人の関係は?」

「お、幼なじみです……」


 幼かったのはハンナだけだが。


「ホントわぁ婚約者なんです、ホラこんなに立派なリングをもらいまして」


 って、ソレ自分で買って勝手に。


「ホウ、ソレは立派な石ですな。ちょっと拝見させていただいていいかな?」


 ハンナは、はいと博士に指輪をつけた手の甲をみせた。

 博士は本当に興味があったのかポケットから拡大鏡を出ししげしげと見た。


「エメラルドのようだが、違いますな。コレはいったい何処で?」


 博士はボクに聞いたが。


「雑貨屋で、買った安物ですわ。でもあたしたちにはダイヤより……」

「ソレ何処かで……。魔石かも、しれん」

「魔石……」

「持つと災いを呼ぶという。雑貨屋はなんと?」


 ハンナは、イヤな顔してボクを見た。

 だからソレはボクが買ったんじゃない。


「店主が言うには、漁師が網にかかった物を買って空のリングに付けたと」


「海で……あ、お嬢さん気にしないでくれ、私も本物を見たことがないのでつい。特に何もないだろう」

「まあそうね……ジャンに会えたし」


 それは、買う前だハンナ。


「一番の災難はジャンがモテモテってことかしら」

「そうか、ハハハハハハハハだ、そうだ。スザンナ」

「パパ、何がおかしいのかしら」


 翌日、皆で話し合った結果、また別れてグレイが居そうな町を探すと。


 朝一番にアスカとフリント爺さんにチコが。

お昼前にはメロディとダイゴの姉弟が。

もう一晩ココで様子を見るというモンコ爺さんとビリー・ワイルド。


 そして、ボクらは、見せたいものがあるというルーカス博士の家に行くことに。


「なんですか? 見せたいものって?」

「我が家に伝わる、古い本で通称『賢者のいななき』という古書だ」


               つづく

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